ポトスの育て方(観葉植物)!初心者でも失敗しないポイントや植え替え方法を解説

黒と黄色の背景 ポトス

ポトスは、卵型でツヤのある葉が美しい観葉植物です。丈夫なので、初心者でも比較的簡単に育てることができます。より上手に成長させるために、ポトスの育て方、注意すべきポイント、お手入れ方法をご紹介します。

ポトスとはどんな観葉植物?

ポトスとはどんな観葉植物?

そもそもポトスとは、どのような観葉植物なのでしょうか?ポトスの主な特徴を見ていきましょう。

ツルを伸ばして成長しツヤのある鮮やかな緑が特徴

ポトスは、ツルを伸ばして成長していく、ツヤのある葉が特徴の観葉植物です。

葉先は尖っていて、少し厚みのある卵の型をしています。主な葉色は緑色ですが、その中に黄色が混ざっているのも特徴と言えるでしょう。ツルを伸ばしながら、横に広がって育ちますよ。

サトイモ科ハブカズラ属なのですが、以前はポトス属とされていたため、“ポトス”と呼ばれてます。ソロモン諸島が原産地なので、高温多湿の環境を好む植物です。

また、新品種の開発が頻繁に行われているので、種類もとても多くあります。

直射日光に弱い

ポトスは日光を好むのですが、直射日光には弱い特質を持っています。

強い直射日光に当てると、葉焼けを起こしてしまうそのため、夏の強い日光は避けましょう。一方の冬場は、よく日光に当ててください。

寒さに弱い

ポトスは、寒さに弱い観葉植物です。15℃以上の環境なら元気に育ちますが、8℃以下になると、徐々に元気がなくなっていきます。

そのため、寒くなり始めたら、室内に入れてあげましょう。

ポトスの育て方!必要な生育環境と枯らさないコツ

ポトスの育て方!必要な生育環境と枯らさないコツ

ポトスは初心者でも育てやすい観葉植物です。生育環境と、枯らさないコツを覚えて、元気なポトスを育てましょう。

日当たりの良い場所に置く

ポトスは、室内でも屋外でも、日当たりの良い場所であれば育てることができます。

室内では、窓際などの明るくて風通しの良い場所に置きましょう。ただし、エアコンの風が直接当たらないように注意してください。葉が枯れてしまう原因になります。

屋外の場合は、株が大きくなれば、ある程度の直射日光が当たるのは大丈夫です。しかし、株が小さいうちは、葉焼けすることがあるので注意が必要です。そのため、半日陰で風通しの良い場所で育てましょう。

水はけの良い土を使う

ポトスを育てるには、水はけの良い土を使いましょう。市販されている観葉植物用の培用土でOKです。

自分でブレンドする場合は、赤玉土を6、腐葉土を3、パーライト(砂)を1の割合で混ぜてください。

赤玉土
観葉植物と土
パーライト

室内で楽しむために小さく育てたいなら、ハイドロカルチャーで育てるのもおすすめです。土を使わないため、虫が発生するのも防いでくれ、清潔に保てます。

季節によって水やりの回数を変える

ポトスは基本的に、土が乾いたら鉢底から流れ出るくらいたっぷりの水をやりましょう。気温が上がる前の朝~午前中に済ませておくことをおすすめします。

水やりをした後は、受け皿に溜まった水を、きちんと捨てるようにしてください。そのままにしておくと、根腐れの原因となります。

また、室内で育てる際は、葉にほこりなどがつきやすいので、時々葉水をしてほこりを取り除きましょう。

気温が低くなる冬には、水やりを控えて、少し乾燥させてください。冬に水をやりすぎると、根が傷む原因になります。完全に土の表面が乾いて1~2日経ってから、水やりをしましょう。

