幸福の木(ドラセナ・マッサンゲアナ)は、ドラセナ属のなかでも屈指の人気を誇る観葉植物です。「幸福」の名前通り縁起も良いのですが、それゆえに枯れたときには「悪いことが起こるの?」と不安になりますよね。今回は、幸福の木(ドラセナ・マッサンゲアナ)が枯れる原因と対策、復活方法までご紹介します。
幸福の木(ドラセナ・マッサン)が枯れる原因と対策!枯れる=不幸ではない?
幸福の木(ドラセナ)は生命力が強く、本来は枯れる心配の少ない植物です。枯らしてしまう場合は、水やりや日光などの「生育環境」が上手に整えられていなかったと考えられます。
いくつかのコツさえ知っておけば、初心者の方でも元気に育てられますから、しっかりチェックしておきましょう。
ちなみに、幸福の木が枯れたとしても、何か不幸が舞い込むわけではありません。風水では、縁起の良い観葉植物が枯れたときには、「災難を代わりに引き受けてくれた」と考えます。
しっかりとお世話をしたうえで、それでも枯れてしまったときには、「身代わりになってくれた」のだと考えましょう。
それでは、幸福の木を枯らしてしまう原因と対策をご紹介します。
水やりの過不足
もっとも注意するべきなのが、水やりの過不足です。幸福の木は水やりにコツが必要で、量や頻度を間違え枯らしてしまうケースが目立ちます。
幸福の木は乾燥を好む植物で、水をそれほど必要としません。一般的な観葉植物と同じイメージで水を与えると、すぐに「根腐れ(根っこが酸欠で腐り落ちる現象)」を起こしてしまいます。
成長期である4~10月であっても、土が乾いたのをしっかり確認してから水やりをしましょう。水の量自体は、鉢の底から流れ出るほどたっぷり与えて大丈夫です。
寒い時期になると幸福の木は休眠期に入りますので、さらに水やりの頻度を減らします。土が乾いたあと、2~3日経ってから与える程度で、量も様子を見ながら加減しましょう。
ただし、あまりにも水が足りていない場合も幸福の木は枯れてしまいます。特に室内で育てていると、エアコンなどで乾燥して、葉っぱがチリチリになるケースも少なくありません。
「水やりが足りていないかな?」と感じたときは、まずは「葉水(霧吹きで葉っぱに水を吹きかけるお手入れ)」を試しましょう。
葉水であれば、土に大量の水を与えるわけではありませんから、根腐れのリスクも最小限に抑えられます。誤って枯らしてしまう心配も少なく安心です。
日当たりの過不足
幸福の木を枯らさないためには、日光も大切です。幸福の木は見た目のイメージほど日差しを好まず、強い直射日光に当てるとすぐ「葉焼け(日光で葉の細胞が死滅する現象)」を起こします。
室内であればレースのカーテン越しに、室外なら遮光ネット越しに陽の光を当てるなど、少し加減してあげると良いでしょう。
植え替えの不足
植え替えの不足は、水のやり過ぎと同様に根腐れへとつながります。
グングン育つ幸福の木は、目に見えない根っこ部分もグングン育っています。ときどきは大きな鉢へ移してあげないと、根っこが窮屈になり、やがては腐ってしまいます。
水やり時に水がうまく流れにくくなったと感じたら、土のついたまま幸福の木を鉢から取り出して、観察しましょう。もし根が大きくはみ出していたり、底の方で渦を巻いていたりしているなら、植え替えのタイミングです。
植え替えは5~7月などの暖かい時期に行います。寒い時期は、植え替え自体が幸福の木にとってダメージとなりますので、注意しましょう。
植え替えは簡単で、以下の4つの手順で行います。
- そっと古い鉢から幸福の木を取り出す
- 根っこについた土を1/3ほど取り除く
- 古そうな(黒ずんでいるような)根っこを切り取る
- 新しい鉢へ植えて、水を与える
