パキラは丈夫で育てやすく、初心者の方にも人気の観葉植物です。パキラを生き生きと育てるためには、水やりのタイミングが肝となります。今回は、季節ごとに異なるパキラの水やりのタイミングについて、またパキラを枯らさないためのコツをご紹介します。
パキラは暖かく乾燥した環境が好み
スタイリッシュな樹形と光沢のある葉が清々しいパキラは、生命力が旺盛で育てやすいため、初心者にも人気の観葉植物です。
中南米原産のパキラは、暖かく乾燥した環境を好みます。耐陰性があるため室内でも育ちますが、定期的に日光浴をさせると元気に生長します。
ただし、直射日光に当たると葉焼けを起こしてしまうため、カーテン越しの窓際などがおすすめです。
パキラは常緑樹ですが、ぐんぐん生長する時期と休眠する時期があります。水やりはそれに合わせてタイミングを変えることがポイントです。
パキラの水やりは季節に応じたタイミングで
パキラを生き生きと育てるためには、適切な水やりのタイミングを覚えておくことが大切です。基本的には、表面の土が乾いたらたっぷりと水やりをします。鉢の底から水が流れ出るくらい十分に与えて、鉢底にたまった水は捨てましょう。
土の水分が乾き切る前に水やりをしてしまうと、根の呼吸ができなくなり根腐れを起こして枯れてしまいます。つまり、水やりは土の乾燥を見極めることが重要なのです。
水やりのタイミングは土が乾燥したときなので、季節に応じて水やりの頻度も変わってきます。それぞれの時期に応じたタイミングの目安をご紹介しますので、参考にしてみてください。
4月から9月頃
この季節は、パキラがたくさんの水を吸って葉を生長させる時期です。1週間に2,3回を目安に、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。土の表面が白っぽく乾燥して、手で触るとさらさらしている状態が水やりのタイミングです。
真夏の日中は水蒸気が出て蒸れやすいため、朝か夕方の涼しい時間帯に水やりをしましょう。
9月から10月頃
この頃になると次第にパキラの生長はゆっくりになっていきます。それに伴い、水やりの間隔を徐々に空けていくのがポイントです。
土の表面が乾いてから1、2日後に水やりをするようにしましょう。
10月から2月頃
休眠期に入るこの時期は、水やりもほとんど必要ありません。7~10日に1回程度、土の表面が乾いてから2、3日空けてから水やりをしましょう。
パキラは常緑樹ですが、冬になると葉が落ちることもあります。ここで心配になって水やりをしてしまうと根腐れの原因となってしまいます。葉が落ちても春にはまた新しい葉をつけるので心配せずに様子をみましょう。
2月から4月頃
春に向けてパキラの生長も始まる時期です。暖かくなってきたら水やりの頻度を徐々に増やしていきましょう。週1回を目安に、土の表面が乾いてから水やりするまでの日数をだんだん短くしていきます。
なかなかタイミングがつかめない場合は、土の状態だけでなく葉の様子も確認してみましょう。土が乾き葉がしおれてきたタイミングで水やりをしても大丈夫です。
パキラには定期的な葉水も必要
水やりのタイミングは合っているはずなのに、葉がしおれて元気がないという場合は、エアコンの風などによる乾燥が考えられます。土が乾燥していない場合はまず葉水をしてみるといいでしょう。
たくさんの葉をつけるパキラは、水やりの他に定期的な葉水も必要です。特に暖かい時期は葉がたくさん蒸散し乾燥しがちになります。
スプレーや霧吹きを使って、葉の表面だけでなく裏面にも水を吹きかけましょう。表面が軽く湿るくらいが目安です。その後柔らかい布で葉を拭き取ると、ホコリが取れて艶が出て、より生き生きとしますよ。
土が乾燥していないのに、葉がしおれているからといって水やりをすると根腐れの原因となってしまいます。葉が乾燥している場合は葉水を、土が乾いたら水やりをするのが大切なポイントです。
葉水をすることで害虫予防の効果も期待できるので、生育期には定期的に行うと良いでしょう。
パキラを枯らさない!水やりのコツ5つ
