小さくて光沢のある丸みを帯びた葉が可愛らしいカボック(シェフレラ)は、丈夫で育てやすく人気の高い観葉植物です。しかし環境や条件などにより、枯れてしまうことがあります。今回はカボック(シェフレラ)が枯れる原因とその対処法、枯らさないコツをご紹介します。
本当に枯れている?まずはカポック(シェフレラ)の状況・状態を確認しよう
「カポックが枯れている?」と思っても、実は枯れている訳ではないかもしれません。まずは、本当にカボックが枯れているのか、しっかりとチェックしてみましょう。
購入したばかりだと順応するため葉が落ちやすい
カポックを購入して数日くらいで葉が落ちる場合は、新たな環境に適応するために葉を落としているのかもしれません。
環境が変わったことにより葉が落ちる場合は、葉が落ちても数枚程度です。葉や茎にピンと張りが感じられるようなら、時間の経過とともに葉が落ちることもなくなります。
直射日光を避けた明るい場所で適度に水やりをしながら管理し、しばらく観察してみましょう。
花が咲くと栄養不足で葉が落ちやすくなる
カポックの花が咲くと、花や実に栄養が取られ葉が落ちることがあります。
カポックが花を咲かせることは非常に稀です。しかし花が咲くと、葉がしおれたり、落ちやすくなったりします。美しいグリーンを楽しみたい場合は、花芽を根元から切り取ってしまってOKです。
カポックの花は、タコが逆立ちをした姿に似ていることから「オクトパスツリー」とも呼ばれていますよ。
移動させるなど環境が変わると葉が落ちることも
購入したばかりの頃もそうですが、カポックは一気に環境が変わってしまうと、株が弱ってしまい葉が落ちることもあります。
例えば、室内に置いていたカポックを屋外に出すときなどは要注意です。今ある場所と、移動する場所の明るさや気温の変化が大きいときは、特に気をつけましょう。
もともと半日陰の室内に置いていたのなら、室内の明るい場所に移してしばらく様子を見ます。そして、植物が環境に慣れてきたと感じたら屋外に出す、という風に少しずつ移動させていきましょう。
カポック(シェフレラ)が枯れる原因とそれぞれの対処法
季節や気候の他にもカポックが枯れる原因はあります。正しい処置をすることで回復することも多いので、まずは状態を確認し、思い当たる原因に応じて対処しましょう。
新芽が出ても黒くなるなら水不足かも
カポックに新芽が出ても、黒くなり枯れてしまうとしたら、水不足が原因の可能性が大きいです。カポックは乾燥気味の環境を好みますが、乾燥のさせすぎは注意してください。
対処法
黒い新芽が出てくる場合は、大至急水をあげましょう。水を与えたあとに乾燥が気になるときは、葉に霧吹きで水を吹きかける「葉水」を行うのもおすすめです。
カポックはやや乾燥気味の環境を好みますが、乾燥しすぎも良くありません。カポックの日々の水やりの方法を説明します。
水やりのペースは季節ごとに変わってきますが、4~10月の生育期には、土の表面が乾いたタイミングにたっぷりと水を与えましょう。
11~3月は成長が緩やかになりますので、水やりは控えめに行います。土の表面が乾いて2~3日経ってから水を与えるペースでOKです。
また、カポックは水の与えすぎでも「根腐れ」を起こし、枯れてしまうことがあります。土が常に湿っている状態だと、根が呼吸できず腐ってしまうので、水やりは適度に行うことが大切です。
気温が低い
カポックは寒さに強い観葉植物です。しかし氷点下にもなるような厳しい寒さや、霜にあたってしまうと葉が傷んだり、色が変わってしまったりすることがあります。
対処法
霜が降りない地域であれば地植えも可能です。反対に、寒さの厳しい地域では鉢植えにして、冬は霜の当たらない暖かい場所で管理しましょう。
室内に置いている場合も、窓の近くは気温が下がりやすいので、寒くなりすぎていないか時折確認してください。寒さが気になるようなら、室内の暖かい場所に移動させましょう。
