クリスマス気分を盛り上げてくれる植物のポインセチアは、管理をしっかりすれば、シーズンが終わっても翌年また赤く色づいてくれます。初心者向けの失敗しないポインセチアの育て方や、トラブルの対処法なども一緒に見ていきましょう。
クリスマスを代表する園芸植物「ポインセチア」
ポインセチアを見て、クリスマスを思い出す方も多いのではないでしょうか。クリスマスを代表する植物でもあるポインセチアの特徴をご紹介します。
ポインセチアの特徴
ポインセチアは、メキシコの山地原産の植物を品種改良し、園芸用植物として作られました。
ポインセチアはアメリカ人によって発見され、アメリカで普及しました。日本には明治時代に伝わったといわれています。
現在は鉢植えで流通しているものほとんどですが、本来は低木で、暖かい地方では数メートルにも伸びて育っているポインセチアが見られます。
ポインセチアのメジャーな色は赤で、他にも白や紫、いくつかの色が混じったものなどもあります。また、種類もいろいろあり、それぞれ「バーガンディ」や「シャンペンパンチ」などの名前が付けられています。
ポインセチアの花言葉
ポインセチアにはいろいろな花言葉があります。まずは、赤いポインセチアの花言葉をご紹介します。
- 祝福
- 聖夜
- 私の心は燃えている
ポインセチアは色によって花言葉も異なります。例えば白のポインセチアは「慕われる人」、ピンクは「清純」などです。
プレゼント用にポインセチアを贈る場合、花言葉で選んでみるのも良いかもしれませんね。
ポインセチアがクリスマスの定番になった理由はある?
ポインセチアがお花屋さんに並び始めるとクリスマスの訪れを感じるほど、ポインセチアとクリスマスは切っても切れない関係です。
ポインセチアがクリスマスの定番になった理由は、ポインセチアの色にあります。クリスマスに使われる色といえば、赤・白・緑の3つ。
ポインセチアの赤や白の花と葉の緑の組み合わせが、まさにクリスマスを想像させるカラーなのです。
また、赤いポインセチアの花言葉には「聖夜」があることも、クリスマスには欠かせない植物といわれる理由でしょう。
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失敗しないポインセチアの育て方【初心者向け】
「ポインセチアを部屋に置きたいけれど、きちんと育てられるか心配」という方もいるかもしれません。ここからは、ポインセチアを初めて育てる方や、改めて育て方をおさらいしたい方へ、ポインセチアの失敗しない育て方をご紹介します。
ポインセチアの置き場所
ポインセチアは寒さに弱いため、冬に購入した鉢植えは、室内の日当たりが良い場所に置きましょう。窓側が冷え込む夜間は、厚手のカーテンがある場所の近くなどに移動させてください。
冷気が当たる場所からポインセチアを動かせない場合は、鉢を段ボールや発泡スチロールなどで覆って寒さから守りましょう。
ポインセチアは10℃を下回る場所に置いておくと元気がなくなりますが、温風が直接当たるところでも乾燥してしまうため注意が必要です。
5月頃から9月頃までの暖かい季節は、日の当たる外で管理しても元気に育ちます。ただし、葉焼けしないように夏の間は直射日光があたらない場所に移すようにしましょう。長雨が続く間も根腐れを防止するため、雨を避けた場所に移動させることがおすすめです。
ポインセチアの水やりの仕方
ポインセチアの生育期間は春から秋にかけてです。この時季は土の表面が乾燥しているのを確認したらたっぷり水を与えましょう。
冬の間はポインセチアの成長が緩やかになります。水をあげすぎると根が傷むので注意し、乾燥気味に育てます。
ポインセチアの肥料の与え方
ポインセチアの生育期にあわせて肥料を与えます。肥料は液体肥料を、1週間に1回程度与えると良いでしょう。
ポインセチアが生育を止めている間は肥料を吸収する力も弱っているため、根が傷むのを防止するためにも肥料を与えるのは避け、暖かくなったら再開します。
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ポインセチアの剪定方法
ポインセチアをコンパクトに、バランスよく大きくするためには剪定がポイントです。剪定せずに育てると、見た目の美しさが半減してしまいます。
株全体に新芽が出るように、生育期に合わせて全体の半分から三分の一を切ってしまいましょう。バランスよく新芽が出て、美しい形のポインセチアになります。
ポインセチアはよく枝を伸ばす植物のため、短く切ってもしっかりと元の大きさまで戻ります。
ポインセチアを元気に育てるためのポイント|注意点やトラブル対処法
ポインセチアをいつまでも元気に育てるためには、トラブルが起きたときの対処法を知っておくことが大切です。ポインセチアを育てるポイントを見ていきましょう。
ポインセチアをいつまでも元気に育てるためには、トラブルが起きたときの対処法を知っておくことが大切です。ポインセチアを育てるポイントを見ていきましょう。
ポインセチアの病気・害虫対策
ポインセチアはアブラムシに注意
ポインセチアの害虫対策としてはアブラムシに注意しましょう。アブラムシは体長1〜3mmの小さい虫で、植物の新芽を好んで寄生します。
アブラムシは口についている針を芽や茎に刺して汁液を吸います。そしてアブラムシが吸汁中に出す排泄物(甘露)が、葉や枝を黒くするすす病や、他のウイルス病を誘発する可能性があります。
アブラムシが発生しやすい時期と予防方法
