成長期の青年のようにぐんぐんと育つことから「青年の木」とも呼ばれるユッカは、丈夫で育てやすいため初心者にも人気の観葉植物です。本記事ではユッカの育て方をご紹介します。気になる害虫の対策方法、剪定のやり方も詳しく解説するので、ぜひユッカとの暮らしに役立ててください。
ユッカはガーデニング初心者にイチオシの植物
ユッカは中央アメリカ原産の観葉植物です。古くから日本でも親しまれており、贈答用の植物としても人気を集めています。
日本でも簡単に育てやすいため、植物やガーデニングに関する知識がない方でも手軽に育てやすいのが特徴です。
まずは、そんなユッカの魅力についてご紹介します。
乾燥・寒さに強くて育てやすい
ユッカは中米から北米の乾燥地帯で広く自生しているため、乾燥や寒さに強い植物です。
気温の変動が激しい日本の環境でも育てやすく、初心者でもコツいらずで簡単に育てることができます。初心者はもちろんのこと、プレゼント用にもおすすめの植物です。
ただし、梅雨などじめじめした気候には弱いので注意しましょう。水分過多による根腐れを引き起こさないよう、この記事を参考にして水やりのやり方をマスターしてくださいね。
象の足ような太くてしっかりとした幹が特徴
ユッカにはさまざまな種類がありますが、なかでも家庭用の観葉植物として愛されているのが“ユッカ・エレファンティペス”という品種です。
エレファンティペスとは「象の足のような」という意味があり、生命力を感じるしっかりとした幹を表しています。
どっしりとした幹と天高く力強く伸びる葉っぱから、「成長」や「発展」などの風水的な意味合いも生まれ、仕事運・金運がアップするともされています。
「勇敢」「偉大」などの花言葉からも感じられるように、幹や葉の凛々しい見た目が多くの方に愛されているのですね。
5m以上の高さに育つ場合も!背の高さが魅力
ユッカは、種類によっては樹高5~10mを越す大木になることもあります。
天高く伸びるような姿が特徴で、背が高いのでベランダやリビングなどの省スペースでも育てやすいのが嬉しいですね。
生長が早い植物ではありますが、小さな苗が150cm以上になるには数年かかります。購入の際は自宅のどんなスペースに飾りたいかを考えたうえで、ちょうどいいサイズを選んでください。
tユッカの育て方!必要な生育環境と枯らさないコツ
ユッカは初心者でも育てやすい植物ですが、健やかに育てるためにはコツを押さえておく必要があります。
ユッカを元気に成長させるためにも、上手に育てる方法をマスターしておきましょう。
ユッカは暑さに強い!屋外で育てよう
ユッカは暑さに強く、日光が大好きです。暖かい時期はなるべく屋外の日当たりの良い場所で育てることをおすすめします。
ベランダや庭がない家では、日光が直接当たる窓際や風通しの良い場所に設置すると良いでしょう。葉焼けが気になる場合は、レースカーテンを重ねるなどの対策をして遮光率を高くしてください。
反対に、ユッカの耐陰性は低い傾向にあるので、地下などの日光が当たらない場所には置かないように注意しましょう。
日光不足になると、光合成が上手く行えずに葉が細くなったり、葉が弱ったりします。
気温が低い時期は室内で管理
ユッカは暑さ・寒さ・乾燥に強い植物で、温暖な地域であれば屋外で越冬できます。
しかし、0℃以下の気温では冬超えが難しいため、寒さが厳しい地域では室内で越冬させるようにしましょう。
室内で育てる場合は、エアコンの風が直接当たると枯れてしまうおそれがあるので要注意です。
エアコンの風が当たらない場所に置き、一週間のうち2~3日はたっぷりと日光を浴びせましょう。
水やりは生長時期に合わせて
ユッカの生長時期は春から秋です。生長時期に表土が乾いて白っぽくなってきたら、たっぷりと水を与えて生長を促すようにしましょう。
1回の水やりの目安は鉢底から水があふれ出るくらいです。根腐れ防止のために、鉢受けに溜まった水はこまめに捨ててくださいね。
生長が緩慢になる冬の時期は断水気味にして管理します。乾燥に強いため、こまめな水やりをしなくても元気に育ちますよ。
肥料焼けに注意!肥料を与えるタイミングは春~秋
元気に育てるためにも、ユッカには積極的に肥料を与えましょう。
しかし、冬場に肥料を与えてしまうと肥料焼けを起こして、根が褐色化したり、葉が枯れたり、萎えてしまったりする可能性があります。
肥料焼けを避けるには、生長時期に合わせて春から秋ごろに肥料を与えるのが大切です。このとき、化成肥料を使用するとコバエの発生を予防することができます。
ユッカの葉っぱが密集してきたら剪定のサイン
ユッカの葉が密集してきたら、生長を妨げないように剪定しましょう。剪定バサミなどを使って、葉を根元から数枚カットしてスタイルを整えてください。
枝の間延びが気になる場合は根元から切り落とし、幹が伸びきった場合は好きな場所からカットして整えます。
剪定した箇所から枝や葉が生まれるため、生長した姿をイメージしながら剪定すると上手くカットできますよ。剪定後はたっぷりと日光を当ててください。
注意したい!ユッカにつきやすい害虫や病気
ユッカは害虫被害や病気が起こりにくい丈夫な植物ではありますが、環境や手入れ不足によっては虫や病気が発生することもあります。
しかし、適切に対処すれば駆除も簡単なので、対処法をマスターしておきましょう。
虫が湧いてしまった場合はどうする?
