ハート形の葉っぱが可愛らしいウンベラータは、成長スピードが早く、育てていて楽しい観葉植物です。初心者にも大人気ですが、それゆえに、黄ばんでしまったり「枯らしてしまった!」という声もよく聞きます。この記事では、ウンベラータが枯れる際によくある原因と対策、復活させる方法まで解説します。
ウンベラータが枯れる原因と対策!【夏・冬・通年】
ウンベラータはそれほどデリケートではなく、初心者でもコツさえ押さえておけば育てやすい観葉植物です。
枯らしてしまった場合には、「生育環境にミスがあった」か、あるいは「実は枯れていない」かの2パターンが考えられます。
今回は季節別に、ウンベラータが異常を起こしやすい原因と対策をご紹介します。自分のウンベラータに当てはまっていそうな原因の項目を、チェックしてみてくださいね。
【夏】直射日光が強すぎた
夏のウンベラータが枯れる場合に、もっともありがちな理由が直射日光です。
ウンベラータは日光を好む観葉植物で、日当たりの良い場所に置くと健康に育ちます。しかし、夏の強すぎる日差しはあまり直接浴びせてはいけません。
強すぎる日差しは「葉焼け(日光で葉の細胞が死滅する現象)」の原因となり、ウンベラータが枯れる遠因となってしまいます。
葉の色が黄色などに変色し始めたら、葉焼けを起こしているサインです。
レースのカーテンや遮光ネットで日差しを遮ってあげるなど、直射日光が当たらないように工夫してあげましょう。
【夏】害虫が発生した
直射日光と同様に、夏のウンベラータに起こりがちな異変が害虫の発生です。
ウンベラータは適切な対策を怠ると、ハダニやカイガラムシなどの小型の害虫が発生しやすくなります。
これらの害虫は葉っぱから栄養を吸ったり、病気を媒介したりして、ウンベラータを弱らせるため注意が必要です。
対策としては、以下の2点を心がけておきましょう。
- 夏は気温の高い時間を避け、朝や夕方に水やりをする
→水が蒸発して、湿気が過度に高まるのを防ぐ
- 葉っぱを鑑賞する際に、1匹でも害虫を見つけたら速やかにテープなどで駆除する
→害虫の大量繁殖を未然に防ぐ
【冬】気温が5度以下になってしまった
「冬に突然ウンベラータの葉っぱが落ちた…」という場合は、実は枯れていないケースも多いです。気温が下がりすぎ、一時的に葉っぱが落ちた可能性が考えられます。
ウンベラータは「常緑性(一年中葉をつける性質)」を持つ植物ですが、寒さには強くなく、気温が5度を下回ると葉っぱがポロポロと落ちることがあります。
これは自然な現象で、暖かくなると再び葉っぱが芽生えてくる場合がほとんどです。そのため、それほど心配せず、そのままお世話していれば大丈夫でしょう。
とはいえ、ウンベラータに負担がかかるのは間違いありませんので、冬には暖かい室内へ入れてあげるように意識しておきましょう。
【冬】エアコンで乾燥させてしまった
ウンベラータを室内に入れる場合に注意しておきたいのが、エアコンの存在です。
エアコンの風は、ウンベラータに限らず観葉植物にとって好ましくないものです。直接風を当てると植物は過度に乾燥し、次第に元気を失ってしまいます。
日当たりや温度などほかのポイントを意識しつつも、エアコンの風が直接当たらない場所へ置いてくださいね。
【通年】水をやりすぎてしまった
季節を問わずウンベラータを枯らしてしまう原因として、水のやりすぎもあります。
観葉植物にとって、水は元気に育つために欠かせないものです。
しかし、元気に育って欲しいからとたくさん水をやりすぎると、「根腐れ(根っこが酸欠で腐り落ちる現象)」を起こすなど逆効果になってしまうため、適量を守ることが大切です。
ウンベラータの正しい水やりは、季節によって異なります。春から秋には土の表面が乾いた段階で鉢底から水が流れ出るほどたっぷりと与え、冬は数日に一度だけ水をやり乾燥気味に育てましょう。
詳細は、以下の記事でも詳しく解説しています。
