ガジュマルは、丈夫で育てやすくハイドロカルチャーとの相性の良い植物です。この記事ではハイドロカルチャーで育てるメリットや、ガジュマルをハイドロカルチャーに植え替える手順、育て方のポイントを解説します。ガジュマルのハイドロカルチャーに関心がある方は参考にしてみてください。
基本の育て方はこちら↓
ハイドロカルチャーって何!?
ハイドロカルチャーとは、ギリシャ語で「水耕栽培」を意味します。土ではなく、粘土を高温で焼いて作った「ハイドロボール」を用いて行われるのが一般的です。
ハイドロカルチャーには、次のような特徴があります。
- メリット1:清潔で周りが汚れにくい
- メリット2:虫が湧きにくい
- デメリット1:根腐れしやすい
メリットとデメリットがありますので、それぞれ見ていきましょう。
メリット1:清潔で周りが汚れにくい
ハイドロカルチャーは土を使わないので、汚れを気にせず植物を育てられます。また、ハイドロボールは無菌なので衛生的なのもメリットです。
室内に鉢植えを置くと土で汚れるのが嫌という人でも、ハイドロカルチャーであれば安心して植物を育てられます。
メリット2:虫が湧きにくい
ハイドロカルチャーは、有機物ではないので虫が湧きにくいのも魅力です。虫が苦手な方にとっても、ハイドロカルチャーはおすすめの栽培方法だと言えます。
また、ハイドロボールは何度も洗って使えるので、経済的です。
デメリット1:根腐れしやすい
ハイドロカルチャーは、根から排出される老廃物が容器内に溜まりやすく根腐れが起きやすいのがデメリットです。
一般的な土の場合は、植物から出る老廃物は土の中にいる微生物により分解されます。一方のハイドロボールは、無菌のため老廃物が分解されず蓄積されるため根腐れを起こしやすくなるのです。
根腐れを防ぐために、水やりや肥料の与え方に注意しておきましょう。
ガジュマルをハイドロカルチャーに植え替える手順
ガジュマルは、およそ2年に1回のペースで植え替えを行いますが、このタイミングにハイドロカルチャーに植え替えるのがおすすめです。
用意するもの
ガジュマルのハイドロカルチャーで用意するものは、次のとおりです。
- 穴の空いていない容器
- ハイドロボール
- ガジュマル
- 根腐れ防止剤
- 液体肥料
- 割り箸
ガジュマルを植木鉢から取り出す
まずは、土植えのガジュマルを植木鉢から取り出します。気根を持ち、植木鉢からゆっくりと引っこ抜いてください。
枝葉が多い場合は、剪定して樹形を整えておくと良いでしょう。
付着している土をキレイに取り除く
植木鉢からガジュマルを取り出したら、付着している土を完全に取り除きます。
ガジュマルの根は細かく絡まり合っているので、土を落とすのは容易ではありませんが、水を使ってキレイに落としてください。
植物を入れる容器に根腐れ防止剤を入れる
植物を入れる容器に、根腐れ防止材を入れます。ハイドロカルチャーでやりがちなミスが、水やりのしすぎによる根腐れです。
根腐れを防止するためにも、根腐れ防止剤はできるだけ入れるようにしましょう。根腐れ防止材を加えることで、容器内の雑菌の繁殖を抑えてくれます。
根腐れ防止剤でおすすめなのは、「ミリオンA」や「ゼオライト」です。これらは白い小石のような見た目をしていて、容器の底に敷き詰めて使用します。
ハイドロボールを3分の1程度入れる
根腐れ防止材を敷き詰めたら、ハイドロボールを容器の3分の1程度入れていきます。土台となるハイドロボールは、水はけの良い大きめサイズがおすすめです。
ガジュマルを設置する
土台となるハイドロボールを入れたら、ガジュマルを設置していきましょう。根が固まってしまわないように、割り箸などを使ってハイドロボールの上に広げていくとバランス良く設置できます。
ハイドロボールを敷き詰める
ガジュマルを設置したら周りにハイドロボールを敷き詰めていきましょう。ガジュマルが安定したら、仮支えしていた割り箸を取り除きます。
そしてハイドロボールが満遍なくいきわたるように、微調整してください。根の下などに隙間ができやすいので、容器をゆすって隙間なくハイドロボールを行き渡らせます。
水を入れる
最後に水を入れていきましょう。容器の5分の1程度水を注げばOKです。
植替え直後の管理方法
ガジュマルをハイドロカルチャーに植え替えをしたら、直射日光の当たらない半日陰の環境で1週間程度休ませます。
植え替えたばかりの植物はデリケート なので、強い光を当てないよう注意しましょう。
ハイドロカルチャーに植えたガジュマルの育て方
ハイドロカルチャーに植えたガジュマルを育てるときのポイントは、以下の2つです。
- 日当たりの良い場所で管理する
- 水やりは季節に応じて
ポイントを押さえて、ハイドロカルチャーのガジュマルを元気に育てましょう。
日当たりの良い場所で管理する
植え替え直後は強い光を避けて管理しますが、ガジュマルは明るい場所を好む植物なので、室内の明るい場所を選んで管理してください。
ただし、直射日光に当ててしまうと葉焼けを起こしてしまう可能性があるので、レースカーテン越しに光を当てるくらいがベストです。
また、ガジュマルは寒さに弱いので、冬になったら室内の暖かい場所に移動させましょう。窓際は気温が下がりやすいので、要注意です。
水やりは季節に応じて
ガジュマルも他の植物と同様に、春から秋にかけて成長し、気温が下がる冬場は成長がほぼストップしてしまいます。
そのため、水やりも季節に応じて行うことが大切です。土の表面が乾いたタイミングで水をたっぷり与えるというのが一般的な水やりのやり方ですが、ハイドロボールは少し頻度や方法が異なります。
ハイドロカルチャーは根腐れを起こしやすいので、水の与えすぎには要注意です。容器の底に水がなくなっても、ハイドロボールの細かい穴の中には無数の穴があり水を貯め込んでいるので、すぐに乾燥することはありません。
容器の底に水がなくなってから、2〜3日後が水やりのベストなタイミングです。冬場はさらに2〜3日経過してから様子を見ながら水やりをしましょう。
ハイドロカルチャーでガジュマルを成長させるコツ
ハイドロカルチャーは、土で育てるより成長が緩やかになる傾向があります。最後に、ハイドロカルチャーでもガジュマルを元気に成長させるコツをご紹介します。
肥料で栄養を補給する
ハイドロボールは無機質な用土なので、ハイドロカルチャーでガジュマルを勢いよく成長させるには、肥料で栄養補給する必要があります。
ただし、ハイドロカルチャーの場合は、土植えよりも根がデリケートなため、肥料の与えすぎは根腐れの原因になってしまいます。ハイドロカルチャーや水栽培用の液体肥料も販売されていますので、初心者の方は特にそういった商品を選ぶのがおすすめです。
春〜秋の成長期には、液体肥料を月に2回程度与えてください。成長がほぼストップする冬は、肥料を与える必要はありません。
ガジュマルをハイドロカルチャーに植え替えてみよう!
ガジュマルはハイドロカルチャーにもぴったりな植物です。ハイドロカルチャーは、無菌で清潔な用土なので、室内でも安心して植物を育てられます。虫が湧きにくいのも嬉しいポイント。
今回ご紹介した育て方のポイントを押さえて管理すれば、初心者の方でもガジュマルを元気に育てることができます。ぜひ、ガジュマルをハイドロカルチャーで育ててみてください。