可愛らしいインテリアとして人気のポトスは、水栽培で育てるとさらにおしゃれに部屋を飾れます。手順も簡単で、園芸初心者の方にもぴったりです。この記事では、初めてでも失敗しないポトスを水栽培で育てる方法と、水耕栽培との違い、さらにトラブル時の対処法を解説します。
ポトスは水栽培でもおしゃれに育つ植物!
ツヤのある美しい葉が魅力のポトスは、可愛らしいインテリアとしても人気の観葉植物です。小さめサイズに育てやすいことから、テーブルの上にチョコンと飾る上品なワンポイントアイテムとしても向いています。
しかし、土汚れや害虫が心配で「植木鉢を床置き以外にするのは…」と抵抗のある方も多いでしょう。そんな方にぴったりなのが“ポトスの水栽培”です。
土を一切使わない水栽培であれば、周りを汚してしまう心配も少なく、害虫の発生リスクも最小限です。おしゃれな小物を飾るのと同じ気分で、気軽に楽しめますよ。
ポトスの水栽培は、手順といくつかのポイントさえ知っておけば初心者でも楽々です。この記事で、失敗しないポトスの水栽培の方法を確認していきましょう!
水栽培と水耕栽培は違う
ちなみに、園芸における「水栽培」と「水耕栽培(ハイドロカルチャー)」は、厳密には違うと知っていますか? 両者の違いは以下の通りです。
- 水栽培:土はもちろん土の代わりになる物質も使わず、水中で育てる
→必要な道具も少なく非常に簡単!
- 水耕栽培:土の代わりとなる物質(ハイドロボールなど)を使って、水中で育てる
→ハイドロボールなどで固定できるため、大型の植物も転倒せず育てやすい
本当に水だけで育てるのが水栽培、代わりの土台を用意してあげるのが水耕栽培です。
ポトスの場合はどちらにも対応しており、単純に見た目が好きな方を選んで楽しめます。今回はどちらの方法も解説します。
失敗しないポトスの水栽培の方法!
早速、初心者でもできるポトスの水栽培の方法を見ていきましょう。なお、水耕栽培に仕立てたい場合も、手順は途中まで共通です。
必要な道具を準備する
まずは必要な道具の準備からです。ホームセンターや通販、園芸ショップなどで以下の道具を用意しましょう。
- ポトスの苗(まだ手元にポトスがない場合。できれば水栽培や水耕栽培対応をうたうもの)
- 透明な器(自宅にある大きめのグラスなどで代用してもOK)
- 根腐れ防止剤
- 剪定ばさみ
- 軍手
- ハイドロボール・ジェルボールなど土の代わりとなるもの(水耕栽培がしたい方のみ)
ポトスは新たに購入せずとも、自分が土栽培で育てている苗から切り出す形でもOKです。
ポイントとして、透明な器を選んでおくことで、普段は土に隠れてみえないポトスの成長がしっかり確認できます。
見た目も軽やかで明るい印象になり、鑑賞効果のアップにもつながりますよ。
「成長点」を意識しながらカットする
上記の道具が揃えば、これだけで準備は完了です。剪定ばさみを使って、ポトスの苗から水栽培用に茎を切り取りましょう。
切り取る長さは、これから自分が飾りたいサイズで大丈夫です。ただし、「成長点」と呼ばれる組織を残すために、「節」を含む形で切る必要はあります。
“ポトスの茎が分岐する、どことなくぷっくりとした部分”が節です。この部分なしで、たとえばポトスの葉だけを水栽培にすると、新しい芽や葉がなかなか出てきません。
必ず節を含む茎として切り取るように注意してくださいね。
根腐れ防止剤を入れる
続いて、切り取ったポトスは横にそっと置いておき、新しい器の中へ根腐れ防止剤を入れましょう。
容器の底に敷き詰めるようにして、説明書通りの量を投入すればOKです。
根腐れ防止剤を入れると水が腐りにくくなり、頻繁に水を入れ変えずとも、普段は継ぎ足すだけでよくなります。
手軽かつ失敗しにくくなりますので、初心者の方ほど必ず投入しておきましょう。
ポトスと水を入れれば完了!
