ユニークな姿を持つ多肉植物は、種類も豊富で自宅で育てる植物として人気です。乾燥に強く育てやすい多肉植物ですが、「枯れてしまった」という話も珍しくありません。この記事では、多肉植物を枯らさず元気に育てるコツについて解説します。
多肉植物が枯れる主な理由3つ
多肉植物は、南アフリカや南米など、マダガスカルやメキシコといった乾燥地帯が原産の植物で、肉厚な葉や茎に水を貯めることのできるのが特徴です。
多肉植物は、砂漠地帯原産で、本来乾燥には強いはずなのにも関わらず、なぜ枯れてしまうのでしょうか?
まずは、多肉植物が枯れてしまう主な理由を3つご紹介します。
風通しの悪いところへ置いている
多肉植物は、もともと乾燥地帯に生息していることもあって、カラッとした乾燥気味の環境を好みます。
そのため湿度が高くジメジメした環境で管理していると、根腐れを起こしやすく最悪枯れてしまいます。
多肉植物を育てる場合は、風通しの場所を選びましょう。
日照量が足りていない
多肉植物は、明るい場所を好む植物です。日光が不足してしまうと色が薄くなり、ひょろひょろと株が細く弱ってしまいます。そして、そのまま枯れてしまうことも珍しくありません。
また、日光不足になると病気にもなりやすいので、日当たりには充分注意しておきましょう。
水やりが足りない・多すぎる
水は足りなくても、多すぎても枯れる原因になります。多肉植物は湿度の高い状態が得意ではないので、頻繁に水やりする必要はありません。
成長期の春から秋にかけては、土が乾燥したら鉢底から水が流れ出るぐらいたっぷりかけてあげてください。
冬の休眠期は、成長がストップするので水は控えめにします。夏も暑さの影響で、水をあげすぎると蒸れて根腐れを起こして枯れることがあるので、水やりは控えめにして管理しましょう。
冬・夏は、目安として大体土が乾燥してから2、3日後に水やりするぐらいでOKです。
多肉植物を枯れるのを防ぐ方法
多肉植物を枯らさない方法を5つご紹介します。すぐにできそうなことから、取り入れてみてください。
置き場所を変えてみる
今多肉植物を置いている場所の日当たりが良くなかったり、ジメジメしていると多肉植物の元気がなくなってしまいます。
上記のようなことが原因ではないかと疑われる場合は、日当たりと風通しの場所に移動させてみましょう。
植え替えをする
多肉植物は、2~3年に1回は植え替えすることをおすすめします。
ずっと同じ鉢に植えていると、根が鉢いっぱいに広がってしまって根腐れを起こしてしまったり、栄養をうまく吸収できず枯れてしまうこともあります。
また、同じ土を使っていると栄養分がなくなってしまいますので、定期的に植え替えをして多肉植物が元気に育つ環境を整えてあげてください。
葉挿しをする
多肉植物は、葉挿しで簡単に増やすことが可能です。
- 葉を多肉植物の付け根から優しく取り外します。
- 多肉植物用の土の上に置き、しばらく水を与えず日陰におきます。
- しばらくすると新しい根や芽がでてくるので、芽が出てきたら水をあげてください。
- しっかり根付いて新芽が大きくなったら、新しい鉢に植え替えます。
多肉植物を増やしたい場合は、この方法を試してみてください。
鉢受けに残った水は小まめに捨てる
鉢植えにしている場合、水やりをした後は必ず鉢受けに残った水を捨てるようにしましょう。
そのままにしていると、多肉植物の嫌う多湿な状態になってしまうので注意が必要です。
撥水性の高い土を使う
多肉植物は一般的な草花よりも乾燥した環境を好むため、土は撥水性の高いものを選ぶ必要があります。
市販のものを使う場合は、多肉植物用を選べば間違いありません。自分で配合する場合は、次のような割合で配合してみてください。
赤玉土(小粒)4:鹿沼土(小粒)3:腐葉土3
上記が基本の配合割合になります。
さらに排水性を高めたい場合は、日向土か軽石を加えてみてください。素焼き鉢を使うことでも、通気性が良くなります。
排水性の悪いプラスチック鉢を使用する場合は、より排水性の高い土づくりが欠かせません。
冬越し対策をしっかりする
多肉植物は基本的に寒さに強くないので、冬越し対策はしっかりめに行う必要があります。
ベランダなど屋外で育てている場合は、寒さが気になり出したら室内に避難させてあげましょう。
室内で育てている場合も、窓際などは空気が冷たくなりやすいので、室内の暖かい場所に移動することをおすすめします。
多肉植物を根腐れから復活させる方法
根腐れとは、「加湿により根が傷み、腐ってしまうこと」を意味します。根腐れした根は、黒く変色しているのが特徴です。
根腐れしてしまっても、まだあきらめることはありません。根腐れしてしまった多肉植物を復活させる方法がありますので、ご説明します。
腐った部分を取り除く
根腐れを発見したら、まずは腐った部分を取り除きましょう。
手でちぎってしまうとさらにダメージを与えてしまいますので、はさみを使ってカットしてください。
1週間ほど水やりを控えて乾かす
腐った部分を取り除いたら、1週間ほど水やりをストップして根の断面を乾かします。
乾燥させている間に、植物が元気であれば新しい根が出てきます。新しい根が出てこないこともありますが、断面が乾燥したらOKです。
新しい土に植え直す
根を充分に乾かしたら、新しい土に植え替えましょう。このとき土は乾いているものを使用します。
- 多肉植物の新しい土(乾いているもの)
- 前よりひと回り大きめの鉢
- スコップ
- 鉢底ネット
- 鉢底石
【植え替え方法】
- 鉢に軽石と新しい土を4/1ほど入れます(軽石が隠れる程度)。
- 多肉植物の根についた土を軽くもみほぐして落としてください。
- 多肉植物を鉢に入れて、新しい土を少しずつ入れていきます。
- 土の表面を軽くなじませて整えたら、植え替え完了!
植え替え後の水やりは、1週間から10日後に行いましょう。
多肉植物を枯らさない正しい水やり方法
記事の前半でも水やりについて触れていましたが、最後に多肉植物を枯らさない正しい水やり方法を詳しく解説します。
多肉植物を枯らさず元気に育てるには、正しい水やりが必要不可欠です。ぜひ、チェックしてご自宅でも実践してみてください。
step1.まずは土が乾いているか確かめます。
割り箸などを土に挿してみると、乾燥しているかどうかがわかります。
- 湿った土が割り箸につく→水やりはまだ早いです。水やりはもう少し待ちましょう。
- 何もつかない→さらに2~3日置いてください。
step2.水を与えます。
鉢底から水が流れ出るまで、たっぷり水をかけます。鉢底に穴がない場合は、鉢の1/3程度の量を目安に水を与えてください。
多肉植物を正しく管理して元気に育てよう
多肉植物は比較的育てやすい植物ですが、湿度に影響されやすい特徴があります。枯らさず元気に育てるには、日当たりや風通し、適度な水やりなどが大切です。
また根腐れを防ぐためにも、2~3年に1度は植え替えをすることをおすすめします。今回ご紹介した育て方の基本をおさえて、お好みの多肉植物を大切に育ててみてください。