エバーフレッシュは、細長い葉が集まって大きな葉を作り、その見た目の爽やかさから人気を集めている観葉植物です。昼間には葉を広げて、夜になると葉を閉じる特徴のある性質を持っています。今回はそんな魅力あるエバーフレッシュの育て方のポイントや、植え替え方法をご紹介します。
エバーフレッシュとは
エバーフレッシュとは、マメ科コヨバ属の常緑樹です。中南米やエクアドルなどの暖かい地域を原産地とし、現地では30mを超すほど成長します。
日本の観葉植物として売られているものは、机の上で育てられる高さ10cmから、2m近くまで伸びた大型サイズまでです。
そんなエバーフレッシュは、明るいグリーンが涼しげで、細かい葉が連なった姿で、人気を集めています。
エバーフレッシュは、他にどのような性質を持っているのでしょうか?
寒さに弱い
エバーフレッシュは、もともと熱帯性の植物なので、寒さに弱いです。そのため、最低でも10度以上になるように環境を作りましょう。
10度以下の環境で育ててしまうと、茎や葉などが弱ったり傷んでしまったりなど、成長に支障がでます。
乾燥に弱い
エバーフレッシュは、とても水を好む観葉植物で、乾燥に弱いです。乾燥しすぎると、株が弱ってしまうため、乾燥には要注意しましょう。
特に、夏は乾燥しやすいので、こまめに水やりをしてくださいね。
夜になると葉を閉じる
エバーフレッシュは、昼間は葉を広げているのに、夜になると葉を閉じて眠る性質をもっています。
就眠(睡眠)運動と呼ばれる、葉の開閉運動です。夜間に葉から水分が蒸発するのを防ぐためだと言われています。
エバーフレッシュの育て方!必要な生育環境と枯らさないコツ
エバーフレッシュは、丈夫なため比較的育てやすい観葉植物です。
しかし、育生環境や世話をきちんとしないと、元気がなくなったり、枯れたりします。そうならないためにも、必要な成育環境の作り方と、枯らさないコツを押さえておきましょう。
日当たりの良い場所に置く
エバーフレッシュは、日当たりが良い場所を好む観葉植物です。耐陰性はある程度ありますが、日陰にずっと置いていると、枯れてしまう原因となります。枯らさないためにも、日当たりの良い窓辺などで育てるといいでしょう。
また、暖かい季節なら、バルコニーなどで育てることも可能です。その際は、いきなり直射日光を当ててしまうと、葉焼けなどになる可能性があります。
外に出す時間を少しずつ増やすようにして、徐々に慣らしていくようにしてください。
寒い季節は室内に入れる
エバーフレッシュは、もともと中南米などの熱帯地域の植物なので、寒さに弱いです。
そのため、最低気温が15度以下になる寒い季節になったら、室内に入れましょう。最低気温が8度以下にならないような場所で育ててください。
室内温度も大切ですが、ガラス越しに日光が入るような場所に置きましょう。
土は水はけが良い土を使う
エバーフレッシュを育てる土は、水はけが良くて、保水性が高い土を使いましょう。市販されている観葉植物用の培養土でOKです。
水やりは季節や気温によってタイミングを変える
エバーフレッシュは、気温が低い時期に休眠します。そのため、季節や気温によって、水やりの仕方を変えてください。
春~秋の気温が高い時期は、エバーフレッシュの成長期です。この時期には、土の表面を確認して、乾燥していたら水をたっぷり与えましょう。
乾燥しすぎてしまうと、株が弱ってしまいます。特に、乾燥しやすい夏場には、こまめに土の状態を確認するようにしましょう。
一方気温が低い冬は、成長が緩やかになります。そのため、あまり水を必要としなくなるので、水やりする回数を減らしましょう。土の表面を確認して、完全に乾いてから2~3日後に水やりをするくらいでOKです。
水をやりすぎてしまうと、根腐れを起こしやすくなるため、注意が必要です。また、受け皿に水が溜まるのも根腐れの原因になるので、こまめに捨てるようにしてくださいね。
葉水については、葉が乾燥しないようにするためもありますが、害虫予防の意味でも、1日1回は霧吹きなどをしましょう。
エバーフレッシュは、細かい葉が密集しているため、ほこりが溜まりやすいです。もしほこりが付いていたら、濡れたティッシュで取り除きましょう。
定期的に虫を取り除く
エバーフレッシュを育てていると、虫が寄生することがあります。定期的に葉の裏表や枝などを見て、虫がついていないか確認しましょう。
もし、見つけたらすぐに取り除いてください。
虫は葉を枯らしたり、病気を引き起こしたりするので、早期対策が重要になります。
頻繁に置き場所を変えない
エバーフレッシュは、日光が当たる量が急激に増えたり減ったりすると枯れてしまいます。環境が変化すると、敏感に反応して、すぐに葉を落としてしまうのです。
そのため、頻繁に置き場所を変えないようにしましょう。1週間ごとに置き場所を動かすなどして、環境に慣らしながら、徐々に変えていくのが大切です。
エバーフレッシュを育てる際に注意すべき害虫・病気
エバーフレッシュを育てていると、ハダニやカイガラムシ、アブラムシなどの害虫や、炭そ病に注意する必要があります。駆除方法や対策方法を覚えておきましょう。
ハダニ
ハダニはクモの仲間で、0.3~0.5mmくらいの小さいサイズの害虫です。
葉の裏に寄生して、白い卵を産みつけるので、見つけたら取り除いてください。3日ほどで孵化して、10日程度で成長します。そのため、大量発生することも珍しくありません。
寄生した葉の栄養を吸水するため、葉に病斑ができたり、色が抜けて白っぽくなったりします。
