シェフレラ(カポック)は、環境に対する順応性が高く、耐陰性にも強いため、室内でも屋外でも問題なく育てられます。しかし育て方を間違えてしまうと、枯れてしまうこともあるのです。今回は、シェフレラが枯れる原因や対策法、復活させる方法などをご紹介します。
シェフレラ(カポック)が枯れるとどうなる?
シェフレラが枯れると、最終的には葉が黒くなって落ちてしまいます。日光や水やり、土などさまざまな原因で、葉が変色したり、茎の元気がなくなって枯れていくのです。
しかしシェフレラは、環境の変化でも葉を落としてしまうことがあるので注意しましょう。
- 購入したばかりで新しい環境に順応しようとしている
- 一気に環境が変わった
- 花や実に栄養を取られている
上記のような理由でも、葉を落とすことがあります。この場合は、枯れているわけではないので安心してください。理由がないのに、葉が黒くなって落ちた場合は枯れています。
シェフレラ(カポック)が枯れる原因・対処法
シェフレラは、日光や水やりのやり方、季節の変わり目などで枯れてしまうことがあります。しかし、正しい処置をすることで、回復することも多いです。まず何が原因なのかを探ることが大切です。
シェフレラが枯れる原因と対処法をご紹介しますので、原因を特定して、正しい方法で処置していきましょう。
日光が不足している
シェフレラは、基本的に日光を好む性質です。環境に対する順応性が高いため、耐陰性が高く、室内で育てることもできます。
しかし日陰に長時間置いておくと、光合成がうまくできずに株が弱ってしまい、やがて枯れてしまうこともあるのです。
対処法
日光が不足していると、どんどん元気がなくなってしまうので、できるだけ日が当たる場所に置くか、定期的に日光に当ててあげましょう。
春~夏にかけては、できるだけ屋外で育てるのがおすすめです。
直射日光に当たってしまった
シェフレラは、直接日光に当たってしまうと葉焼けを起こすおそれがあります。葉焼けとは、葉が部分的に変色し、枯れてしまうことです。
特に夏場の強い日差しには注意が必要です。
対処法
室内で育てる場合は、直射日光に当たらないように、レースカーテン越しに置くなどしましょう。屋外で育てる場合は、夏の西日が当たらない場所で管理するのがおすすめです。
また、室内から屋外に移動させる際に、急に日差しが強い場所に移動させてしまうと、葉焼けを起こしやすくなるため、徐々に慣らしながら移動させてあげましょう。
水やりが適切ではなかった
シェフレラは水を与えすぎても与えすぎなくても、枯れてしまうおそれがあります。季節によって水やりのペースは違いますが、土の表面が乾いたらたっぷりの水を与えるようにしましょう。
対処法
春~秋にかけては、土の表面が乾いて、白くなってから水やりをします。乾燥に強いため、こまめな水やりは必要ありません。ただ夏場は乾燥しやすいので、毎日土の状態を確認しましょう。
水やりは、午前中か夕方の涼しい時間帯に行い、鉢底から水が出てくるまでたっぷり与えてください。しかし、受け皿に水が溜まったままになっているのは良くないので、受け皿の水は流します。
特に室内の場合は、水やりの後は蒸れやすくなるので、風通しを良くしてあげることが大切です。
屋外で育てている場合は、直接地面に置かずに、土台やプランタースタンド、すのこなどの上に置くのがおすすめです。直置きすると、水やりをするたびに鉢底が蒸れるので、根腐れを起こしやすくなります。
11~3月の気温が下がる時期は、成長が緩やかになるので、水やりは控えめにしましょう。土の表面が乾いてから、2~3日ほどたってから水やりをするくらいでOKです。寒い時期は、乾燥気味にしましょう。
シェフレラは水を与えすぎると葉腐れを起こし、枯れてしまうことがあるため、適度な水やりが重要です。
寒い場所に置いていた
シェフレラは、寒さに強く、0度以上あれば越冬することもできます。しかし、氷点下になるような場所に置き霜に当たると、葉が傷んだり変色したりします。
対処法
霜が降らない地域では、屋外で育てたり、地植えしたりすることもできます。反対に寒さが厳しい地域では、鉢植えにして氷点下にならない場所、さらに霜が当たらない場所に置きましょう。
室内の場合でも、冬場の窓の近くは気温差があるため注意が必要です。ある程度の温度がある昼間は窓際に置いて日光を当てて、夕方以降は窓から離れた場所に移動させましょう。
