突然ですが、あなたはチョコレートコスモスという植物をご存知でしょうか?「コスモス」を知っている人は多いですが、チョコレートコスモスは詳しくないという方も少なくありません。そこで今回は、チョコレートコスモスの特徴、花がら摘などのケアや上手な育て方、注意点などをご紹介します。
チョコレートコスモスがどんな植物か学ぼう
チョコレートコスモスをキレイに咲かせるためにも、まずはチョコレートコスモスがどんな植物か知っておきましょう。
チョコレートコスモスの基本情報
チョコレートコスモスはメキシコの高原地帯が原産の植物で、多年草の草花です。キク科のコスモス属に分類されます。
ちなみに、チョコレートコスモスの原種は「コスモス・アトロサンギネウス」という植物ですが、野生のコスモス・アトロサンギネウスはすでに絶滅しているといわれています。
そんなチョコレートコスモスの特徴は、香りとカラー。チョコレートのような甘い香りがほんのり漂うことから、“チョコレート”と名前に入っています。見つけたらぜひ香りを嗅いでみてくださいね。
カラーは品種によって異なります。
- コスモス・アトロサンギネウス…ダークな赤色
- ノエル・ルージュ…赤色
- キャラメル・チョコレート…オレンジがかすり状に入った花
- ストロベリーチョコレート…赤紫色
- ショコラ…焦げ茶色
- チョコモカ…赤色・黒色
- 長崎ショコラ赤とんぼ…深みのあるボルドー色
チョコレートコスモスは生長すると約30~70cmくらいになります。開花期は5~11月で、春から秋にかけて咲く花と、10・11月頃に咲く花があるので長く楽しめるでしょう。
チョコレートコスモスの花ことば
コスモスの花言葉は「乙女の真心」「純潔」「謙虚」「調和」「愛情」などがありますが、チョコレートコスモスの場合は「恋の思い出」「移り変わらぬ気持ち」「恋の終わり」です。
チョコレートコスモス以外の種類は?
チョコレートコスモス以外の種類は、「コスモス」と「キバナコスモス」があります。
まず一般的なコスモスは、最初に日本へ渡来した種類です。コスモスもメキシコの高原地帯が原産の植物で、学名は「Cosmos bipinnatus Cav.」。コスモスはギリシャ語で秩序や調和、美などを意味します。
和名は「秋桜」で、当初は“あきざくら”と呼ばれていましたが、現在は漢字はそのままで読みが“コスモス”となっています。カラーは定番のピンクや白のほか、黄色、オレンジ、赤など豊富です。
一方、キバナコスモスは大正時代に渡来した種類です。プランターでも育てられるよう品種改良されたものもあり、家庭菜園でも人気があります。カラーはオレンジ、黄色です。
チョコレートコスモスの栽培方法・育て方
ここでは、チョコレートコスモスの栽培方法や育て方をご紹介しましょう。
チョコレートコスモスの栽培方法
チョコレートコスモスを植え付けるおすすめの時期は5〜8月頃です。チョコレートコスモスの苗を購入する時は、葉の色が濃いものを選びましょう。
また、チョコレートコスモスは地味が肥えた酸性土を好みます。そのため土づくりでは、市販の培養土に堆肥を混ぜて土を準備しましょう。
もし市販の培養土を使わず自作するなら、赤玉土小粒5:腐葉土3:酸度調整済みピートモス2で配合し、そこにリン酸分を多く含む緩効性化成肥料を5g/Lほど混ぜてください。
鉢植えの場合は水はけを良くするために、鉢底に軽石を敷きます。
チョコレートコスモスの栽培で必要な作業
チョコレートコスモスの栽培では「切り戻し」「花がら摘み・花茎切り」が必要になります。
切り戻し
チョコレートコスモスの場合、伸びすぎた枝や茎を切り取って整える切り戻しを8月中旬に行うのがおすすめです。切り戻しをすることで風通しが良くなり、たくさんの花が咲くようになります。
切り戻しをするときは、株元から10~20cmほどの高さで切りましょう。その際、株元の葉は残しておきます。
花がら摘み・花茎切り
咲き終った花を放置しているとそこにも養分が取られてしまうため、花がら摘みをマメに行います。花がらが多い茎があれば、その茎ごと切るのがコツです。
チョコレートコスモスを上手く育てるポイント3つ
