「水耕栽培の植物に肥料を与えたいが、アイテム選びや与え方に迷っている」そんな方へ向けて、この記事では水耕栽培用の肥料の選び方とおすすめの一品、与え方をご紹介します。家庭にある品物での代用の可能性やなぜ肥料が必要なのかなど、気になるポイントも確認していきましょう。
水耕栽培ではできるだけ肥料を与えた方が安心
水耕栽培でも観葉植物を活き活きと育てるために大切なのが、肥料です。
土を使わない水耕栽培では、観葉植物は水から栄養を吸収します。鉢植えと比べて栄養が不足しやすいため、不足分を肥料で補ってあげる必要があります。
特に、観葉植物の生育に必須とされる「窒素・リン酸・カリウム」の3つの栄養素は、病気や生育不良を防ぐために適量を与えてあげたいところです。
とはいえ、市販の肥料の多くはこの栄養素を含んでおり、初心者が成分まで気にする必要はありません。
初心者が水耕栽培の肥料を選ぶときに意識したいのは、「無機(化成)」かつ「液体」の肥料を選ぶことです。
肥料は扱いやすい「無機(化成)の液体肥料」が◎
観葉植物に与える肥料は、原料となった材料や製法から「無機(化成)」と「有機」の2種類に分類できます
【肥料の無機(化成)と有機の違い】
タイプ | 特徴 |
---|---|
無機(化成) | ・鉱石などの無機物から化学的な加工で作られた肥料・臭いが気になりにくく害虫も沸きにくい・商品数が豊富で、コストパフォーマンスの良い一品も多い |
有機 | ・米ぬかや動物の糞などの有機物から作られた肥料・オーガニック栽培に挑戦できるが、臭いや害虫のリスクが気になる・水が濁り、腐ってしまうリスクもある |
オーガニックにこだわりがない場合は、扱いやすく手に入りやすい無機(化成)の肥料が◎です。
また、肥料は形状についても「固形」と「液体」の2種類に大別できます。
【固形肥料と液体肥料の違い】
タイプ | 特徴 |
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固形肥料 | ・名前の通りに「固形」・主に土の上に置いたり混ぜ込んだりして使う・緩やかに効果の発揮されるアイテムが多い |
液体肥料 | ・名前の通りに「液体」・主に植木鉢の株元にかけたり、水耕栽培の水に加えたりして使う・効果に速効性があるアイテムが多い |
水耕栽培用であれば、そのまま適量を水に加えるだけで良い液体肥料が適しています。「無機(化成)」かつ「液体」の肥料を選ぶと覚えておいてくださいね。
水耕栽培の観葉植物におすすめな肥料7選!
ここからは、水耕栽培の観葉植物にぴったりな肥料を7つ厳選してご紹介します。
【リビングファーム】水耕栽培用 液体肥料S
まずご紹介するのは、『リビングファーム』の“水耕栽培用 液体肥料S”です。
窒素・リン酸・カリウムの3大栄養素に加えて、鉄・亜鉛・銅・モリブデンといった「微量元素」と呼ばれる成分もプラスした一品です。このアイテムひとつで、水耕栽培の観葉植物に与えたい栄養をまとめて補助できます。
100~200倍に水で希釈して利用するため、1本で想像以上に長持ちするのも魅力です。扱いやすく、コストパフォーマンスも良い液体肥料としておすすめできます。
【OATアグリオ】ジャストワン液肥
『OATアグリオ』の“ジャストワン液肥”は、「あらゆる植物のどの生育時期にも」を掲げる便利な液体肥料です。
植物の養分吸収特性に配慮しつつ、ブランド独自の技術によりたっぷりの栄養素を配合。プロの生産者からも支持を集めるほど、ハイクオリティな液体肥料に仕上がっています。
キャップがちょうど10mlの大きさになっていて、初心者でも与える量を間違えにくくなっている気配りも◎です。
【コスモ・スパーク】コスモ・スパーク105 液体肥料
肥料にかかるお金をできるだけ節約したい方には、『コスモ・スパーク』の液体肥料が向いています。
最大1,000倍と希釈の倍率が高い一品で、1本で驚くほど長持ちします。たとえば、500mlのボトルを1,000倍で利用すれば、500Lもの液体肥料になる計算です。