また、暖房などの使用で、室内の空気が乾燥することもあります。葉水を与えて、葉が傷むのを予防してください。

寒い季節には室内に入れる

ポトスは、暑さに強く、寒さに弱い観葉植物です。そのため、冬越しに注意してください。

8℃以下になったら室内に入れて、日当たりの良い場所に置いてあげましょう。また、室内の温度を8℃以上にキープするようにしてください。

頻繁に置き場所を変えない

ポトスは、急激な環境変化によって、葉が落ちることがあります。

例えば、お店で買ってすぐだったり、屋外と室内の移動を繰り返したり、急に日当たりのいい場所に急に移動させたりなどすると、葉を落としてしまうことがあるのです。

置き場所を変える場合は、少しずつ慣らしながら移動させましょう。

定期的に虫を取り除く

ポトスに虫が発生してしまうと、葉や茎を枯らしてしまう原因になります。そのため、見つけたら早めに取り除くようにしましょう。

空気が乾燥したら発生しやすくなるため、葉が乾かないように、霧吹きで葉水を与えて予防することが大切です。

肥料は特に必要ではない

ポトスは、肥料をあげなくても枯れることはありません。しかし、肥料を与えることで、より成長を促すことができます。

肥料を与える場合は、成長期である4~10月の間にしましょう。緩効性化学肥料なら2ヶ月に1回、液体肥料なら1週間~10日くらいが目安です。

生育期の水やりに、液体肥料を混ぜると、簡単に追肥ができます。ポトスを大きく育てたいなら、1ヵ月に1回観葉植物用の置き肥を与えるのもいいでしょう。

逆に小さくキープしたいなら、肥料を与えるのを控えます。また、冬の間は肥料を与えないようにしてください。

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ポトスを育てる際に注意すべき害虫・病気

ポトスを育てる際に注意すべき害虫・病気

ポトスは、比較的害虫がつきにくく、病気にかかりにくい観葉植物です。しかし、乾燥が原因で、ハダニやカイガラムシの害虫や、炭そ病の病気にかかることがあります。

ハダニ

ハダニは、成虫になっても体長が0.5mm程度にしかならない、とても小さい虫です。そのため、肉眼で発見するのは難しいかもしれません。

クモの仲間で、細い糸を出します。ポトスの葉に薄いクモの巣があったら、ハダニが発生しているサインです。

また、葉の裏側に寄生して汁を吸うので、葉がかすれて白くなります。被害が大きくなれば葉の色が悪くなり、枯れてしまうこともあります。

ハダニの数が少ない場合は、セロテープやガムテープを貼り付けて駆除するか、牛乳1:水1で割ったものを吹きつけて駆除することが可能です。

牛乳を使った場合は腐るので、散布後にしっかりと洗い流してください。

大量に発生している場合は、薬剤で駆除するか、少しだけ勢いの強い水で洗い流します。主成分がでんぷんの薬剤を使えば、自然に優しく、人や動物にも安心です。

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カイガラムシ

カイガラムシは、成虫になると足が退化することで、葉についたまま動かない種類と、自由に動き回る種類が存在します。

葉やツルに、貝殻のような固い殻がついていたり、動かない虫が塊になっていると、カイガラムシが発生しているサインです。早めに駆除しないと、葉やツルが枯れてしまいます。

カイガラムシは固い殻をつけているため、殺虫剤が効きにくいです。そのため、歯ブラシやヘラなどを使って、こすり落とします。その際、葉やツルを傷つけないように、気をつけてください。

また、体液が出てくることもあるので、ゴム手袋やマスクを着用するのがおすすめです。取り除いたカイガラムシは、ティッシュなどにくるんで捨てましょう。

カイガラムシが大量に発生していたり、数匹見つけてあとは確認できないけれど気持ちが悪い場合は、シャワーやホースなどで洗い流す方法も効果的です。

ただ、水のやりすぎには注意してください。

炭そ病

ポトスは丈夫なので、病気にかかることは少ないです。しかし、春から秋の高温多湿の時期に、稀に炭そ病にかかる可能性があります。

炭そ病とは、カビが原因でかかる病気です。葉に黒色や灰色の斑点ができます。これが広がると、葉が破れやすくなって、徐々に枯れてしまいます。

剪定で風通しを良くしたり、梅雨の時期には葉水を控えたりして、葉が蒸れないようにしましょう。

サンセビエリア・トリファシタ
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ポトスを育てる際に生じやすいトラブル

ポトスを育てる際に生じやすいトラブル

ポトスは丈夫なので、トラブルも少ないです。しかし、育てているとトラブルが起こる可能性もあります。

ここでは、ポトスに生じやすいトラブルの原因と、対処する方法をご紹介します。

根腐れを起こした

ポトスに水を与えすぎると、根が黒く腐って、根腐れを起こすことがあります。土の状態を見て、乾いたらたっぷりの水やりをしましょう。

また、受け皿に水を溜めたままにしないことも大切です。

葉が変色した

ポトスの葉が変色して、ポロっと落ちることがあります。これは、水不足や根詰まり、根腐れ、病気、害虫などのいろいろな原因が考えられます。ポトスの様子をよく観察して、原因を取り除きましょう。