【通年】植え替えをしていなかった
ウンベラータを枯らす見落としがちな原因として、植え替えにも注意しておきましょう。
ウンベラータは2~3年に一度は植え替えが必要な観葉植物です。
植え替えを怠ると、鉢の中で根っこが伸びるスペースが失われてしまい、水のやりすぎと同様に根腐れにつながります。
「植え替え」と聞くと大掛かりで大変そうにも思えますが、事前準備さえ整えてしまえば、イメージよりも簡単に行えます。
以下の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
【通年】置き場所を頻繁に変えてしまった
最後に、葉っぱが突然落ちた際に確認しておきたい原因が、置き場所の頻繁な変更です。ウンベラータは新しい環境に馴染もうとするときに、一時的に葉を落としがちです。
こちらは5度以下の場所に置いてしまったケースと同様に、環境の変化により一時的に葉が落ちただけで、枯れてしまったわけではないというケースが大半です。
ウンベラータに限らず、観葉植物の置き場所はあまりコロコロと変えてはいけません。置き場所を動かすたびに植物が驚いていてしまうことに加え、新たな環境に馴染むための負担もかかるため注意が必要です。
新たな環境に問題がなければ、そのまま育てているとまた葉っぱが生えてくるため、そのまま様子を見てみましょう。
ウンベラータを復活させる3つの方法!
最後に、枯れてしまったウンベラータを復活させる方法をご紹介します。枯れたウンベラータを復活させる方法は、大きく分けて以下の3つです。
- 生育環境を整えて様子を見る
- 剪定でウンベラータの負担を減らす
- 挿し木で二代目ウンベラータとして育てる
生育環境を整えて様子を見る
「ウンベラータが枯れてしまった!」と感じたとき、最初に行うべきなのが生育環境を整え様子を見ることです。
ここまでにご紹介した通り、ウンベラータは生育環境のミスによってさまざまな異常が起こります。
しかし、葉っぱが落ちたケースなど実は枯れていないことも多く、ウンベラータに元気が残ってさえいれば生育環境を整えるだけで元通り復活することも多いです。
以下の記事を参考に、まずは生育環境を整えましょう。
剪定でウンベラータの負担を減らす
「生育環境を整えたけれど、なかなか元気が戻らない…」
そんなときには、剪定でウンベラータの負担を減らしてあげましょう。異常のある部分を切り離してあげることで、健康な部分にのみ栄養が送られるようになり、ウンベラータが復活しやすくなります。
剪定は簡単で、専用のハサミを使って、色や質感の変わってしまった葉っぱ・枝を切り落とすのみです。
ちなみに、通常の剪定ではどうしても元気にならない場合には、「丸坊主(枝葉をすべて切り落としてしまう剪定方法)」を行う手もあります。
丸坊主は、幹に生命力が残っていればまた少しずつ枝葉が伸びてきますが、そのまま枯れてしまう可能性も高い荒業です。
ほかの方法を試したあとに挑戦してみてくださいね。
挿し木で二代目ウンベラータとして育てる
「できることはすべて試したけれど復活しない…」
ウンベラータは植物ですから、大切に育てていても寿命を迎えて枯れてしまうときもあります。
復活させられなかった場合は、現在の枝を切り取り、「挿し木」で新しいウンベラータとして育てましょう。
挿し木は切り取った枝を鉢に植え付け、新しく根を張らせる園芸手法です。成功すれば、2代目ウンベラータとしてまた元気に育ってくれます。
挿し木の方法も、以下の記事で詳しく解説しております。
成功させるためのコツは、
- 乾燥させすぎないこと
- 挿し木に適した時期を選ぶこと
- できるだけ元気な枝を挿し木に使うこと
の3点です。しっかりと手順を読みながら、実践してみてくださいね。
枯れる理由を知ってウンベラータを元気に育てよう
ウンベラータは生命力の強い観葉植物で、生育環境のミスさえ整えてあげれば、元通り復活することも多々あります。