安価なだけではなく、農林水産省からの認可も受けており、信頼性でも優れています。大切に育てている観葉植物にも安心して与えられます。
【GREENGREEN】おうちのやさい C 一液タイプ
水耕栽培で食べられる植物を育てている方にぴったりなのが、『GREENGREEN』の“おうちのやさい C 一液タイプ”です。
「野菜を美味しく育てること」を目的とした液体肥料で、200倍に希釈することで水耕栽培の肥料として与えられます。
観葉植物や花にも対応しており、1本でさまざまなシーンで活躍する便利な一品です。
【ハイポネックス】キュート ハイドロ・水栽培用
『ハイポネックス』の“キュート ハイドロ・水栽培用”は、水耕栽培の観葉植物へ手軽に栄養を与えることができる活力剤です。
活力剤とは、植物の葉や花を美しく育てるのに役立つアイテムです。
一般的な肥料が生育の必須栄養素を配合しているのに比べて、活力剤は植物の瑞々しさや美しさを引き立ててくれる点に違いがあります。
こちらの一品も、良質なミネラルバランス効果にこだわられており、自慢の植物をより素敵な見た目へと導いてくれるでしょう。
【ハイポネックス】速効スプレー液
同じく『ハイポネックス』の活力剤から、扱いやすさに優れた“速効スプレー液”をセレクトしました。
葉に向かってシュッと一吹きするだけで良い便利な活力剤で、水耕栽培の観葉植物にも手軽に与えられます。臭いも少なめで、室内でも利用しやすいのも嬉しいポイントです。
【ハイポニカ】ハイポニカ液体肥料
初心者を超えた本格的な水耕栽培に取り組みたい方には、“ハイポニカ液体肥料”がおすすめです。
2本セットの液体肥料で、A液とB液を同じ量だけ水で希釈して与えます。2液に分かれている理由は、1液にするとカルシウムやマグネシウムなどの一部栄養素が結晶化してしまい、植物に届きにくくなるためです。
水耕栽培の場合、水500ml・A液1ml・B液1mlで配合して与えてください。
難しそうにも見えますが、配合の比率は観葉植物の生育段階を問わず変わらないため、一度慣れてしまえば簡単にこなせます。
水耕栽培の肥料に関するよくあるQ&A
最後に、水耕栽培の肥料にまつわるよくあるQ&Aを見ていきましょう。
肥料はいつから与えるべき?
水耕栽培の肥料を与える時期は「発芽した後に茎が伸びる時期」もしくは「実を付ける生育の活発な時期」が良いとされています。
ただし、アイテムによるため、説明書に違う指示がある場合はそちらを優先してください。
なお、観葉植物の多くは冬になると生育が緩やかになります。このような時期は、肥料を与えすぎないように注意が必要です。
肥料を与える頻度は?
水耕栽培の肥料を与える頻度は、各メーカーが定めている説明書の用法・用量に従ってください。
ポイントとして、肥料は与えれば与えるほど元気になるとはいきません。過剰な肥料はかえって観葉植物の害となることもあるため、適量を守るように意識してくださいね。
家庭にあるアイテムや自作肥料で代用できる?
水耕栽培の肥料は米のとぎ汁などで代用することもできます。しかし、通常は避けた方が安心9です。
家庭にあるもので肥料を代用する際には「有機肥料」を活用する形となりますが、前述の通り有機肥料には以下のようなデメリットがあります。
【有機肥料のデメリット】
- 室内で使うには臭いが気になる
- 害虫を引き寄せる原因になる
- 水が汚れて汚い印象になってしまう
特に、せっかく水耕栽培に挑戦するのに水が汚れて汚い印象になってしまっては残念です。できるだけ市販の無機(化成)肥料を選択してくださいね。
上手に肥料を与えて水耕栽培を成功させよう!
この記事では水耕栽培の肥料について、必要な理由や与えるべき種類、おすすめの一品とよくあるQ&Aをご紹介しました。
土ではなく水から栄養を吸収しなければならない水耕栽培では、肥料を与えて栄養を補助してあげるのが◎です。
ご紹介した内容を参考に、上手に肥料を与えて水耕栽培を成功させてくださいね。