水不足が原因なら水をたっぷりと与えて、害虫が原因なら殺虫剤などで駆除します。

最も気を付けたいのが、根詰まりや根腐れが原因の場合です。根が必要な水分を吸い上げられなくなります。

何年も同じ鉢で育てていると、根詰まりを起こしている可能性があります。鉢底から根が出てしまっていたら、ひと回り大きい鉢に植え替えしてあげましょう。

枯れてしまった

ポトスが枯れてしまう原因は、置き場所が考えられます。直射日光が当たりすぎていたり、エアコンや暖房の風が直接当たっていたりすると、ポトスは枯れてしまうのです。

これらが原因で、枯れないにしても成長が止まったり、葉の色が悪くなったりすることもあります。

このような状態になっている場合は、直射日光はもちろん、エアコンの風が直接当たらない場所に移動させてあげましょう。

また、ツルが密集しすぎてカビが生えてしまったり、風通しが悪くなったりしても枯れてしまいます。その場合は、剪定や植え替えをしましょう。

元気がなくなった

ポトスは、寒さに弱い観葉植物です。8℃以下の環境に長い間置いておくと、だんだん元気がなくなります。

冬場は室内に入れて、常に8℃以上になるように調節してあげましょう。

ポトス

ポトスのお手入れ方法

ポトスのお手入れ方法

ポトスは成長が早いため、定期的に剪定をしたり、植え替えをしましょう。詳しいやり方をご紹介します。

剪定をして見栄えを良くする

ポトスは葉が密集して育つため、時々剪定をして見栄えを良くしましょう。切ってから2~3週間で新しい芽が育つので、大胆にカットしても問題ありません。

ポトスの剪定方法は、脇芽を出す“摘心”と、伸びすぎたツルを切る“切り戻し”の2種類です。

摘心は、しっかり根づいてから、ツルが伸びはじめたら先端を切ります。切り戻しは、育成期間中に伸びすぎたツルなどの密集している部分を、透かすように切って風通しを良くします。

ポトスを剪定した際に、切り口から白い汁が出ますが、体質によってはこの汁でかぶれることもあるため、注意してください。

手に当たらないように、ゴム手袋などを使うことをおすすめします。

ポトス 剪定
4つの剪定ばさみ

2~3年に1度は植え替える

ポトスは、2~3年に1度植え替えをしましょう。植え替えをしないでそのままにしておくと、根詰まりを起こし、葉が枯れてしまう原因になります。

また、2~3年経っていなくても、鉢底から根が出てきたり、下の葉が黄色くなってきたりしたら、植え替えをするサインです。

植え替える時期は、5~7月が最適です。

    【植え替えの方法】

  1. 数日前から水やりを控えめにして、土を乾かす
  2. ビニールシートを敷く
  3. 植え替えする鉢の鉢底に、ネットと石を敷く
  4. 新しい土を3分の1ほど入れる
  5. ポトスを取り出す
  6. 根についた土を3分の1ほど、優しく揉みながら落とす
  7. 腐った根を切り落す
  8. 植え替えする鉢の中心にポトスを置いて、新しい土を入れる
  9. 鉢のふちから3cm下くらいまで土を入れる
  10. 鉢底から流れ出るくらいのたっぷりの水をやる

植え替えが終わったら、1~2週間ほど、日光に当たらないように、日陰に置きましょう。植え替えしてすぐは弱っているため、日光が弱い日でも葉焼けを起こすことがあるので、注意してください。

「挿し木」か「株分け」で増やせる

ポトスは、挿し木か株分けで増やせます。どちらも5~9月が最適な時期です。

挿し木は、切り落した枝を使います。切り戻した枝(挿し穂)で挿し木することも可能です。

2~3枚の葉を残して切り戻した枝(挿し穂)を、挿し木用の土に茎の半分くらいまで挿します。水が入ったコップでも挿し木可能です。

約1ヶ月程度で根が出てくるので、十分に根が出たら鉢植え用の土を使って、鉢に植え付けてください。新根が伸び始めたら、通常のやり方で育てます。

株分けは、植え替えのときに、根がついた部分を切り分けて別にすることで、簡単に株分けができます。植え替えと同じ方法で、新しい鉢に株分けをしましょう。

ポトス
水差しポトス

ポトスをインテリアとしておしゃれに楽しむ方法

ポトスをインテリアとしておしゃれに楽しむ方法

ポトスは、成長に合わせてツルが長く伸びます。その特性を生かして、インテリアとして楽しむことができますよ。

吊り鉢仕立て

吊り鉢仕立ては、ポトスの鉢を吊り、ツルを垂れさせて飾る方法です。ポトスはツル性の観葉植物なので、ツルがどんどん伸びます。伸びたツルをガーランドに見立てて、壁に這わせる方法もおしゃれですよ。

また、吊るすだけでなく、高い位置にある棚などに飾るのもおすすめです。

観葉植物 吊るす

ヘゴ仕立て

ヘゴ仕立ては、伸びたツルを支柱に這わせて、縦に育てる方法です。ヘゴがポトスの葉ですべて覆われると、グリーンの柱となり存在感が出ます。

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ポトスは環境に注意して育てよう

ポトスは環境に注意して育てよう

ポトスは丈夫で、初心者でも比較的育てやすい観葉植物です。また、インテリアアイテムとしても、親しみやすいという魅力があります。

鉢植えで楽しんだり、吊り鉢仕立てにしたり、ヘゴ仕立てにしたりと、ポトスでおしゃれを楽しむこともできますよ。正しい方法で、元気なポトスを育ててくださいね。