春の訪れとともに、ガーデニングの楽しみもぐっと増えます。そんな時期にぴったりなのが、色とりどりの花々で作る春の寄せ植えです。今回は、春の寄せ植えにおすすめの花を10種類ピックアップしてご紹介します。春らしい寄せ植えを作るための選び方のコツや、美しい寄せ植えを長く保つための管理のポイントも見ていきましょう。
春の寄せ植えを作るコツ5つ
寄せ植えを作る際には以下の5つのコツを覚えておくと良いでしょう。
春の色を取り入れる
春らしい明るい色合いの花を選ぶのがおすすめです。ピンク、ラベンダー色など、淡い色や、黄色といった鮮やかな色が春の雰囲気を演出します。
耐寒性・耐暑性がある植物を組み合わせる
春は気温の変動が大きい季節です。そのため、寒さにも暑さにも強い植物を選ぶことが大切です。寒暖差に耐えられる植物であれば長く寄せ植えを楽しめます。
生育環境の同じものを合わせる
水やりや日当たりの好みが似ている植物を組み合わせることで、管理がしやすくなります。また、日当たりの良い場所や日陰になる場所など、寄せ植えを飾る場所で元気に育つ植物を選ぶことも、春の寄せ植えが長持ちするコツと言えます。
おしゃれにするならプランターにもこだわる
寄せ植えの容器も大切な要素です。プランターや鉢にこだわることで、より一層おしゃれな寄せ植えが作れます。簡単にセンスの良い寄せ植えにしたいなら、バスケットタイプのプランターを選ぶのがおすすめです。
主役・脇役を決める
植物にも「主役」と「脇役」を決めましょう。主役と脇役の花は以下のポイントを基準に選んでみてください。
- 主役:大きい・目立つなど存在感がある花
- 脇役:主役を引き立てて、全体の調和をする花やグリーン
目立つ花を主役に、それを引き立てる脇役の緑や小花を配置することで、バランスの良い寄せ植えが完成します。
春の寄せ植えを作ってみよう!
ここからは、春の寄せ植えを作る際の準備物と作り方を見ていきましょう。
準備するもの
春の寄せ植えには以下のものを準備します。
- 寄せ植えする植物(耐寒性・耐暑性、成長環境が似ているもの)
- プランターや鉢
- 土(適切な養分を含む)
- 鉢底ネット・鉢底石
- スコップ
- ジョウロ
- ガーデニング用手袋
寄せ植えのコツでもご紹介したように、植物は耐寒性・耐暑性の植物を組み合わせたり、成長環境が似ているものを選んだりするようにしましょう。
鉢やプランターは、特に寄せ植え用というものはありません。どれだけの種類の花やグリーンを植えたいのかを考えて、それに適した大きさの鉢やプランターを選ぶようにしましょう。
寄せ植え用の土は、保水性と水はけのどちらも良い市販用の培養土を使うのがおすすめ。買ってすぐに寄せ植えに取り掛かれるため便利です。
寄せ植えを作る際に使うスコップは、植物と植物の間に土を入れていく作業があるため、細めのスコップの方が扱いやすいでしょう。
春の寄せ植えの作り方
春の寄せ植えは以下の手順で行います。
- 主役となる植物と脇役の植物を決める
- プランターに土を入れる
- 植物を置いて、必要に応じて土を追加する
- 水をたっぷりと与える
寄せ植えをする際には、どのようなイメージにしたいか、はじめにデザインを考えておくことで、迷いなく寄せ植えを進められます。
寄せ植えする花の苗がポットに入っている場合、ポットから取り出したら根を優しくほぐして植えやすくしましょう。
脇役のグリーンや花は、苗をいくつかに分割してから、鉢の中で散らすように植えるのもおすすめです。
鉢に苗を植えたら、細い棒を使って苗の根が土の中にしっかりと入るように、優しい力で押し込みます。
寄せ植え鉢にすべての植物を植え終えた後、残りの土を入れていきますが、ポイントは水やりのための「ウォータースペース」を空けておくことです。
ウォータースペースがないと、水やりをしたときに土が鉢から流れて、植物の根が見えてしまいます。
鉢の縁から最大3センチ程度のウォータースペースを空けて土を入れましょう。
春の寄せ植えの管理ポイント
できあがった春の寄せ植えを美しく保つためには、適切な管理が大切です。ここでは、春の寄せ植えを長く楽しむための管理ポイントをご紹介します。
風通しの良い場所に置く
春の寄せ植えは、風通しが良い場所を選んで置きましょう。風通しの良い場所に置くと、植物の成長を促してくれるほか、病気や害虫が寄り付くリスクも回避できます。
