料理の香りづけや香料として、ローズマリーを知っている人が多いのではないでしょうか。観葉植物としても人気のハーブで、観賞用として育てるのもおすすめです。この記事では、ローズマリーの育て方のポイントや手入れのコツ、植え替え・増やし方まで詳しく解説します。
ローズマリーの特徴
ローズマリーはハーブの一種です。いくつかの種類や生長のタイプがあり、それぞれに特徴があります。用途や性質なども育て始める前に知っておきたい情報です。まずは、ローズマリーの特徴をおさえていきましょう。
ローズマリーという名前の由来と花言葉
ローズマリーという華やかで可愛らしい名前には、いくつかの由来があります。1つ目の由来は、ラテン語で「海のしずく」を表す「ローズ」と「マリナス」が合わさってできたとされる説です。
もうひとつの由来は、「rose of maria」という言葉が語源といわれ、聖母マリアのバラという意味があるとされています。
古くからの由来があるローズマリーは、ヨーロッパでは葬儀やお祝いの場などで添えられる花です。そのため、花言葉には、「追悼」「あなたは私を蘇らせる」「変わらぬ愛」「記憶」などがあります。
インテリアや料理など幅広い用途がある
ローズマリーは、さまざまな用途に使われるハーブです。料理好きの方であれば、料理の香りづけや彩り、肉や魚の臭み取りなどで使ったことがあるのではないでしょうか。
料理以外にも、ローズマリーから抽出した精油が香水や化粧水、ハーブティーなどに使われることもあります。観葉植物として育ててインテリアのひとつにもでき、楽しみ方がたくさんあるのが嬉しいポイントです。
種類とタイプ
ローズマリーという名前は総称で、さまざまな種類の品種があります。
品種のタイプは、ほふく性、半ほふく性、立性の3つに分けられており、以下のように草丈が異なるのが特徴です。
- ほふく性:20~30cm
- 半ほふく性:30~150cm
- 立性:200cm以上
草丈以外にも品種特有の特徴があり、個性を楽しめます。主な品種をいくつか紹介しますので、以下を参考にしてみてください。
- ローズマリー・ファーノーハーディー:濃い青の花を咲かせる寒さに強いローズマリー
- ローズマリー・コルシカン:濃い青の花を咲かせるローズマリー
- ローズマリー・アープ:寒さに強い立性のローズマリー
- ローズマリー・ゴリジア:生長の早い立性のローズマリー
- ローズマリー・セイレム:大きな葉をつける立性のローズマリー
- ローズマリー・セバンシー:薄い青の花を咲かせる立性のローズマリー
- ローズマリー・ゴールデンレイン:黄色の覆輪が葉にあるローズマリー
- ローズマリー・シシングハースト:ペールブルーの花を咲かせるローズマリー
- ホワイトローズマリー:白い花を咲かせる立性のローズマリー
- ピンクローズマリー:ピンク色の花を咲かせる立性のローズマリー
他のハーブと寄せ植えするのもおすすめ
ローズマリー単体で育てるのも良いですが、他のハーブと寄せ植えしてみるのもおすすめです。ハーブ同士の見た目や彩りの組み合わせを楽しめるだけでなく、複数のハーブを一度に育てられます。
セージやタイム、イタリアンパセリなどを一緒に植えれば、インテリアとしても料理用としても魅力的な寄せ植えになるでしょう。
さまざまな環境に耐える丈夫な性質
ローズマリーは、とても丈夫なハーブで、さまざまな環境で生育できます。品種によって少々違いはあるものの、暑さと寒さの両方に強いだけでなく、乾燥した場所も得意です。
適切な環境や手入れはもちろん必要ですが、初心者の方でも比較的育てやすい観葉植物と言えるでしょう。
楽天市場
Yahoo!ショッピング
ローズマリーは比較的丈夫な植物ですが、育て方を誤ると枯れてしまう可能性があります。
押さえておきたい育て方のポイントは、以下の5つです。
- 日当たりと風通しの良い場所に置く
- 土が乾いて数日後にたっぷり水やりする
- 水はけの良い土に植える
- 肥料をあげるときは控えめに
- 病害虫予防にはこまめなチェックが必要
元気に育てて、さまざまな用途に使ったり、花や香りを楽しんだりするために、5つのポイントを理解していきましょう。
日当たりと風通しの良い場所に置く
ローズマリーは日当たりの良い場所を好みます。観葉植物全般に言えることですが、直射日光は葉焼けの原因になりますので、レースのカーテン越しの窓辺など適度な日差しが当たる場所に置きましょう。
また、乾燥ぎみの環境を好むので、蒸れないように風通しの良さも大切です。人の出入りが多い場所や風が入る場所など、風が通る場所に置くと、乾燥ぎみの環境を保つことができ、病害虫の予防にもなります。
土が乾いて数日後にたっぷり水やりする
水やりは、土が乾いてから数日後がベストなタイミングです。乾燥した状態で2~3日経過してから鉢底からあふれるくらい水をたっぷりあげましょう。生育が緩やかになる冬は、水やりの頻度や量を減らし、乾燥ぎみに管理するのがポイントです。