アブラムシが発生しやすい時期は4月から11月頃で、特に9月から10月頃に多く発生するといわれています。
アブラムシはほとんどすべての植物が被害を受けるため、ポインセチアも例外ではありません。発生しやすい時期は水やりの際などに葉の裏や新芽を観察して、アブラムシがいないかどうかチェックしましょう。
アブラムシの発生を予防するには、「日当たり」と「風通し」が良いところにポインセチアを置くようにします。これらの条件が整う場所であれば、アブラムシの発生を防げるでしょう。
アブラムシの駆除方法
万が一アブラムシがポインセチアに寄生してしまった場合は、以下の方法で駆除します。
- 殺虫剤を使う
- 粘着テープで取り除く
粘着テープを使う場合は、アブラムシの成虫だけではなく、幼虫や卵などがいないかどうかチェックしながら取り除いていきましょう。
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ポインセチアを夏越しさせる方法
冬に買ったポインセチアの鉢は、適切に管理することで夏の暑さを乗り越えて、次の冬も楽しめます。
ポインセチアを夏越しさせるポイントは、高温多湿の場所を避け、涼しく風通しの良いところに置くことです。午前中に日が当たる、半日陰の場所にポインセチアの鉢を置きましょう。その際、コンクリートの地面は熱くなるため、すのこなどの上に置くのがおすすめです。
夏の水やりは、朝方から夕方の気温や水温が低めなうちに行います。
ポインセチアの葉を落ちさせないコツ
ポインセチアの葉が落ちる原因は以下の3つが考えられます。
- 水をやりすぎている
- 水が不足している
- 日光が不足している
水はやりすぎても少なすぎても、ポインセチアの葉が落ちる原因になります。ポインセチアの適切な水やりのタイミングは、土の表面が乾いていることです。鉢を少し持ち上げてみて軽く感じるようであれば水やりが必要なサイン。その場合は、鉢底から水が出てくるまでたっぷり水を与えましょう。
日光不足もポインセチアの葉が枯れて落ちてしまう原因になります。もしポインセチアの下の方の葉が丸まっていたり、色が変わっていたりしたら、鉢を日当たりの良い場所に移動させましょう。
ポインセチアの葉が落ちるからといってポインセチアの株自体が枯れているとは限りません。葉が落ち始めても茎がしっかりとしていれば、まだ株は弱っていないため、水と日光の管理をしっかり行ってくださいね。
ポインセチアの植え替え方法とは|頻度や手順について解説
ポインセチアの植え替えについて解説します。
ポインセチアの植え替えが必要なサインとは
ポインセチアは、1年から2年の間に1回の頻度で植え替えすることで長持ちします。
ポインセチアの鉢底から根がはみ出ているのが確認できたら、鉢の中で根がいっぱいになっているサインです。根詰まりはポインセチアの生育不良につながる可能性があるため、植え替えをしてあげましょう。
他にも、葉が枯れやすくなってきたり、すぐに水切れするようになったら、ポインセチアの植え替えのタイミングが来たと思って良いでしょう。
植え替えは、冬が終わりポインセチアの生育が盛んになる4月から6月頃に行うと、植え替えのダメージからの早い回復が見込めるためおすすめです。
ポインセチアの植え替え手順
まず、ポインセチアの植え替えの際に用意しておきたい物をご紹介します。
- 植え替え用の土
- ひと回り大きめの鉢
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- スコップ
- 新聞紙やレジャーシートなど
- ゴム手袋
ポインセチアの植え替えの際は、土も使いまわしをせずに新しい物に替えましょう。ホームセンターなどで手に入る培養土を使えば、植え替えも楽になります。
土の配合から自分でチャレンジしたい場合は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜて土を作っても良いでしょう。
また、作業は外で行うのがおすすめです。外に十分なスペースがなければ、室内の作業場所に敷物を敷いておくと片付けもスムーズです。
また、ポインセチアから出る白い樹液には、微量の有毒成分が含まれているといわれています。皮膚につくと炎症を起こす可能性があるため、ゴム手袋をして作業するようにしましょう。
それでは、ポインセチアの植え替えの手順をご紹介します。
- 用意した鉢に鉢底ネットを置いて、鉢底石を敷き詰めます
- 土を半分くらい入れます
- 古い鉢からポインセチアを取り出し、根についた土を落とします
- 新しい鉢にポインセチアを植えます
- 土を根元まで入れます
- 土の上に根が出ていたら、箸や先の細い棒などでやさしく土の中に埋めます
- たっぷり水を与えます
ポインセチアを古い鉢から取り出すときや、根についている土を落とすとき、新しい鉢に植え替えるときはできるだけやさしく行いましょう。
植え替えが終わった後のポインセチアの鉢は、1週間程度直射日光を避けた場所で管理します。また、ゆっくりと効き目が出るタイプの肥料を足すことも生育を促すうえでおすすめです。
また、植え替えのタイミングで一緒に剪定も行うことで、ポインセチアのダメージも最小限に抑えられます。
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ポインセチアの育て方についてよくあるQ&A
ポインセチアについて、よくある疑問や気になることをまとめました。
ポインセチアの赤い部分は花びらなの?