最後の水やりには、新しい土の中で幸福の木を固定する意味があります。倒れてしまわないように、水の通り道をしっかりと意識しながら与えましょう。
気温が低すぎる
幸福の木は寒さにそれほど強くなく、冬場でも10度以上の場所で管理したい植物です。できれば室内の、エアコンが直撃する場所以外で暖かいスペースに置いてあげましょう。
ちなみに夜間の窓際は、私たちが想像する以上に気温が下がります。窓際に置くのであれば、分厚いカーテンを使うなど、幸福の木が冷えすぎない工夫をしてあげましょう。
「ハダニ」などの害虫
幸福の木を枯らさないためには、「カイガラムシ」や「ハダニ」など害虫にも注意が必要です。特に幸福の木が小さい間は、害虫に栄養を吸収されると耐えきれず、そのまま枯れるケースも少なくありません。
害虫対策のポイントは、早期発見と速やかな駆除です。繁殖が進むと、駆除に専用の薬剤が必要となるなど、初心者が自力で対処しにくくなってしまいます。
毎日1回は、幸福の木の葉っぱを楽しむついでに、虫がついていないか確認してあげましょう。虫を見つけたら、テープやピンセットを使って優しく取り除いてくださいね。
もし難しいようであれば、水で洗い流してしまってもOKです。洗い流したあとは、受け皿の水を放置せず、しっかりと処分しましょう。
幸福の木(ドラセナ・マッサン)を復活させる方法!
生育環境に気を配っていれば、幸福の木を枯らしてしまうリスクは最小限に抑えられます。
しかし、それでも枯れてしまったときには、「剪定」か「挿し木」を行いましょう。もし幸福の木にパワーが残っていれば、元気に復活しますよ。
枯れた部分を取り除く
最初に行うべきは剪定です。すでに枯れてしまった部分を取り除くことで、吸収した栄養を元気な部分にのみ届けられるようになります。
軽度の段階では、これだけで幸福の木が復活するときもありますよ。
茶色などに変色した葉っぱや、ブヨブヨになってしまった枝をハサミで根元から切り落としましょう。
ハサミは事前に消毒しておいて、切り口には市販の癒合剤を塗るなど、衛生面にはしっかり気を配ってくださいね。
肥料を与えるのはNG
元気がないように見えたからといって、肥料を追加しないようにしましょう。肥料は、元気な観葉植物をより元気に育てるためのものですから、弱っている状態では負担だけを与えてしまいます。
元気になるまでは、肥料以外の手段で優しく労わってあげましょう。
健康な部分を「挿し木」する
剪定でも復活しないのであれば、挿し木の出番です。挿し木は植物の枝・葉など一部を切り取って、別の植木鉢で新たな植物として育てる方法のことを指します。
できるだけ健康そうな枝を選んで、付け根から20~30cmほど切り取りましょう。葉っぱも、2~3枚と最小限だけ残して、残りは取り除いてください。
あとは水はけの良い土に植えて、暖かい場所で管理してあげれば大丈夫です。早ければ1ヶ月ほどで、芽が生えてきます。
挿し木の成功率は、切り取った枝の断面が鋭く綺麗であるほどアップしますよ。細胞がグチャグチャにつぶれてしまうと、うまく新しい環境になじみにくいです。
ホームセンターや園芸ショップで専用のハサミを探すなど、鋭利な道具を使いましょう。
幸福の木(ドラセナ・マッサン)を元気に育てて幸せを呼び込もう
幸福の木はそれほどデリケートな観葉植物でなく、水やりや日光などの生育環境を整えてあげれば、初心者でも安心して楽しめます。
「幸福」と名前に付くほど縁起が良いですから、大切に育てていると、幸せを運んできてくれるかもしれません。
万が一枯れそうになったときには、剪定か挿し木で復活しないか挑戦してみましょう。元気が残っている状態であればそれだけで復活しますので、ぜひ試してみてくださいね。