ゴムの木は、生命力の強さと美しい葉が人気の観葉植物です。管理がしやすく、初心者でも簡単に育てられますが、環境や育て方を間違えると枯れてしまうこともあります。今回は、ゴムの木を枯らさないために、必要な生育環境と枯らさないコツ、注意すべきこと、お手入れ方法をご紹介します。
ゴムの木とはどんな観葉植物?
ゴムの木は、クワ科フィカス属に分類される観葉植物です。熱帯地域から亜熱帯地域にかけて生育されていて、約800種類以上が存在しているとされています。種類によって大きさもさまざまで、1mほどのものもあれば、25mまで成長するものまであります。
そんなゴムの木は深い緑色の大きな葉が印象的で、インテリアグリーンとしても人気が高いです。
育て方を見る前に、ゴムの木の特徴について解説します。
耐陰性がある
ゴムの木は耐陰性があるため、室内でも育てることが可能です。あまり日が当たらない場所でも育てることはできるため、インテリアとしても楽しめます。
乾燥に強い
ゴムの木は乾燥に強い植物です。そのため、多少水やりを忘れても、すぐに枯れてしまう心配はないでしょう。
5℃以上保てる場所で管理する
ゴムの木の原産は、熱帯地域から亜熱帯地域にかけてが主です。そのため、日本の冬を越すためには、最低でも5度以上が必要です。
ゴムの木は寒さに強い植物ですが、5度を下回ると弱ってしまいます。元気に育てるためにも、5度以上がキープできる場所で管理するようにしましょう。
樹液に注意する
ゴムの木は枝や葉を切ると、切り口から白い樹液が出てきます。この樹液は、ゴムの原料となります。
刺激が強いため、人の肌に触れると、皮膚が弱い方だとかぶれなどの肌荒れを起こしてしてしまうこともあるため、注意が必要です。
また服やカーペットなどに付くと、シミになってしまうこともあります。お手入れなどで枝や葉を切る際は、十分に気を付けてくださいね。
ゴムの木の育て方!必要な生育環境と枯らさないコツ
ゴムの木の育て方はそこまで難しくないため、初心者でも育てられる観葉植物です。生育環境と枯らさないコツに注意しながら、元気なゴムの木を育ててください。
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日当たりの良い場所に置く
ゴムの木は日当たりの良い場所を好む観葉植物です。耐陰性があるため、暗い場所でも育てることはできますが、日光不足になると、葉のツヤが悪くなったり、元気が無くなったりしてしまいます。
そのため、できるだけ日当たりの良い場所で育てるのがおすすめです。それが難しい場合は、日当たりの良い場所に2~3時間ほどでも良いので移動させてあげてください。
ただ直射日光に長時間当ててしまうと、葉が焼けて茶色に変色したり、黒くなったりするおそれがあります。夏場の7~9月は、午前中だけ日当たりの良い場所に置くか、日陰に置くようにしましょう。
また室内で育てる場合は、エアコンの空調に注意が必要です。エアコンの風が直接、葉に当たると変色や変形することがあります。葉が乾燥しないように、1日に1度は、葉水するのがおすすめです。
水はけの良い土を使う
ゴムの木を育てるときは、水はけの良い土を使いましょう。一般的に販売されている観葉植物用の土でOKです。
自分で配合する場合は、赤玉土(小粒)7:腐敗土3でブレンドするのがおすすめです。
水やりは季節によって変える
ゴムの木の水やりは、季節によってタイミングや量を変える必要があります。
生育期の春から秋にかけては、土の表面が乾燥してから、たっぷりの水を与えましょう。目安は、鉢の底から水が少し流れ出す程度の量を与えます。
生育期が終わる9月以降は、水やりの回数を徐々に減らしていき、休眠期の冬には土の表面が乾いてから2~3日後に水やりをしましょう。
乾燥していない状態で、水をやり続けると、根腐れするおそれがあるので注意してください。
肥料はなくても育つ
ゴムの木は肥料を与えなくても育ちます。しかし、肥料を与える方が生長が早く、元気に育ってくれます。
生長が緩慢になる冬場の時期に、肥料を与えると、肥料やけするおそれがあるので、成長期の春から秋にかけて与えるようにしましょう。
観葉植物用の緩効性肥料か、液体肥料がおすすめです。
有機肥料でも化成肥料でもどちらでも問題ありませんが、化成肥料の方が害虫が寄生しにくいので、室内で育てる際は化成肥料を使う方が良いでしょう。
寒い季節には室内へ移動させる
ゴムの木は、5℃以上が保てる場所で育てるのが理想的です。品種にもよりますが、葉や株が傷むおそれがあるので、冬の寒い季節には室内に移動させましょう。
また室内に移動させたら、日光を当てるためにも、窓際に置くようにしてください。室内でも冬場は、窓から冷気が入り冷えてしまうため、夕方を過ぎたら窓から離れた場所に移動させてあげましょう。
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ゴムの木を育てる際に注意すべき害虫
ゴムの木を育てていると、カイガラムシやハダニの害虫の被害を受けることがあります。それぞれの特徴と対処をご紹介します。もしものときのために、覚えておきましょう。
カイガラムシ
カイガラムシは、年間を通して発生する可能性がありますが、特に生育期の5~7月には注意が必要です。
体長が2~10mmほどと小さく、白い綿毛のようなものをまとっている害虫です。ゴムの木に寄生すると、葉や茎から栄養を吸い取って成長するため、株が弱っていきそのまま枯らしてしまいます。