大量に寄生してしまうと、専用の薬剤で駆除しなければいけなくなるので、卵を見つけた時点で、すぐに取り除くようにしましょう。
カイガラムシ
カイガラムシは、殺虫剤が効きにくく、駆除するのに一苦労する厄介な害虫です。
葉や枝の栄養を吸水して、エバーフレッシュの生育に悪い影響を及ぼします。最悪の事態になると、葉や茎に“すす”みたいな黒い病斑ができる“すす病”にかかることもあります。
カイガラムシは、硬い殻を覆った種類が多いため、殺虫剤が効きにくいです。そのため、歯ブラシやヘラなどを使って、こすり落として駆除してください。
この際に、葉や枝に傷がつかないように注意しましょう。
アブラムシ
アブラムシは、あらゆる植物に寄生する害虫です。身体が小さく、一度に大量ついてしまうので、駆除するのに一苦労するでしょう。
葉や茎の栄養を吸水して、エバーフレッシュが弱るだけでなく、病気などを引き起こし、かなりのダメージを与えてしまう可能性があります。
また、繁殖力が強いため、見つけたらすぐに駆除するようにしましょう。歯ブラシでこすり落とすか、アブラムシにテープを貼って取り除く方法があります。テープを使う際は、葉や枝を傷付けないためにも、粘着力の弱いものを使ってください。
もし、アブラムシが大量発生してしまった場合は、専用の殺虫剤で駆除しましょう。
炭そ病
エバーフレッシュの育成期である春~秋にかけて、炭そ病に感染するおそれがあります。炭そ病とは、葉や茎のカビが繁殖して、黒い斑点ができる病気のことです。
風通しの悪い場所、湿度が高い場所、また水はけが悪い環境などになるとかかりやすくなります。
剪定して風通しを良くしたり、水やりなどの回数に気をつけて水はけを良くしたりして、対策しましょう。
エバーフレッシュを育てる際に生じやすいトラブル
エバーフレッシュを育てていると、いくつかのトラブルが生じることがあります。トラブルが起こる原因や、対策方法を把握しておきましょう。
葉っぱが黄色くなった
エバーフレッシュの葉が黄色くなる原因は、根詰まり、根腐れ、水不足、日光不足が考えられます。
根詰まりにならないよう、1~2年に1回または鉢底から根が出てきたら、ひと周り大きいサイズの鉢に植え替えましょう。
根腐れや水不足は、水やりの仕方が間違っているかもしれません。上記で説明したやり方に沿って、正しい水やりを行いましょう。
また、エバーフレッシュは日陰にずっと置いていると、日光不足を起こしてしまいます。日光を当ててあげると、元気に育ってくれますよ。
葉っぱがパリパリになった
エバーフレッシュの葉がパリパリになってしまう原因は、水が足りていない証拠です。季節にあったやり方で、水やりを行いましょう。
また、暖房や冷房の風が、直接エバーフレッシュに当たらないようにしてください。葉が乾いて、パリパリになってしまうことがあります。
エアコンの風が直接当たらない場所に置いて、こまめに霧吹きなどで葉水を行いましょう。
冬場にぐったりする
エバーフレッシュは、冬場に他の季節と同じような水やりや肥料やりを行っていると、元気がなくなってぐったりしてしまいます。
気温が低くなる冬場には、生長を止めるので、生育期のときのような水と栄養は必要ありません。
そのため、冬場は水やりを少なめにして、肥料を与えないようにしてください。
エバーフレッシュの植え替え方法
エバーフレッシュは、成長のタイミングにあった植え替えを行う必要があります。
1~2年ほどで植え替える
エバーフレッシュは、すごく成長が早いため、ずっと同じ鉢で育てていると、根詰まりを起こします。
そのため、1~2年程度か、鉢底から根が出てきたら、ひと回り大きいサイズの鉢に植え替えを行いましょう。植え替えの時期は、4~7月が適しています。
植え替えのやり方は、以下です。
- 鉢の底穴に鉢底ネットをひく
- 軽石や鉢底石などを鉢底に敷く
- 鉢の3分の1程度土を入れる
- 枝の根についている土を3分の1ほど、手で揉むほぐして落とす
- 鉢の中心になるように苗を置く
- 苗の周りにある隙間に土を入れていく
- 鉢の縁より少し下まで土を入れる
- たっぷりの水をやり、根と土をなじませる
植え替えするときに、傷んだ根があれば取り除いたり、弱った枝を剪定したりしましょう。
挿し木で数を増やせる
エバーフレッシュは生命力が強いため、挿し木をすることで数を増やすことが可能です。剪定の際に切った枝を使うこともできます。
挿し木は、5~8月に行いましょう。挿し木の方法は、以下です。
- 挿し木に使う枝を10~15cm程度に切る
- 葉を3~4枚を残して、他の葉を取り除く
- 残した葉が大きい場合は、半分くらい切ると、水分が蒸発する量が減り、成功率があがる
- 栄養分のない赤玉土か、挿し木専用の土を使って、切った枝を差す
- 土が乾かないように日陰で管理する
- 2~3ヶ月程度で根が生えたら、観葉植物用の土に植え替える
土を使った方法を紹介しましたが、水を使った方法もあります。
挿し木に使う枝を水につけておけば、2~3ヶ月ほどで根が出てきます。根が出たら、土に植え替えましょう。
エバーフレッシュは環境に注意して大切に育てよう
エバーフレッシュは、夜になると葉を閉じる特性を持つ観葉植物です。爽やかな空間を演出してくれると人気があります。
また、枯れにくいので初心者でも育てやすいでしょう。
しかし、絶対枯れないということはありません。育生環境などに注意して、大切に育ててくださいね。