また、直射日光が強すぎる場所は避け、日光と風が適度に当たる場所を選ぶことも大切です。また、植物によっては半日陰を好む場合があるため、植物の特性に合わせた置き場所を考えましょう。
水やりは土が乾いたら
寄せ植えの水やりは、土の表面が乾いたら行うのが基本です。水やりをしすぎると根腐れの原因となる可能性が高いため、慎重に行いましょう。
春になると日中の気温も徐々に上昇してくるため、水やりは朝のうちに行うようにしましょう。日中の暑さで水分が蒸発する前に植物が水分を吸収しやすくなるためおすすめです。
花がらはこまめに取る
寄せ植えの中で咲き終わった花や枯れた葉を定期的に取り除くことも大切です。
花がら摘みをすることで、新しい芽や花に養分がいきやすくなるため、新しい花が咲きやすくなります。また、花がらは病気や害虫の隠れ家にもなる可能性が高いため、こまめにチェックして取り除きましょう。
ボリュームが出たら整える
春の寄せ植えでは、植物の成長に合わせて定期的な剪定を行いましょう。特に成長が早い植物たちは、他の植物の成長を妨げないように注意が必要です。ボリュームが出たら、植物同士が窮屈にならないように整え、風通しを良く保ちましょう。
植物のボリュームを整えることで、寄せ植え全体のバランスが保たれ、見た目の美しさもキープできます。
春の寄せ植えにおすすめの花10選
春の寄せ植えにおすすめの花を10種類ピックアップしました。ご紹介する花々はそれぞれ魅力的な特徴を持っています。各植物の特性を考慮して寄せ植えに組み合わせてみてくださいね。
マーガレット
マーガレットは、清楚で美しい見た目が魅力の花です。白のマーガレットがメジャーですが、ほかにもピンクや黄色などの色があります。
柔らかな花びらは春の日差しによく調和して、寄せ植えにも優しい雰囲気をもたらしてくれるでしょう。また、一重咲きや八重咲きなどの種類もあるため、存在感がある種類のマーガレットなら寄せ植えの主役にもおすすめです。
マーガレットの開花時期は春から初夏にかけてですが、お手入れ次第ではより長く楽しめる場合もあります。
日光を好む植物のため、日の当たる場所に置いてあげましょう。ただ、直射日光は葉焼けする原因になるため注意が必要です。水はけのよい環境で元気に育ちます。
「真実の愛」「信頼」「希望」など
ペチュニア
ペチュニアは、鮮やかな花の色と、春から秋までの長い開花期間で人々に愛されている植物です。
ペチュニアは豊富な色のほかに、さまざまな形もあり、咲き方も一重咲きや八重咲きなど多様です。ペチュニアの色や形によっては、寄せ植えで主役級にも、脇役としての引き立て役にもなるでしょう。
日当たりを好む植物のため、寄せ植えにペチュニアを植えるなら、日の光が直接当たりにくい場所を選ぶようにします。
ペチュニアを植え付けてから定期的に肥料を与えることで開花が促進します。また、開花期間が長いために花の数が少なくなったと感じたら切り戻しを行うと、再び満開の花を楽しめるでしょう。
「心の安らぎ」など
ルピナス
ルピナスはシュっと直立する花穂にたくさんの小花をつけるのが特徴の植物です。ルピナスの色には白やピンク、黄色などがあります。
ルピナスは寄せ植えの中では縦のラインを演出してくれる存在。開花時期は一般的に4月から6月にかけてです。
ルピナスは日当たりと水はけが良い場所を好みます。病害虫の心配がなく、初心者でも育てやすい植物と言えるでしょう。
寄せ植えのルピナスに水やりをする場合、花に直接水がかからないように注意しましょう。花が咲き終わったタイミングで花穂の根元で切ると、そこから脇芽が出て次の花を咲かせてくれます。
「想像力」「いつも幸せ」など
スイートアリッサム
小さな花が密集して咲くスイートアリッサムは、その名の通り甘い香りを放つのが特徴です。100種類以上品種があるといわれていて、花の色もさまざまです。
スイートアリッサムの種類の中には草丈が低いものがあり、寄せ植えにも向いています。
高温多湿・耐寒性に弱い植物のため、日当たりと風通しの良い環境に置くことが大切です。やや乾燥気味に育てると元気に成長します。春の始まりで霜が降りる日があるときは、霜よけの管理もしましょう。
適切な環境の下ではどんどん成長するため、切り戻しや花がらつみをして美しい形を保ってあげることも大切です。
「美しさに優る価値」「優美」など