庭などに地植えしている場合は、植え付け後の水やりは必要ありません。
水はけの良い土に植える
乾燥について度々触れているように、土選びでも「乾燥ぎみ」を意識しましょう。水はけの良い土に植えると、土から水分が程よく抜け、ローズマリーが好む環境を維持できます。
園芸店やホームセンターなどで、ハーブ用の培養土を選ぶと間違いないでしょう。自分で土を作りたい場合は、赤玉土と腐葉土、パーライトを配合するのがおすすめです。
また、ローズマリーは酸性の土を苦手としています。地植えをする場合は、石灰や籾殻くん炭、草木灰などを混ぜ込んで、酸性の土を中和するようにしましょう。
肥料をあげるときは控えめに
ローズマリーは、肥料をそれほど必要としない植物です。肥料をあげなくても、問題なく生長してくれます。
もし、花を咲かせたい、株を増やしたいという場合は、控えめに肥料をあげましょう。肥料をあげすぎてしまうと、肥料焼けを起こして枯れる可能性があります。徐々に効いていく緩効性肥料を使用量を守って与える程度で十分です。
病害虫予防にはこまめなチェックが必要
ローズマリーは、病害虫が出にくい植物です。ただし、葉っぱが増えすぎて多湿になっていると、病害虫にとって良い条件が揃うこともあります。
葉が白い粉をまぶしたようになる「うどんこ病」やアブラムシなどが主に発生する病害虫ですので、こまめに葉の量や葉の状態をチェックしましょう。
特に食用でも使いたい場合は、薬剤を使わずに病害虫の出ない環境を整えること、被害を広げないことが大切です。
ローズマリーを上手に育てる手入れのコツ
置き場所や水やり、土などのポイントをおさえたうえで、生長に合わせた手入れも必要になります。主な手入れである切り戻し・摘芯・収穫について、コツを詳しく見ていきましょう。
蒸れないように切り戻しする
ローズマリーが生長していくと、葉や枝が増えて、フォルムが乱れたり、風通しが悪くなったりします。
気が付いたときに姿を整えるために剪定するのも大切ですが、蒸れないように大胆に切り戻すのも重要な手入れです。
切り戻しとは、風が通るように思い切って剪定する方法で、梅雨前などに蒸れを防ぐために行うと良いでしょう。夏場はストレスがかかるので、7~9月を避けて行うのがポイントです。
摘心して株を丈夫にする
摘心とは、伸び始めた枝の先端を摘む手入れです。この作業によって、脇芽が出やすくなり、株がより充実します。
ローズマリーを丈夫に育てたい場合は、適宜摘心を行いましょう。
収穫はいつでもできる
ローズマリーはいつでも収穫できます。枝が増えてきたとき、料理で必要なとき、リースのアレンジに使いたいときなど、必要に応じて収穫しましょう。
収穫したローズマリーが余ってしまっても、1ヶ月ほど保存が可能です。洗ってから水気が残らない程度に十分乾燥させ、容器や袋に乾燥材と一緒に入れて冷凍保存しましょう。
ローズマリーの植え替え方・増やし方
ローズマリーを上手に育てるためには植え替えも欠かせません。植え替えは鉢植えと地植えで異なるので注意が必要です。増やし方もご紹介しますので、ぜひローズマリーを増やして楽しんでみてください。
2~3年に1回植え替える
ローズマリーを鉢植えで育てる場合は、2~3年に1回の頻度で植え替えが必要です。土の中で根が生長しているので、そのままにしていると根詰まりを起こしてしまいます。
一回り大きい鉢と新しい土などを用意して、生育環境をリフレッシュしましょう。植え替えしてすぐはデリケートな状態ですので、徐々に日に当てて環境に慣れさせることが大切です。
地植えの場合は植え替えは必要ない
地植えのローズマリーは、植え替えは必要ありません。地植えの場合、植え替えや移植を嫌う植物として有名で、植え替えによって枯れてしまうこともあります。
庭に地植えしている場合は、あらかじめ余裕のあるスペースに植えて、植え替えをしないようにしましょう。
挿し木で増やしてみよう
ローズマリーは、挿し木という方法で比較的簡単に増やすことができます。挿し木とは、元気な枝を切り取って土に挿して育てる方法です。
あらかじめ1時間ほど水に挿して水分を与えた後に、土に挿して水やりを続けましょう。根が上手く出ると、徐々に生長し将来的に立派な株になっていきます。ローズマリーを増やして楽しみたい方は、ぜひ挿し木にチャレンジしてみましょう。
楽天市場
Yahoo!ショッピング
ローズマリーを上手に育てて花や香りを楽しもう
ローズマリーは比較的丈夫な植物で、温度に影響されにくく、乾燥にも強いのが特徴です。元気に育てるためには、日当たりや風通し、適度な水やりなどが大切になります。
植え替えについては、鉢植えでは2~3年に1回必要ですが、地植えの場合は必要ありません。ローズマリーの育て方をおさえて、鑑賞はもちろん、料理や香りなどさまざまな用途で楽しんでみましょう。