カイガラムシがゴムの木に寄生すると、排泄物からスス病という病気の原因になるので、見つけたら早めに駆除するようにしましょう。
駆除方法は、幼虫か成虫かで変わりますので、それぞれに適した方法で駆除してください。
幼虫の場合は殺虫剤などを使えば駆除できます。しかし、成虫になると体全体に硬い殻をまとうため、殺虫剤の薬剤が効きにくくなります。そのため、歯ブラシやヘラなどを使って、地道にこすり落とさなければいけません。
強い力でこすってしまうと、ゴムの木を傷付けるおそれがあるので、慎重に行うようにしてくださいね。
大量に発生して、全てこすり落とすのが難しいなら、切り取るのもひとつの方法です。ゴムの木を傷付けてしまうよりも、切った方が無難なこともあります。
そうならないためにも、こまめに確認をして、早めに見つけられるようにしましょう。
ハダニ
ハダニは0.5mmほどのサイズで、赤や黄緑色をした害虫です。葉の裏側に寄生し、栄養を吸い取ります。吸い取った箇所は、白い斑点状になるので、ゴムの木の葉の裏側を見て白い斑点がないか確認してみてください。
寄生した放置すると、枯れてしまうため、見つけたら早めに駆除するようにしましょう。
ハダニを駆除する際は、ダニに効く殺ダニ剤を使うのが効果的です。数が少ないならテープを使って、剥がしとる方法もあります。
テープは粘着力が強くないものを使ってください。粘着力が強すぎると、葉を傷める可能性があるので注意が必要です。
ゴムの木を育てる際に生じやすいトラブル
ゴムの木を育てていると、水不足や根腐れ、根詰まりといったトラブルが起こることがあります。ここでは、ゴムの木によく見られるトラブルと、その対処法をチェックしていきましょう。
水不足
ゴムの木が水不足になると、葉が枯れたり、葉落ちしたりする可能性があります。水不足が考えられる場合は、たっぷりの水を与えて、しばらく様子を見てみましょう。
特に夏場は、水が蒸発しやすいため、水不足に陥りやすくなります。土の状態をこまめにチェックして、水不足にならないように注意してくださいね。
根腐れ
土が乾いていないのに、水やりをし続けると、根が呼吸できなくなり、根腐れを起こします。特に、冬場の水やりのしすぎで春を待たずに枯れてしまうということが多いです。
必要以上の水やりは根腐れを起こす可能性が高くなるので、水やりのタイミングに気を付けましょう。
根詰まり
ゴムの木の葉が落ちたり、新芽が小さくなったりする症状が見られる場合は、根詰まりが考えられます。また、鉢底から根が出て、水はけが悪くなった場合も根詰まりしている可能性が高いです。
根詰まりを解消するには、植え替えを行いましょう。
ゴムの木のお手入れ方法
最後にゴムの木の植え替え方法と、増やし方をご紹介します。
特に植え替えは、適切な時期に行わないと、根腐れの原因にもなるので、しっかりと確認してみてください。
1~2年ほどで植え替える
ゴムの木は生育旺盛なので、1~2年ほどを目安に植え替えを行うようにしてください。植え替えをしないと、根詰まりを起こし、水が吸えなくなり、根腐れを起こしてしまうため、一回り大きい鉢に植え替える必要があります。植え替えの適切な時期は、5~9月です。
ゴムの木の植え替えの方法は、以下の通りです。
- 新しい鉢に底穴ネットと底石を敷く
- 培養土を3分の1ほど入れる
- ゴムの木を鉢から出す
- 根に付いている土を3分の1ほど取り除く
- 傷んだ根がある場合は切り取る
- 新しい鉢にゴムの木を入れる
- 手で支えながら、培養土を入れながら埋める
- 手で土を軽く押しながら固める
- たっぷりの水やりをする
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「挿し木」か「取り木」で増やせる
ゴムの木は、挿し木または取り木で増やすことができます。細い枝やつる性のゴムの木なら挿し木、大きいゴムの木なら取り木で増やすのがおすすめです。
どちらも成長期である5~7月が適期です。
ゴムの木を切ると樹液が出てくるので注意しましょう。挿し木や取り木をする際は、ゴム手袋をつけて作業するのがおすすめです。
それでは、挿し木と取り木のやり方を見ていきましょう。
挿し木
ゴムの木の挿し木のやり方は、以下の通りです。
- 枝を10cmほどの長さに切り取る
- 枝の切り口を洗い流す
- 切り口が斜めになっているのを確認する
- 1時間ほど水に浸す
- 下葉をすべて取り除く
- 上葉を半分ほどカットする
- 赤玉土に枝を差し込む
- 日陰で水を与え続ける
- 発根した後に、本葉が2枚以上になったら、新しい鉢に植え替える
取り木
ゴムの木の取り木のやり方は、以下の通りです。
- 根を生やしたい箇所の幹皮を5cmほどの幅で剥ぐ
- 剥いだ箇所を水苔で包む
- その上からビニールで覆う
- 2~3ヵ月ほどで発根する
- 発根した後に、ビニールと水苔を取り除く
- 発根した部分より下を切り取る
ゴムの木は適切な方法で元気に育てよう
ゴムの木は簡単に育てることができるので、初心者でもチャレンジしやすい観葉植物です。ただ生育環境が整っていないと枯れてしまうことがあります。そのため、置く場所や水やり、害虫、トラブルに気をつけながら育てましょう。
この記事を参考にして、元気なゴムの木を育ててくださいね。
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