日照不足になっている
カポックは耐陰性があるので、室内でも育てることができますが、日光が当たる明るい環境を好みます。
あまりに日の当たらない暗い場所に長い間置いていると、うまく光合成ができず株が弱ってしまいますので注意が必要です。
できるだけ室内の明るい場所に置いてあげたり、時折外に出して日光浴をさせてあげたりすると、元気に育ちますよ。
対処法
カボックを室内で育てる場合、明るく風通しの良い場所に置くことをおすすめします。
ただし、エアコンの風が直接当たるような場所はNGです。風で葉が傷んでしまいますので、直接風が当たらないように気をつけましょう。
夏場の直射日光に当ててしまった
カボックは日当たりの良い明るい場所を好みますが、直射日光のような強い日差しに当ててしまうと、「葉焼け」を起こす可能性があります。
葉焼けとは、葉が部分的に変色したり、壊死したりする現象です。特に日差しの強い夏場には、注意しましょう。
対処法
室内に置く場合は、窓際のレースカーテン越しに日が当たるような場所が最適です。
また、普段室内に置いている植物を、急に日差しの強い場所に置くような場所に移動させると葉焼けを起こしやすくなります。徐々に日光に慣らしながら移動させるのが大切です。
鉢の中に根が張りすぎている
鉢の中にカポックを植えている場合、長期間に渡って同じ鉢で育て続けていると、鉢の中いっぱいに根が張り巡らされ、伸びるスペースを失ってしまいます。
このような状態を「根詰まり」と言います。根詰まり状態になると、水分や養分を上手く吸収できなくなり、枯れやすくなるので要注意です。
対処法
根詰まりを防ぐためにも、定期的に植え替えを行いましょう。カポックは鉢植えの場合、1~2年に一度は植え替えすることをおすすめします。
植え替えをするタイミングは、4~9月の生育が盛んな時期に行うのがベストです。
植え替えの手順は、以下の通りです。
- 鉢からカポックを抜き取り、古い土をある程度落としたら、傷んだ根や古い根を切り取ります。
- 一回り大きい鉢を用意し、鉢底にネットを敷いたら、軽石などを敷きます。
- 新しい土を鉢に適量入れたら、カポックを置き、上に土を入れましょう。
(使用する土は、水はけの良いものを使用します。市販のものを使用する場合、観葉植物用の土や培養土でOKです。)
- カポックの背丈が1mを超えるときは支柱を立てて紐で固定してあげると安定します。
- 水をたっぷりあげたら、植え替え完了です。
- 直射日光を避けた、明るく風がきつく当たらない場所で管理します。
害虫がついてしまった
カポックは比較的害虫に強い観葉植物ですが、カイガラムシやアブラムシと言った害虫がつくことがあります。
害虫をそのままにしておくと、カポックの栄養を吸い取って弱らせたり、ひどいときは枯れてしまったりすることもあるので、すぐに対処しましょう。
対処法
害虫の数が多くないときは、ブラシやピンセットなどを使用して直接取り除きます。このとき、必ず排泄物もキレイに拭き取ることが重要です。
そのままにしておくと、排泄物に誘われてほかの虫がやってくる可能性があります。
もし、害虫の数が多くて直接取り除くことが難しい場合は、薬剤を使って駆除しましょう。同じ枝や葉にに密集している場合は、切り取ってしまってもOKです。
害虫の発生を抑えるためにも、置き場所にも気を付ける必要があります。カポックはなるべく風通しの良い明るい場所に置きましょう。
また、乾燥させすぎたり、逆に水の与えすぎも害虫が発生しやすくなる原因のひとつです。水やりは時期に合わせて行なってくださいね。
育て方の基本を押さえてカポック(シェフレラ)を枯らさず元気に育てよう!
カポックは丈夫で初心者でも育てやすい植物です。生育環境を整え、適度に水やりをするなど、いくつかのポイントを押さえておけば、枯らさずに育てられます。
ぜひ、本記事を参考にカポックを元気に育ててくださいね。