根詰まりを起こしている
シェフレラを鉢植えしている場合、長い期間同じ鉢で育て続けていると、根詰まりを起こすことがあります。
根詰まりとは、根が伸びすぎて、鉢の中でスペースがなくなっている状態です。根詰まりを起こすと、水分や栄養が上手に吸収されずに、枯れやすくなってしまいます。
対処法
シェフレラは成長が早いので、1~2年に一度は植え替えをしましょう。今育てている鉢よりひと回り大きい鉢に植え替えをすることで、根詰まりが解消されます。
タイミングは、成長期である4~9月がベストな時期です。植え替えのやり方は、以下の通りです。
【植え替えのやり方】
- 鉢からシェフレラを抜き取る
- 根に付いている古い土を手でほぐしながら落とす
- 古い根や傷んだ根を切り取る
- 一回り大きい新しい鉢を用意し、鉢底にネットを敷き、軽石などを敷く
- 鉢に新しい土を適量入れる
(使用する土は、水はけの良いものを使いましょう。環境植物用の土や、培養土などの市販のものでも良いです。)
- シェフレラを入れて、隙間を埋めるように土を入れる
(1m以上成長している場合は、支柱を立ててひもで固定させれば安定します。)
- たっぷりを水をあたえたら、植え替え完了
- 直射日光を避けた、風通しが良い場所に置く
根腐れを起こしている
シェフレラは乾燥に強い観葉植物なので、水やりを毎日行う必要がありません。水を与えすぎてしまうと、根腐れを起こす原因になり、枯れやすくなります。
対処法
根腐れを起こさないためにも、土の表面が乾いてから水やりを行うようにしましょう。
また気温が低い季節は、土の表面が乾いてから2~3日置いて水やりをするのが正しいやり方です。受け皿に溜まった水も捨てるようにしてくださいね。
空気の乾燥する場所に置いていた
シェフレラは乾燥に強い観葉植物ですが、乾燥しすぎると枯れてしまうことがあります。
対処法
空気の乾燥が気になるときは、霧吹きなどで葉に水を与える葉水を行いましょう。特に冬場は葉水が重要です。1日1回は葉水を行うと良いでしょう。
また、葉水は乾燥を予防するだけでなく、アブラムシやハダニなどの害虫予防にもなります。
エアコンの風が直接当たってしまった
シェフレラは耐陰性が高いため、室内で育てられます。しかし、エアコンの風が直接当たってしまう場所に置いておくと、枯れることがあるのです。
対処法
シェフレラを室内に置く場合は、エアコンの風が直接当たらない場所に置きます。エアコンの風が当たる場所に置いてしまい元気がなくなったら、すぐにエアコンの風が当たらない、日光が当たる場所に移動させてあげましょう。
シェフレラ(カポック)で注意すべき病気と害虫
シェフレラを育てるうえで、気を付けたい病気と害虫は、以下の通りです。
- 斑点細菌病
- 炭そ病
- ハダニ
- カイガラムシ
- アブラムシ
病気も害虫も早めに対処・駆除しないと枯れる原因になります。それぞれの対処法と、駆除法を紹介していますので、参考にしてください。
斑点細菌病
シェフレラは、葉や茎が黄味がかった淡い色の小さな斑点ができ、少しずつ広がって褐色に変わってしまう斑点細菌病にかかることがあります。放置しておくと、葉が枯れてしまうため、早めに取り除きましょう。
茎が斑点細菌病にかかった場合は、枝ごと切り落します。水のやりすぎに気を付けながら、風通しの良い場所に置き予防しましょう。
炭そ病
炭そ病は、主に葉に症状が出る病気です。小さな黒褐色の斑点が発生して、内側から灰白色に変色してからだんだんと全体に広がっていきます。穴が開いたり、葉の先から枯れてしまったりする病気です。
また、カビの胞子が多数発生してしまうので注意が必要です。高温多湿な環境には十分気をつけましょう。
炭そ病にかかってしまったら、回復することはないので葉を切り取ってください。拡大を予防するためにも、専用の殺虫剤を散布します。
ハダニ
ハダニは、赤や黄緑色をした0.5mmほどの害虫です。葉の裏側に寄生して、栄養を吸汁してしまいます。吸汁された箇所は、白い斑点状になります。放置したままにしておくと、枯れてしまうおそれがあるので、見つけたら早めに駆除しましょう。
ハダニの駆除方法は、ダニに効く殺ダニ剤を使うか、少量ならテープを使って剥がしとる方法があります。