ガーベラ
鮮やかな色と大きな花が特徴のガーベラは、春の寄せ植えで目を引く存在になります。開花時期が4月から6月までと長く、寄せ植えにして長く楽しめるでしょう。
ガーベラは暑さに強く、日当たりと水はけの良い場所での栽培が適しています。寒さには弱いため、冬の間は寒さをしのげる場所に寄せ植えの鉢を移動させてあげましょう。
水やりをする場合、花が傷まないようにガーベラに直接水をあげるのは避けてください。梅雨時期は寄せ植えを雨にあたらない場所に置くと雨に濡れてガーベラが枯れるのを避けられます。
ガーベラは色によって花言葉が違うため、花言葉を元にして寄せ植え用のガーベラを選ぶのも良いですね。
「希望」「辛抱強さ」など
スカビオサ(マツムシソウ)
スカビオサはふんわりとした丸い形の花が特徴で、春の寄せ植えにナチュラルな雰囲気をもたらします。紫やピンク、青、黄色などさまざまな色があるため、他の植物とのコントラストを考えて寄せ植えすると、華やかに仕上がるでしょう。
スカビオサは日当たりが良く乾燥した環境と涼しい気候が好みです。多湿に弱いため、直射日光を避けた風通しの良い場所に置くようにします。
花が咲き終えて落ちたら花がらを摘み取ってあげるのも大切です。
「魅力」「風情」など
パンジー・ビオラ
パンジー・ビオラは、春の寄せ植えでは欠かせない存在です。色と形が豊富で、寒さにも強いため、まだ気温が低い春先から美しい花を楽しめます。
パンジーの花は大ぶりで、ビオラはパンジーの半分ほどの大きさです。大輪・八重咲き・フリル咲きなどさまざまな形があるため、いろいろな種類のパンジー・ビオラを組み合わせて寄せ植えを作るのも楽しいでしょう。
日当たりが良く、湿度の高くない場所で育てると花付きが良くたくさんの花を咲かせてくれます。
パンジー・ビオラの開花時期は長く、半年以上咲き続ける場合もあるため、開花中に追肥すると元気に育ちます。ただし、一緒に寄せ植えする草花によっては肥料によって枯れてしまう品種もあるため、追肥は様子を見ながら行うようにしましょう。
「もの思い」「私を思って」など
アイビー(ヘデラ)
アイビーは、つる性の植物で、寄せ植えに緑のアクセントや立体感を加えてくれます。耐寒性・耐陰性どちらもすぐれているため、どのような種類の寄せ植えにアイビーを足しても元気に育つでしょう。
つる性で自由に伸びるため、デザイン性の高い寄せ植えを作るのにも適しています。適切な環境で育つとつるがどんどん伸びていくため、適度に剪定して整えてあげましょう。
アイビーは斑が入ったものや、ユニークな葉の形をしたものがあるため、いくつかの種類を組み合わせて、アイビーだけのハンギングバスケットを使った寄せ植えを作ると、ナチュラルなインテリアにしっくりとくる寄せ植えができあがります。
「永遠の愛」や「友情」「不滅」など
シロタエギク
春から夏にかけて咲くシロタエギクはカラーリーフとして人気の植物です。シロタエギクの茎や葉はフェルトのような白い産毛に覆われていて、光の加減で銀色に輝きます。常緑性で美しい姿を保つため、春の始まりに作る寄せ植えにも向いています。
シロタエギクは4月から6月頃に黄色い花を咲かせます。水はけと風通しの良い場所に置くと元気に育ちます。光が当たらない場所では茎が弱くなりひょろひょろとしてしまうため、日向に置くようにしましょう。
寄せ植えのシロタエギクは、株が大きくなりすぎると草姿が乱れてしまうため切り戻しするのがおすすめです。切り戻しすると新芽が出てまた美しい葉色になります。
「あなたを支えます」「穏やか」など
ラミウム
ラミウムは地面を這うように広がる植物で、春に葉の間から白やピンクの小さな花を咲かせます。斑入りの葉も人気で、寄せ植えに深みを与えてくれます。葉の形は丸みをおびた三角形です。
乾燥に強い植物ですが高温多湿に弱いのと、直射日光の下では葉焼けを起こしやすいため注意しましょう。
春の間は半日陰で育てると葉の色が美しく保てます。ラミウムもシロタエギクと同じく常緑性で、寄せ植えに使えば春だけではなく一年中同じ葉の色を楽しめるでしょう。
「気づかれない想い」「愛嬌」など
コツを抑えて春の寄せ植えを楽しもう
春の寄せ植えを作るには、植物の特性を理解して、春らしい明るい色の花選びが大切です。
主役と脇役の花々を上手に組み合わせながら、自分だけの素敵な春の寄せ植えを楽しんでくださいね。