コニファーは針葉樹の総称で、日本に生息しています。しかし種類によっては、環境や育て方を間違えると枯れてしまうことがあるのです。今回は、コニファーが枯れる原因・対処方法、復活させる方法をご紹介します。
コニファーが枯れるとどうなる?
コニファーは育てるのが難しく、枯れることが多い植物です。枯れてしまうと葉が茶色く変色して、最終的には落ちます。葉先を触って柔らかい状態なら良いですが、パリパリに乾燥していたら注意が必要です。
コニファーはどのような原因で枯れるのでしょうか?枯れる原因と対処法をご紹介します。
コニファーが枯れる原因・対処法
コニファーが枯れるのは、管理方法や手入れ方法などさまざまな原因があります。なぜ枯れたか原因がわかれば、適切な方法で対処することが可能です。まずは状態を確認して、原因を探って正しい対処をしましょう。
日光が不足している
家の中で育てていると葉が茶色く変色し、最終的にはポロポロと落ちてしまうことがあります。これは、日光不足が考えられます。
対処法
コニファーは、基本的に日光を好む植物なので、日当たりが良い場所に置きましょう。1日に6~8時間ほど、日光が当たる場所に置いてあげるのが理想とされています。
夏はできれば家の中ではなく、外で育てるのがおすすめです。家の中でも外でも、できるだけ長時間日光が当たる場所に置いて、日光浴をさせてあげましょう。
直射日光に当たってしまった
2~4月の生育時期に、葉の先が茶色く枯れてしまうことがあります。これは、直射日光に当たってしまい、葉焼け、暑さによるムレ、乾燥などが原因だと考えられます。
対処法
直射日光に当たってしまい、葉焼けを起こしてしまわないためには、夏の西日が当たらない場所に置いたり、レースカーテン越しに日光を当てたりしましょう。
湿気が多い場所に置いている
コニファーは湿気に弱い観葉植物です。そのため、通気性が悪い場所に置いていると、カビが発生しやすくなってしまいます。そうなると、木の内側から枯れてしまうこともあるでしょう。
対処法
コニファーは、暑くて湿気が多い場所を嫌うため、風通しの良い場所に置きましょう。特に夏は注意してください。
また、葉や枝を適度に剪定して、風通しを良くすることも大切です。
寒い場所で管理してしまった
コニファーは寒さに強いと言われますが、0度以下が続く場所に置くと枯れやすくなります。
対処法
コニファーが枯れてしまわないためにも、寒さや強風が避けられる、室内で育てることがおすすめです。
室内で育てる場合は、日当たりがよく、エアコンの風が直接当たらない場所に置きましょう。また、冬の水やりにも気を付けてくださいね。
根腐れを起こしている
コニファーは乾燥に強いため、毎日水やりをする必要がありません。水をやりすぎると、根腐れの原因となり、枯れやすくなってしまいます。
対処法
根腐れを起こさない対処法として、水やりは土の表面が乾いてからたっぷりあげるようにしましょう。また、受け皿に溜まった水もすぐに捨ててくださいね。
根詰まりを起こしている
コニファーをずっと同じ植木鉢で育てていると、成長によって窮屈になる場合があります。植木鉢の下から根が出ていたら、根詰まりを起こしている証拠です。
根詰まりを起こしてしまうと、成長の妨げにもなりますし、枯れてしまう原因にもなります。
対処法
根詰まりを起こしている場合の対処法は、根をほぐしてから植え替えをしてあげる必要があります。しかし、コニファーは根を動かされるのを嫌がるので、根を刺激することも枯れる原因となってしまうのです。
そのため植木鉢で育てる場合は、根詰まりを起こさないように、2~3年に一度は植え替えをしてあげましょう。
エアコンの風が直接当たってしまった
コニファーは品種によって、室内で育てることも可能です。しかし、室内で育てている場合はエアコンの風が直接当たってしまうことで、枯れてしまうことがあります。
対処法
エアコンの風が直接コニファーに当たってしまうと枯れてしまうことがあるため、エアコンの風が直接当たらない、日当たりの良い場所に置きましょう。
水やりが適切ではなかった
コニファーの根はとても弱いです。鉢植えで育てているときに、受け皿に水分が残っていると枯れてしまうことがあります。受け皿に水が溜まっていると、鉢植えの中が抜けずに蒸れてしまいます。
また、コニファーは乾燥に強いですが、乾燥させすぎることも枯れる原因です。
対処法
水やりが適切ではなかったときの対処法としては、まずは受け皿に水を溜めないようにして、溜まっているなら早めに捨てるようにしてください。
また乾燥させすぎないように、夏と冬では水やりのタイミングを変える必要があります。
例えば、夏の昼間は日差しが強く乾燥しやすいため、朝と夕方に1日2回水やりをしたり、冬は凍結するのを防ぐために午前中に水やりをしたりするなど、タイミングに注意しましょう。
植え替えに失敗した
コニファーは根を動かされるのを嫌がり、とても敏感です。せっかく大きく育ったのに、植え替えで枯れることはよくあります。
対処法