テープを使う場合は、粘着力が強くないものを使いましょう。粘着力が強すぎると、葉を傷めてしまうかもしれないので注意が必要です。
カイガラムシ
カイガラムシは3mmほどの害虫で、白い綿毛のようなものをまとっています。カイガラムシも吸汁して成長していくので、株が弱ってそのまま枯れてしまうことがあるのです。
カイガラムシは、幼虫か成虫かで駆除方法が変わります。幼虫の場合は、専用の殺虫剤などで駆除できますよ。
成虫になると、身体に硬い殻をまとうため、殺虫剤が効きにくくなります。そのため歯ブラシやヘラなどで、ひとつずつこすり落とさなければいけません。強くこすりすぎると、シェフレラを傷つけてしまうおそれがあるので注意してくださいね。
数が多くて全てこすり落とすのが難しい場合は、切り取るのもひとつの方法です。下手にこすって傷付けてしまうより、切った方がシェフレラにとっても良いことがあります。
アブラムシ
アブラムシは、2~4mmほどの害虫です。白や赤、緑、黒など種類によってさまざまな色をしています。
幼虫も成虫も葉や蕾から栄養を吸汁してしまいます。アブラムシは放置しておくと、どんどん数が増えていき群生するので、早めに駆除しないと大変なことになってしまいます。
またアブラムシは、体内にスス病などのウイルスを媒介しているので、吸汁した場所から、シェフレラにウイルスが侵入することもあります。病気にかからなくても、アブラムシに吸汁されて、元気がなくなり枯れてしまうこともあるのです。
アブラムシを見つけたら、専用の殺虫剤かテープを使って駆除しましょう。ハダニと同じように、テープの粘着力には注意してくださいね。
枯れてしまったシェフレラ(カポック)を復活させる方法
シェフレラが枯れてしまっても、まだ諦めてはいけません。完全に枯れてしまったら、元に戻すことはできないので、切り取るしかありません。
しかし、一部でも元気な部分が残っていれば切り戻しや挿し木、茎伏せで復活させることができます。
それぞれの詳しいやり方をご紹介します。
枯れた葉を切り取る
枯れてしまった葉は、復活することはないので切り取ってください。シェフレラは生長が早いため、すぐに新しい葉が生えてくるでしょう。
切り戻し
シェフレラの元気がなくなったり、枯れてしまったり、大きくなりすぎたりしないように、葉や茎を取り除く切り戻しがあります。
株の下の方にある黄色く変色した葉や、葉が落ちているものは枝元から剪定はさみで切り取りましょう。
横に広がった葉や、高く伸びすぎた上の枝を切り戻しすることも可能です。切り落しした枝や葉は、挿し木や茎伏せにすることもできます。
挿し木
シェフレラは、元気な枝を使った挿し木で復活させることができます。枝を切り取り、土に挿すだけの簡単な方法です。挿し木のやり方は、以下の通りです。
【挿し木のやり方】
- 枝を先端から10cm前後に切り落す
- 給水面を増やすために、切り口をV字に切ってとがらせる
- 先端にある葉を2~3枚残して、他はすべて取り除く
- 葉が大きい場合は半分に切る
- コップに水を入れ、そこに数時間切り口をつける
- 鉢底に鉢底ネット、軽石を敷く
- 挿し木用の土を入れる
- 指か割り箸で土に穴を開けて、枝を挿し込む
- たっぷりの水を与える
土が乾かないようにするためにも、日陰で管理しましょう。4~6週間ほどで、根が生えてきます。根が生えたら、一回り大きい鉢に植え替えをしてください。
茎伏せ
茎伏せは挿し木よりさらに簡単なやり方です。葉が付いていない茎を斜めに切って、湿らせた土の上に並べることで、土に接している部分から発芽して、やがて新芽が出てきます。
やり方は、土の上に3~5cm程度にカットした茎を横向きに置きます。2ヶ月ほどは、土が乾かないように注意しながら管理してください。
生育環境に気を付けてシェフレラ(カポック)が枯れないように育てよう!
シェフレラは、観葉植物の中でも特に丈夫なので、比較的育てやすい観葉植物です。しかし間違った育て方をしてしまうと、元気が無くなったり、枯れてしまったりすることがあります。
シェフレラを枯らさないためにも、枯れる原因になることをせずに、病気と害虫に気を付けましょう。もし枯れてしまっても、切り戻しや挿し木、茎伏せなどの方法で復活させることができます。覚えておくといざというときに役立つでしょう。
しかしまずは枯らさないように気を付けて、元気なシェフレラを育ててくださいね。