「ポトスを育て始めてから、一度も植え替えをしたことがない」「そもそも小さなポトスでも、植え替えってしないといけないの?」そんな悩みを抱えている方に向けて、この記事ではポトスの植え替えが必要な理由と、初心者でも簡単に済ませられる方法をご紹介します。
植え替え以外のポトスの育て方に不安がある場合は、以下の記事もあわせてご確認ください。
ポトスの植え替えは必ずしないといけないお手入れ!
卵のような丸い形のツヤツヤした葉が愛らしい“ポトス”、自宅で大切に育てている方も多いかと思います。いかにも「植物!」といわんばかりの鮮やかな緑色も素敵で、育てていて愛着が湧きますよね。
そんなポトスですが、元気に育てるためには、最低でも2~3年に一度は「植え替え」が必要だと知っていますか?
ポトスは植え替えをしないと、鉢の中に根の広がるスペースがなくなり、やがては水分や酸素を上手に吸収できなくなって枯れてしまいます。園芸用語で「根詰まり&根腐れ」と呼ばれる現象です。
また、育て始めてそれほど年数が経っていなくても、以下に当てはまる場合は植え替えをした方が良いと考えられています。
- ポトスの下の葉が黄色に変色している
- 鉢底から根が出てきてしまっている
- 土の部分から何かが腐ったような異臭がする
大切なポトスにこれからも元気でいてもらうために、この記事で、初心者でもできる植え替え方法をチェックしていきましょう!
失敗しないポトスの植え替え方法
前提として覚えておきたいのが、ポトスの植え替えは5~7月に行うべきであることです。
植え替えは人間にとっての引っ越しのような、植物にとっての重大イベントです。大きな負担がかかるため、ポトスが弱りにくい生命力の旺盛な時期に行う必要があります。
ポトスにとって適切な時期であれば、植え替えで多少傷つけてしまっても、元通り元気に回復してくれます。時期を守りながら挑戦してみてくださいね。
必要な道具を準備しよう
まずは必要な道具を準備しましょう。植え替えに必要な道具は以下の通りで、いずれもホームセンターや園芸ショップ、通販などで簡単に入手できます。
- 現在よりも一回り大きい鉢
- 鉢底石
- 鉢底ネット
- 観葉植物用の培用土
- 軍手
- 園芸用のハサミ
注意点として、今後の植え替えが面倒だからと極端に大きな鉢を使ってはいけません。鉢の中でポトスの根が十分に行き渡らず、水が流れにくくなるなどの不具合が生じてしまいます。
目安として、現在よりもおおよそ1~2号だけ大きいサイズの鉢を選んでおくと安心です。
数日前から水やりを控えめに
必要な道具の準備と並行して、植え替え決行予定日を決め、数日前からポトスへの水やりを控えめにしておきましょう。
水やりを控えめにすることで、土が湿りすぎた状態を防ぎ、植え替え時にポトスを取り出しやすくなります。
また、ポトスの場合は後述する根のカットの難易度にも関わりますので、必ず意識しておきましょう。
植え替え先の鉢の準備を整える
水やりを控えた後は、いよいよ当日の作業です。まずは、植え替え先となる鉢の準備から整えていきます。
- 新しい鉢に鉢底ネットを敷く
- 鉢底ネットが見えなくなる程度に鉢底石を入れる
- 観葉植物用の培養土を1/3ほど入れる
土を落としつつポトスの根を切る
鉢の準備が整えば、ポトスを実際に移し替えていきます。ポトスの植え替えでは、以下の手順で根をカットする必要があります。
- 現在の鉢から優しくポトスを取り出す
- 根に付いた土を1/3ほど、揉むようにしながら落とす
- 変色しているなど腐った根を清潔なハサミで切り落とす
- 健康なものも含めて、ポトスの根全体を1/3~1/2ほどの長さになるように切る
ポトスは根をカットすると生育が活発になり、植え替え後も健康に育ちやすくなります。初心者の内は「本当に切って良いのかな?」と不安になるものですが、思い切ってカットしてあげましょう。
ちなみに、あまり丁寧に作業して時間をかけると、ポトスの根が乾きかえってダメージを与えてしまうため要注意です。
新しい鉢へ優しく移す
根のカットが終了した後は、優しく新しい鉢へ移してあげましょう。植え替え先の鉢の中心部分にポトスを植え、残りの土を入れてそっと根を隠します。
一度水やりを行えば完了!
後は一度たっぷりと水をやり、ポトスを土の中で固定してあげれば完了です!
文字にすると難しそうにも思えますが、要するに根をカットして移動させたのみです。気軽な気持ちで挑戦してみてください。
なお、植え替え後のポトスは弱っているため、いつもよりも優しく取り扱ってあげましょう。特に日光を普段通りに当てていると、「葉焼け(強い日光で葉の細胞が死ぬ現象)」を起こしやすいため要注意です。
支柱を使って高く育てるのも◎
もし、植え替え後にポトスを高さや存在感のある形で育てたいのなら、横に支柱を添えてあげましょう。
つる植物であるポトスは、茎と支柱が接触しているとスルスルと巻き付くようにして成長します。複数の支柱を立てて緑の壁を作るなど、自分好みの形で育てられますよ。
ポトスの土栽培とハイドロカルチャーを切り替える方法
最後に注意点として覚えておきたいのが、土栽培とハイドロカルチャー(水耕栽培)の切り替えについてです。
ポトスはハイドロカルチャーでも育つ植物ですが、植え替え時に土栽培からハイドロカルチャーへといきなり切り替えてはいけません。
土栽培とハイドロカルチャーでは、ポトスの根の状態がまったく異なります。そのまま切り替えてしまっては負担が大きく、ポトスが枯れてしまうかもしれません。
切り替えたい場合は、以下の手順を踏みましょう。
土栽培からハイドロカルチャー
土栽培からハイドロカルチャーへ切り替える場合、まずはワンクッションとして、ポトスを水差しで発根させましょう。
水差しとは、ポトスのツルを切り取って切り口を水の中に浸しておき、切り口から根を発根させる方法です。
- 透明なコップに水を入れる
- 5~15cmほどに切り取ったポトスのツルを入れる(切り口側を水へ浸す)
- 一日に一度、水を取り替える
- おおよそ1週間ほどで根が出てきて完了!
コツとして、水に発根促進剤を混ぜておくと元気に根が出やすくなります。根が出た後は、ハイドロボールを土代わりとする通常の手順でハイドロカルチャーに切り替えてOKです。
ハイドロカルチャーから土栽培
もし、ハイドロカルチャーから土栽培へと切り替えたいのであれば、ハイドロボールなどの人工の土を丁寧に取り除いた状態で、新しい鉢へと植え付けます。
土からハイドロカルチャーへの移行と異なり事前の準備はありませんが、植え替え後のポトスの様子には注意が必要です。
土から土の場合と比べて、どうしても水分を上手に吸収できないケースがみられます。
植え替えでお気に入りのポトスを元気にしよう!
ポトスの植え替えは気が向いた人がするお手入れではなく、必ず行わなければいけないものです。放置していると根に負担がかかり、最終的には枯れてしまいます。
ポトスの愛らしい姿をいつまでも楽しむために、この記事を参考にぜひ植え替えてみてくださいね。