ポインセチアが赤く色づく部分はとても目立つため大きな花が咲いているように見えますね。
この赤い部分、実は花びらではなく、「苞(ほう)」と呼ばれるものなのです。苞とは、芽や花のつぼみを包んで守ってくれる葉のこと。花の基部にあり、全体でひとつの花のように見えます。
ポインセチアの苞の付け根部分をよく観察すると、小さくて黄色い粒々したものが見えます。これがポインセチアの花です。ポインセチアの花は冬の間に咲きます。
ポインセチアの赤い苞に対して、花はとても控えめですが、真ん中に花が集まっているおかげで、苞も含めて華やかな見た目になっています。
ポインセチアの苞を色づかせるためにはどうする?
ポインセチアは、「短日植物(たんじつしょくぶつ)」という種類で、日光が当たる時間が10時間程度かそれ以下になる秋から冬にかけて苞が赤く色づきます。
短日植物は、人工的な灯りがある明るい場所に常に置いておくと、苞が赤くなる時期がずれたり、緑色のままになってしまうことがあります。
このような事態を避けるため、短日植物は「短日処理」を行うことが大切です。短日処理とは、人工的に光を完全に遮る環境を作ることです。
ポインセチアの場合、クリスマスシーズンに苞を赤く色づかせるためには、9月中旬ごろから短日処理を始めましょう。
短日処理の方法は、鉢に段ボールを被せて真っ暗にするのが簡単です。完全に光を遮らないときれいに苞が色づかないため、すき間から光が入らないように注意しましょう。
段ボールを被せておくのは、夕方5時頃から翌日の朝8時頃までがおすすめです。9月中旬から始めて、40日から50日間続けることで、苞がきれいに色づきます。
ポインセチアは挿し木で増やせる?
ポインセチアの枝木は、土に挿し木をすれば数が増やせます。切り口から出てくる樹液に注意しながら挿し木をしてみましょう。剪定のタイミングで、挿し木用の木を切り取るのもおすすめです。
以下の手順で挿し木をしましょう。
- 10センチくらいの枝を選び、先を斜めにカットします
- 上部分の葉を2~3枚残し他を取り除きます
- 枝の切り口を1時間程度水につけ樹液を落として吸水させます
- 挿し木用の土を湿らせておきます
- 土に穴をあけて枝の切り口を土に挿し込みます
- 土と木の間にすき間ができないように土をやさしく寄せます
根が張るまでは、直射日光を避けた、明るい日陰で管理しましょう。ときどき様子を見て、枝から新しい芽が出てきているようであれば、発根しているサインです。
挿し木用の土は使い回さずに新しい土を用意してください。
新芽が伸び始めたら、枝の先端を摘芯し、脇芽が伸び始めたら、良い枝を選んで他を切り取り、コンパクトにさせましょう。
ポインセチアは水挿しも可能です。水挿しは根が出てくる様子が見られるのも楽しいですよ。
水挿しの方法は土に挿す方法とほぼ変わりはありませんが、挿す物が水を入れたコップに変わります。透明のコップや容器に入れれば根が張る様子が見られます。
水挿しの場合は、水を清潔な状態に保つことがポイントです。汚れた水では発根しない可能性が高いため、適宜水を入れ替えましょう。
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冬の定番植物!ポインセチアを育ててみよう
ポインセチアはクリスマス気分を盛り上げてくれる冬の定番植物です。管理をしっかり行えば時期が終わっても長く楽しめます。秋ごろから短日処理を行って、クリスマスに美しく色づいたポインセチアを楽しんでください。