水やりのタイミングの目安は分かっても、なかなか思うように育たないという場合は、以下の5つのコツをチェックしてみましょう。
割り箸を使ってみる
土が乾燥しているのかどうかがよく分からないという方は、割り箸を使ってみましょう。
割り箸を土に挿してみて、割り箸が湿っていたらまだ水やりのタイミングではありません。土に挿した割り箸が湿らず、乾いた土が付くようなら水やりをします。
慣れてきたら、割り箸を使わなくても指を土に挿したり、土の表面を触ったりすることでも、乾燥しているかどうか判断できるようになるでしょう。
受け皿の水は捨てる
水やりのタイミングは合っているはずなのに、パキラに元気がないという場合は、根腐れを起こしている可能性があります。受け皿の水を捨てずに残しておくと過湿で根腐れしてしまいます。
たっぷりと水やりをしたら、鉢底から流れ出た受け皿の水は必ず捨てましょう。
水はけの良い土を使う
乾燥を好むパキラは、水はけの良い土で育てましょう。パキラなどの観葉植物用培養土を使用するか、赤玉土7に対して腐葉土3の割合でブレンドした土が適しています。
風通しの良い場所で育てる
室内でも育つパキラですが、なるべく風通しの良い場所で育てましょう。風の通りが悪いと根腐れや害虫・病気の発生の原因にもなってしまいます。
定期的に植え替えをする
水やりをしてもなかなか水が土に染み込んでいかないという場合は、鉢の中に根がいっぱい張っている可能性があります。そのままでは枯れてしまいますので、鉢底から根が出ていたら植え替えをしましょう。
植え替えをする際は、黒ずんだ根はカットしてから新しい土に植え替えます。
パキラをハイドロカルチャーで育てる場合は?
パキラの水やりに自信がないという場合は、ハイドロカルチャーで育ててみてはいかがでしょうか?
ハイドロカルチャーとは、ハイドロボールと呼ばれる人工的に作られた軽石を使用して植物を育てる方法のことです。パキラはハイドロカルチャーでも元気に育つので、土を室内に入れたくないという方や、水やりのタイミングに悩んでいる方にぴったりです。
ハイドロカルチャーは、透明な容器やガラス瓶で育てるとおしゃれに見えるだけでなく、水の減り具合が目でわかるのでおすすめです。
ハイドロカルチャーの水やりは、容器内の水がなくなって1~3日経ってから容器の4分の1くらいまでの水を入れます。生育期は水やりの間隔を狭く、休眠期は間隔を空けてから水やりをしましょう。
水を容器いっぱいに入れてしまうと、根が呼吸できなくなって腐ってしまうので注意しましょう。1,2週間に1回のペースで液体肥料を与えるとより生き生きと生長します。
パキラが根腐れしてしまったら?
パキラを枯らしてしまう主な原因は、根腐れです。しかし、パキラが根腐れしてしまっても適切な対処をすることでまた復活させることができますよ。
根腐れに気がついたら、受け皿の水は捨てて日当たりと風通しの良い場所で乾燥させます。冬以外は、直射日光の当たらない屋外に出してしばらく様子をみましょう。
それでも回復しない場合は、元気な部分を切り取り、しっかりと乾燥させてから土に挿し木をする方法もあります。
パキラは丈夫な植物なので、根腐れしてしまっても諦めずに適切な対処をして回復させましょう。
水やりのコツをつかんでパキラを生き生きと育てよう!
パキラは観葉植物の中でも特に育てやすく人気のある植物です。丈夫な性質なので多少環境が悪くても育ちますが、生き生きとした姿やツヤのある葉を維持するためには適切なタイミングの水やりが肝心です。
基本的には、土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと水やりをしますが、春夏の生育期、冬の休眠期でそれぞれ水やりの間隔を変えることがポイントです。
乾燥を好むため、水のやりすぎで根腐れを起こすことがあります。水やり後には受け皿の水を捨てたり、定期的な葉水をしたりなどのお手入れも欠かさないようにしましょう。
今回ご紹介したパキラを枯らさないための水やりのコツも合わせてチェックして、パキラを生き生きと育ててみましょう。