観葉植物の一種であるベンジャミンは、光沢がある小さな葉が特徴です。今回はベンジャミンの育て方を解説。自宅での管理方法や、万が一のトラブルへの対処法などもご紹介します。ご自宅にベンジャミンを迎えたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
ベンジャミンは熱帯地域原産の植物
ベンジャミンはインドや東南アジアなどの熱帯地方原産の、クワ科イチジク属の植物です。特にインドやネパールで多く見られていて、現地では観葉植物より聖なる木としてや、街路樹として親しまれています。
ベンジャミンにはさまざまな種類があり、日本ではフィカス・ベンジャミンや、ベンジャミン・バロックなどの品種が人気です。
鉢植えのベンジャミンは低木のものが多く、サイズも10センチの小さなものから200センチまで幅広くあります。お部屋のサイズに合わせたベンジャミンの選び方ができることもポイントです。
枝や幹が柔らかく、幹をねじってみたり三つ編みにしたりといろいろな形に仕立てることができます。
シンプルな見た目でありながらも小ぶりで光沢のある葉や、幹の形状が好まれるため、観葉植物の中でも人気の一種です。
暑さには強く寒さに弱い
ベンジャミンは、熱帯地方原産のため、暑さに強いのが特徴です。逆に寒さや日の光が極端に当たらない場所に置いておくと、葉の元気がなくなったり、株が弱ったりして最終的に枯れてしまう可能性があります。
耐陰性があり室内で育てやすい
ベンジャミンにはある程度の耐陰性があるため、室内に置いても元気に育ちます。ただし、完全な日陰の場所に置くと成長が妨げられる恐れがあるため、室内でもなるべく日の光を感じられ、なおかつ光を調整できる場所に置いてあげると良いでしょう。
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ベンジャミンの花言葉
ベンジャミンの花言葉をご存知でしょうか。ご紹介したように、インドやネパールでは、ベンジャミンは聖なる木として大切にされています。
ベンジャミンの花言葉は、「永遠の愛」「友情」「信頼」「平和」「豊かさ」などポジティブなものが多く並びます。そのため、日本ではベンジャミンをお祝いのプレゼント用として送るシーンも多いそうです。
ベンジャミンを鉢植えで育てるコツ
鉢植えのベンジャミンを育てるためには、置き場所・水やり・肥料の3点に注意することがポイントです。
直射日光を避けた半日陰に置く
ベンジャミンは日の光を好む植物ですが、直射日光が当たる場所に長時間置いておくと、葉焼けを起こす可能性があります。
室内でベンジャミンを置くベストな場所は、明るく、日の光を調節できる場所です。例えば南向きの日の当たる場所で、日の光が当たり過ぎたらレースカーテンで調節できると良いでしょう。
日の光と同時に通気性も大切です。エアコンをフル活動させる真夏や真冬などの季節は、サーキュレーターを使って空気循環を行ったり、ときどき換気のために窓を開けたりしながら風通し良く育てましょう。
水やりの頻度は季節に応じて変える
ベンジャミンの水やりは、季節に応じて頻度を変えるのがおすすめです。ベンジャミンが成長する期間は春から秋にかけてといわれています。土の様子を見ながら、表面が乾いているようならたっぷり水をあげましょう。
冬が来るとベンジャミンの成長速度は緩くなります。この期間は水の与えすぎに注意しましょう。できるだけ土を乾かし気味にしておき、もし葉が元気がない様子だったり、表面にホコリや汚れがたまったりしていれば、霧吹きを使って「葉水」を行ってください。
ベンジャミンの肥料
ベンジャミンの成長期に合わせて肥料を与えることで、成長が活発になります。半年に一度の頻度で、緩効性の化成肥料を、分量を守って与えましょう。肥料の与えすぎは成長の妨げになる可能性があるため注意してくださいね。
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ベンジャミンのよくあるトラブルと対処法
お家でベンジャミンを育てているときによくあるトラブルと、その対処法をご紹介します。
病気や害虫に注意
ベンジャミンはすす病と炭疽病に注意しましょう。すす病はカイガラムシの糞がもたらす病気で、すす病にかかると枝や葉が黒く変色して生育にも影響が出ます。