植え替え時にはあまり根を動かさないように気を付けましょう。植え替えに適した時期は、5~6月頃です。
泥はねによる被害を受けた
コニファーは、泥はねによる病原菌の侵入が原因で弱ることがあります。雨で泥が跳ねてしまうと、泥が付いた部分の葉が枯れてしまうこともあるのです。
対処法
泥はねによる被害を受けない対処法として、ウッドチップやバーグ(樹皮)を撒いて予防する方法もあります。また、泥はねは雨だけでなく、水やりの時にも地面の泥が跳ねて、葉に付いてしまうこともあるでしょう。
泥はねにならないように、気を付けて水やりを行ってくださいね。
金属製のハサミを使って剪定した
コニファーを剪定するときに、金属製のハサミを使ってしまうと、切り口から葉が茶色く変色してしまいます。
対処法
ハサミが原因で枯れない対策法として、手で摘み取るようにしましょう。剪定するところが多い場合は、金属製のハサミではなく、セラミック製のハサミを使うことで枯れるのを予防することができます。
コニファーで注意すべき病気と害虫
コニファーは病気や害虫の被害を受けて、枯れることもあります。特に気を付けたい病気と害虫は以下です。
- 赤錆病
- 葉枯病
- スス病
- ハダニ
- カイガラムシ
- アブラムシ
病気にかかったり、害虫の被害を受けてしまった場合の症状と対処法を、それぞれご紹介します。
赤錆病
赤錆病は、4月頃葉に赤いシミができるサビの一種です。進行してしまうと、葉の裏に毛が生えたような円形の病斑ができて、次第に葉が枯れていきます。殺菌剤を使って予防しましょう。
葉枯病
葉枯病は糸状菌(カビ)が原因で、葉先からだんだんと枯れていく病気です。見つけたら、早めに病変した部分を取り除くようにしてください。
また、多湿の環境で発生しやすくなるので、風通しの良い場所に移動させるか、殺菌剤で駆除しましょう。
スス病
スス病は、アブラムシなどの昆虫がする排出物を求めて、スス病菌が集まり繁殖します。葉全体が黒くなる病気です。一度、病気にかかってしまうとその部分は回復しないため、すぐに取り除くようにしましょう。
アブラムシやカイガラムシなどを殺虫剤などで早めに駆除することで、発生を予防できます。
ハダニ
ハダニは暑さと乾燥を好む、夏に繁殖することが多い害虫です。葉の裏側に寄生して、植物の汁を吸って弱らせます。すごいスピードで繁殖してしまうため、見つけたら薬剤などを使って駆除しましょう。
カイガラムシ
カイガラムシは植物に寄生して、樹液を吸って枯らせてしまう害虫です。カイガラムシの排泄物は白くベタベタしているので、コニファーにもし付いていたら、カイガラムシが寄生しているかもしれません。
カイガラムシの駆除方法は、幼虫か成虫かで変わります。幼虫なら殺虫剤を撒くなど、さまざまな方法で駆除することが可能です。
しかし成虫になると、全身に貝殻のような殻を被るため、殺虫剤が効きにくくなります。その場合は、歯ブラシなどでこすり落としましょう。
アブラムシ
アブラムシは、主に植物の新芽やつぼみに寄生し、植物の汁を吸って枯らせてしまいます。さらにウイルス病を持っているため、植物にダメージを与えて、やがて枯れてしまうのです。
アブラムシの駆除方法は、殺虫剤を使う方法もありますが、テープや歯ブラシを使って駆除することもできます。
コニファーはそもそも日本の気候に合わない!?
コニファーは、寒さや乾燥に比較的強い植物です。しかし、クリスマスツリーとして人気のあるゴールドクレストは、特に湿気と暑さに弱い特性を持っています。
そのためゴールドクレストの性質上、日本の気候には合わず枯れてしまうことがあります。日本は梅雨があり、夏は蒸し暑く台風も多いため、ゴールドクレストにとっては過酷な場所なのです。
そのため少しでも負担をかけないように、水やりや植え替え時期など、ポイントを押さえて育て、できるだけ快適な環境を作りましょう。
枯れてしまったコニファーを復活させる方法
一度枯れてしまったコニファーは、再生することはありません。しかし、挿し木で復活させることができます。
元気な枝を残して「挿し木」にする
コニファーが枯れてしまったら、元気な枝を残して挿し木で復活させましょう。挿し木の詳しいやり方は、以下の通りです。
- 枝の上から3分の1ほど葉を残して、下の葉を全部取り除く
- 切り口を斜めに切り落とす。反対側も斜めに切り落してV字にし、水を吸う面積を大きくする
- 切り口を水に1時間ほど浸ける
- 水からあげたら、切り口に発根促進剤を付ける
- 赤玉土(小粒)や、鹿泥土だけ入れた鉢植えに3cmほど挿す
- 湿度を保つために、鉢植え全体にビニールを覆う
- 発根するまで日陰で管理して、土を乾燥させないようにする
- 4~6ヶ月ほどしたら発根する。発根したらビニールに穴を開けて、徐々に湿度の低い環境に慣らしていく
- ある程度育ったら、ひと回り大きい鉢植え、または庭に植え替える
生育環境に気を付けてコニファーが枯れないように育てよう!
コニファーは元気に育ててあげると、一年中鮮やかなグリーンの葉を付けてくれます。生育環境を良くし、枯れないように育ててあげてくださいね。