根腐れ防止剤を敷き詰めたなら、ポトスと水を入れてしまえば完了です。
先ほどカットしたポトスを入れ、器からあふれない程度に水道水を入れましょう。後は、好きな場所に飾って自由に楽しめます。
上述の通り、根腐れ防止剤のお陰で水も腐りにくく、普段の世話は減った水を継ぎ足すのみで大丈夫です。とても簡単にできますので、ぜひ気軽な気持ちで挑戦してみてくださいね。
水耕栽培にしたいなら発根後に移動させる
もし水耕栽培にしたいのであれば、水栽培でポトスの根が出てきた後に移動させましょう。
- STEP1:水栽培と同様の手順で根腐れ防止剤を器に入れる
- STEP2:根の出たポトスを器の中央に入れ、周りにハイドロボールやジェルボールを投入する
- STEP3:根腐れ防止剤が浸かる程度に水を投入すれば完了!
水耕栽培は水栽培よりも水の入れ替えが大変なため、根腐れ防止剤の重要性がさらに高まります。必ず入れてあげてくださいね。
ポトスの水栽培によくあるトラブルとQ&A!
最後に、ポトスの水栽培で起こりやすいトラブルやよくある疑問をご紹介します。
葉が増えない
水栽培にしたポトスの葉が増えない場合、成長点がない形で切り取ってしまった可能性が考えられます。
上述の通り、ポトスは成長点を含む茎を切りとって水栽培にすべき植物です。現在の水栽培ポトスはそのままにしておきつつ、本体の苗から新しい茎を切り取って、もう一度最初から試してみましょう。
なんとなく元気がない
水栽培中のポトスがなんとなく元気がない際には、生育環境が急激に変わってしまったケースが多いです。
置き場所を変えた場合はもちろん、季節の移り変わりなどで、自分では気がつかないうちに環境が大きく変化したおそれもあります。
日当たり・風通しの良さ・気温・湿度を意識しつつ、元気だったころの環境に戻してあげましょう。
腐った臭いがする
水栽培のポトスから腐った臭いがするのであれば、おそらくポトスではなく水が腐っています。特に夏は、雑菌の働きも活発になり、ヌメヌメしたり臭ったりしがちです。
ポトスと器をそれぞれ水洗いし、ヌメりを取り除きましょう。後は、もう一度新しい器に根腐れ防止剤を入れ、ポトスと水を投入すれば大丈夫です。
ずっと水栽培のまま楽しめる?
ポトスの場合は、水栽培のままずっと楽しむことも可能です。根が出た後も、水耕栽培にしたり土栽培にしたりする必要はありません。
大きく育ちすぎるのが気になる方は、ときおり根や茎を剪定ばさみで好きな大きさにカットしてあげましょう。
肥料は与えた方が良い?
ポトスは水栽培であっても肥料を与えずとも育ちますが、与えた方がより元気に大きく育ちます。
与える場合は市販の水栽培・水耕栽培用の肥料を入手し、規定量を与えましょう。
ポトスを元気にしたいからと大量に与えては、かえって逆効果になってしまうので気をつけてくださいね。
水栽培でおしゃれにポトスを楽しもう!
土で育てていても可愛らしいポトスですが、水栽培ならさらに明るくおしゃれに部屋を飾れます。土をこぼしてしまったり、害虫が繁殖したりといった心配も少なく安心です。
ご紹介した「成長点を意識する」「根腐れ防止剤を入れる」といったポイントさえ覚えておけば、ポトスの水栽培は簡単です。
楽しい趣味のひとつとして、ぜひ挑戦してみてくださいね。
ポトスの育て方全般をおさらいしたい方や、土を使わない観葉植物の育て方をより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご確認ください。