炭疽病はカビが原因の病気です。発生すると枝葉に斑点が現れて、葉に穴が開きます。他の植物に感染する恐れがあるため、炭疽病にかかったと思われる枝葉を見つけたら、すぐに除去しましょう。
ベンジャミンは、すす病の発生源になるカイガラムシや、アブラムシ、ハダニなどに注意が必要です。これらは葉の養分を吸い取ることでベンジャミンの株全体を弱らせてしまいます。
害虫の除去には殺虫剤が効果的ですが、カイガラムシの成虫には効かないことがあるため、ピンセットを使ってつまんで除去すると良いでしょう。
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おすすめの害虫駆除方法は以下の4つです。
- 殺虫剤を使用する
- ピンセットでつまむ
- 葉の表面にブラシをかけて虫を落とす
- 香りの強いハーブや木酢液のスプレーを吹きかける
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害虫は一度取りつくとどんどん広まるため、水やりの際に葉の裏などをこまめにチェックするようにしてください。
日々行っておきたい害虫予防対策を5つご紹介します。
- 植木鉢の受け皿にたまった水を捨て清潔にしておく
- 頻繁に水やりをしている場合は回数を減らす
- 枯れた葉を見つけたらすぐに処分する
- 風通しの良い場所に置く
- 土や肥料を無機用土や化成肥料を使用する
観葉植物の害虫は予防が肝心です。虫が寄り付く前に予防してベンジャミンを大切に育てましょう。
ベンジャミンの葉が落ちる
ベンジャミンを育てていると、「葉が落ちやすい」と感じることがあるかもしれません。ベンジャミンは環境の変化を受けやすいため、新しい場所に移動することで葉が落ちる場合があります。環境変化で葉が落ちる場合は、しばらくすれば落ち着いて、新しい葉も出てくるので過度に心配する必要はありません。
ベンジャミンは他にも寒さや日光不足、水不足によって葉が落ちることもあります。これらは、ベンジャミンを鉢植えで育てるコツの中でご紹介したことを守って管理すれば、葉が落ちることもなくなるでしょう。
ベンジャミンの冬越し
熱帯地方で育つベンジャミンは、寒さにも比較的強いといわれています。室内でベンジャミンを管理している場合は特別な対処をしなくても元気に冬を越してくれるでしょう。
屋外にベンジャミンを置いている場合は、気温が10℃を下回ったら室内に入れてあげるようにしましょう。寒すぎるとベンジャミンの生育に影響が出るからです。
屋外のベンジャミンを室内に入れるのが難しい場合は、気温が低下する夜間から早朝にかけて、ベンジャミンを覆えるくらいのビニールや段ボールなどを被せて寒さを防いであげると良いでしょう。
ベンジャミンが大きくなったら植え替えしよう
育てているベンジャミンが大きくなったら、植え替えをすると更に元気に育ってくれます。
ベンジャミンの植え替えサイン
ベンジャミンの植え替えが必要となるサインは以下の2つです。
水を与えても水を吸わず、土にしばらく水たまりができる
鉢の穴から根がはみ出てきた
これらの症状が現れたら、ベンジャミンが今の鉢では小さくて成長が妨げられている恐れがあるため、植え替えをしてあげましょう。
植え替え時期と方法
ベンジャミンの植え替え時期は、成長期に合わせた5月から7月頃がおすすめです。晴れた日に行うようにしましょう。
植え替えするための必要なグッズは以下の通りです。
- 一回り大きな鉢
- 観葉植物用の培養土
- 鉢底石と鉢底ネット
- シャベル
- 剪定バサミ
- 割りばしなどの細い棒
他にも、作業をするときに敷くビニールシートや、手袋か軍手などがあると便利です。
植え替えをする予定日の数日前から水やりを控え、土を乾燥させておきましょう。植え替えのステップを簡単にご紹介します。
- 鉢の中に鉢底ネットを敷き、鉢底石を入れます
- 土を1/3程度入れます
- 元の鉢からベンジャミンを取り出して、古い根や腐っている根をハサミで切り落とします
- 植え替え用の鉢の中心にベンジャミンを置いて、土を入れます
- 土の表面に根が飛び出ていれば、割りばしなどを使って土の中に入れ込みます
- 植え替えが終わったらたっぷり水を与えましょう
もし、新しい鉢の中でベンジャミンが安定しない場合は、支柱を立ててベンジャミンの幹を紐で結んでおくと良いでしょう。
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ベンジャミンは挿し木で増やせる!