多年草の草花であるチョコレートコスモスは、耐寒性・耐暑性が弱く家庭菜園ではやや育てにくい品種です。そのため、家庭菜園で上手く育てたいなら、以下の3つのポイントを押さえなくてはいけません。
ポイント1:日当たり・置き場所
チョコレートコスモスは日光を好む品種なので、日当たりが良い戸外を選んで栽培しましょう。ただし、チョコレートコスモスは夏の強い日差しが苦手なため、7~9月頃は半日陰になるような場所に移動して管理するのがおすすめです。
ポイント2:水やり
春から秋の水やりは、表土が乾いたらたっぷりと与えるのがコツです。地植えの場合は雨に任せて大丈夫ですが、日照りが何日も続くようなら水をしっかりと与えてください。
冬から春にかけては休眠期なので乾燥気味に管理しますが、完全に乾いてしまうと枯れてしまうので、忘れず水やりを行いましょう。
ポイント3:肥料
肥料の与えすぎは花つきを悪くしてしまうため、気を付けなくてはいけません。特にチョコレートコスモスは夏時期に肥料を与えると根に負担がかかってしまうので、株が弱っていない限り与えてはいけません。
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注意が必要な害虫や病気
チョコレートコスモスの生育過程では、害虫と病気に注意が必要です。
注意が必要な害虫
チョコレートコスモスはアブラムシやホコリダニが寄ってきやすいので注意しましょう。
アブラムシは4~11月に発生しますが、小さい虫なので遠目では見つけにくいかもしれません。また、繁殖力がとても強いので、早めに見つけて対処しなくてはいけません。アブラムシを見つけたら歯ブラシを使って落とすようにしましょう。
ホコリダニは高温・乾燥が続くと発生しやすいです。ホコリダニの場合も歯ブラシでこそげ落とすようにしますが、大量に発生している場合は花茎切りを行ってください。
気を付けたい病気
株が蒸れてしまうと、うどんこ病にかかる恐れがあります。特に5~6月、9~10月はうどんこ病にかかりやすいので、風通しのよい場所で管理するようにしましょう。液体肥料を定期的に葉面散布すると、発生を抑制できます。
チョコレートコスモスを植え替える方法
植え替えは土の劣化や根の障害を取り除くことができるため、鉢で栽培をしているチョコレートコスモスにとって必要不可欠な作業です。土を新しくすることで老廃物や有害な微生物を排除し、さらにミネラルを補給することができます。
チョコレートコスモスを植え替えるときは、新芽が出てくる4~5月頃がおすすめ。庭植えにする場合は、土壌を準備して日当たりの良い場所に植えましょう。鉢植えにする場合は、一回り大きな鉢に土を入れて準備します。
ちなみに、鉢植えの植え替えは鉢のサイズによって行う頻度が異なります。6号鉢未満は毎年、6号鉢以上は2~3年に1回が目安となるので覚えておきましょう。
チョコレートコスモスを増やす方法
一般的なコスモスは花がらをそのままにしておくと種子が採取できますが、チョコレートコスモスは種子が取れません。そのため、種まきで増やすことはできないのです。では、チョコレートコスモスを増やしたいときはどうすれば良いのかというと、挿し芽か分球で行います。
挿し芽の場合、茎の先端の芽を2節に切って挿し穂にするか、切り戻しのときに出た茎を活用します。その際は挿し穂に害虫や病気がないか確認してください。挿し芽は5~8月ごろに行いましょう。
分球の適期は4月で、球根から少し出ている芽を消毒済みのナイフで2~3芽ずつ分割します。その後、準備しておいた鉢にそれぞれ植えてください。
分球は球根の切り口から腐りやすいので上級者向けの増やす方法になります。チョコレートコスモスを初心者が増やしたい場合は、挿し芽をするようにしましょう。
キレイなチョコレートコスモスを咲かせよう
チョコレートのような芳醇な香りと、大人っぽい雰囲気のカラーが魅力のチョコレートコスモス。暑さにも寒さにも弱く家庭菜園ではやや育てにくい品種になりますが、日当たりや水やり、肥料などのポイントを押さえれば、初心者でも上手に育てることができます。
ぜひ上手な育て方をマスターして、毎年キレイなチョコレートコスモスを咲かせましょう。
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