屋外で管理することが多いユッカは、虫がついてしまうこともあります。
ユッカにつきやすい代表的な害虫はハダニやカイガラムシです。虫による食害の跡を見つけたら、早めに対策しましょう。
葉水を行ってハダニ対策
葉が乾燥すると、ハダニがつきやすくなります。そのため、断水気味になる冬でも霧吹きなどを使って、定期的に葉水して対処するようにしましょう。
葉っぱ全体に水をかけることでユッカが喜ぶだけではなく、ハダニ予防にもなります。
もし、すでに葉についているハダニを見つけたら、ガムテープなどを葉の裏側にくっつけて一匹ずつ取り除きましょう。
あまりにもたくさんいる場合は、殺虫剤を使ってもOKです。
カイガラムシを見かけたら早めに殺虫剤で対処
湿気が高い環境だと、カイガラムシやナメクジなどが発生しやすくなります。食害の跡が見られるようなら、できるだけ早めに殺虫剤などを使って駆除しましょう。
カイガラムシの幼虫は殺虫剤で駆除できますが、ナメクジは専用の駆除剤でしか駆除できないため注意してください。
また、カイガラムシは成虫になると農薬や殺虫剤が浸透しにくくなるのが厄介なポイントです。
成虫のカイガラムシを見つけた場合は、殺虫剤ではなく歯ブラシなどを使って一匹ずつ取り除くことをおすすめします。
梅雨の時期は炭そ病に要注意
梅雨のように湿度が高い季節になると、カビが発生しやすくなりますよね。そのカビは炭そ病という病気の原因になります。
ユッカを病気から守るためにも、カビが発生してしまうような環境に置かないように注意しましょう。
炭そ病は円形の病斑が特徴で、病斑から徐々に葉が枯れだして株を弱らせていきます。
もし、病斑が発生している葉を見つけたら、ただちにその葉をカットして、ほかの葉に感染させないように専用の薬剤を散布しましょう。
ユッカは植え替えが必須な植物
ぐんぐんと生長するユッカは、すぐに鉢が根でいっぱいになったり、鉢底から根がはみ出したりしてしまいます。
鉢が根でパンパンになると根詰まりを起こすため、ユッカの根や株の負担を軽減させるためにも、定期的に植え替えをして大切なユッカの疲労をケアしてあげましょう。
1~2年を目安に植え替えしよう
植え替えの時期は5~9月の生長時期がおすすめで、1~2年を目安に株よりも1周り大きな鉢に植え替えましょう。
植え替えた直後は水を与えたくなりますが、水やりは株の疲労に繋がる恐れもあるため、最低でも4日は休ませてあげてください。
乾燥に強いユッカは、直後に水やりをしなくても枯れる心配はありません。植え替え後は株の疲労をケアしてから、数日後にたっぷりと水を与えましょう。
株分けと挿し木で増やせる
挿し木で増やす場合は、小枝を切り取ってミズゴケやピートモスなどに植えましょう。湿った土だと発根しやすいため、挿し木のタイミングは梅雨がおすすめです。
ほかにも、脇芽の付け根を切り取って差し木用の用土(赤玉土など)に植えて明るい日陰で管理する方法もあります。表土を乾燥させないように、水は少量ずつ与えましょう。
日当たりと害虫に気を付けてユッカを大きく育てよう
ぐんぐんと大きく育つユッカは、初心者にイチオシの観葉植物です。
日当たりと風通しに気を付けていれば病気や害虫にも強いため、こまめな手入れが苦手という方にもぴったりでしょう。
これからユッカを迎えようとしている方は、ぜひ本記事を参考にして、育て方をマスターしてくださいね。