ベンジャミンを増やす方法でおすすめなのが「挿し木」です。切った枝を土に挿すことで根が張り、苗として育てる方法で、初心者でもチャレンジできます。ベンジャミンを剪定したときに出た枝を処分する前に挿し木に挑戦してみませんか?
挿し木の手順を簡単にご紹介しましょう。
- 挿し木にする枝の切り口をV字に切り吸水面を増やします
- 切り口から出る樹液を洗い流します
- 先端の葉だけを2~3枚残してあとは除去します
- 水を入れたコップに切り口をつけて数時間待ちましょう
- 挿し木用の鉢に鉢底ネットと鉢底石を入れて土を入れます
- 土に穴をあけて挿します
- 水やりします
挿し木用の枝を土に挿す前に、切り口に発根促進剤を塗ると発根が促されるのでおすすめです。
挿し木をした鉢は、半日陰で管理して根が張るのを待ちましょう。
挿し木する枝が何本かあれば、1つの鉢に数本挿しておき、根が生えたら1本ずつ他の鉢に分けると良いでしょう。
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ベンジャミンをおしゃれに見せる剪定に挑戦しよう
- 風通しや日当たりを良くする
- 好みのおしゃれな形に整えられる
ベンジャミンは他の観葉植物よりも速く成長します。葉が茂ったベンジャミンを剪定することで、全体の風通しや日当たりを良くして、ベンジャミンを元気に成長させたり、病害虫から守ることにも繋がります。
また、ベンジャミンを剪定して好きな形に整えることで、おしゃれな見た目に変身させられます。
ベンジャミンの新芽が出てきて茂ってきたら、剪定を行うタイミングが来たと考えて良さそうです。全体的に剪定するなら、成長期に入る前の4月から5月にかけて行うと、ベンジャミンの成長期が始まったときに伸びすぎて困る事態を防げます。
逆に葉先を軽く整える程度であれば5月から9月の間に、ベンジャミンの成長の様子を見ながら剪定するのがおすすめ。成長期の間であれば剪定によるダメージからの回復も早いでしょう。
剪定に必要なのが、剪定バサミ・新聞紙・手袋です。ベンジャミンは枝を切ると枝先から白い樹液が出てきて、触るとかぶれてしまう可能性があるため、肌が弱い方は手袋を用意しましょう。
剪定方法は、ハサミで混み合った枝や枯れた枝を根元から切ります。たくさん新芽が出てほしい場合は枝のふくらみの部分の上を切るようにしましょう。
ベンジャミンの中側の葉が枯れているときも、剪定して混み合った状態を解消させるのがおすすめです。
ベンジャミンの剪定で人気なのが、丸く形を作ることです。
ベンジャミンを丸く整えたいなら、まずは枯れ枝や枯葉を取り除きましょう。次に、離れたところから全体を見ながら丸くなるように少しずつ枝葉を切って、また離れて確認を繰り返して好みの大きさと丸さに整えましょう。
最初から大胆に切るよりも、少しずつカットするのがきれいな丸型を作るコツです。
剪定した枝の中で、元気なものは挿し木をして増やすこともできますよ。
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ベンジャミンは初心者も育てられる丈夫な観葉植物
ベンジャミンは管理も難しくなく、強くて丈夫な観葉植物のため、初めて観葉植物を選ぶ方におすすめです。植え替えや剪定などをすれば、すくすく元気に育ってくれます。
小ぶりの葉が柔らかい雰囲気をかもし出すベンジャミンを育てて、グリーンインテリアを充実させてください。