パキラは、おしゃれな見た目と育てやすい性質で人気の観葉植物です。丈夫な性質ですが、特徴をよく理解していないとトラブルが発生することもあります。そこで今回は、パキラのトラブルのなかでも起こりやすい「葉焼け」について、その原因と対処法を解説しますので、葉が茶色く変色して悩んでいる方はぜひチェックしてみてください。
パキラは日光が好きな植物
シュッとした葉がスタイリッシュなパキラは、丈夫な性質で育てやすいため人気の観葉植物のひとつです。中南米原産の常緑樹で、暖かく乾燥した場所が好きな植物です。
耐陰性がありますが、日光が好きなので定期的な日光浴をさせてあげると元気に育ちます。暖かい季節の間は、外に出して日に当てると良いでしょう。
パキラの葉が変色したら葉焼けのサイン
生命力旺盛で次々と葉をつけるパキラですが、育てているうちに葉が変色してしまうトラブルもあるでしょう。
葉が変色してしまった場合は、まず葉焼けを疑ってみましょう。葉焼けとは、葉が火傷したような状態になることです。
葉がカサカサと乾燥し黄色や茶色に変色したり、光沢のある葉に艶がなくなりくすんだ緑色になっていたら、葉焼けのサインです。
葉焼けは葉先から変色していくため、変色部分がどこにあるのかを確認してみましょう。斑入りの品種はより繊細なので注意が必要です。
パキラが葉焼けする原因
パキラが葉焼けする主な原因は、葉を直射日光に当てたためです。
例えば、室内で育てていたパキラを急に直射日光に当てたり、真夏の強い日差しの元で葉に水をかけたりと、突然強い光に当てた場合や、急な温度変化が生じた場合に葉焼けが起こります。
日光浴が好きなパキラですが、外に出す場合は徐々に慣れさせていくのが鉄則です。
窓際のカーテン越しから徐々に日に当てる長さを増やしていき、外に出す場合も短時間からなど、工夫をすることが必要です。
1週間ごとに場所を変えたり日に当てる長さを伸ばしたりしていくのが、葉焼けをさせないコツです。
パキラが葉焼けしたらどうする?
もしパキラが葉焼けしてしまっても、適切な対処をすることで枯らさずに元気な姿を取り戻すことが可能です。
そもそもパキラに最適な日当たり環境は、日中にたくさんの光が入るレースカーテン越しの窓際です。なるべく、半日以上日に当たる場所が適しています。
パキラが葉焼けしてしまったら、以下の手順で対処してみましょう。
枯れた葉は元には戻らない
パキラが葉焼けしてしまったら、まず直射日光が当たる場所から、日の光が入る室内のカーテン越しに移動させて、1週間ほど様子をみましょう。
急に暗いところに移すとパキラがびっくりしてしまうため、慌てずに緩やかな環境変化を心がけます。
しばらく経ってパキラが環境に慣れてくると、徐々に元気を取り戻します。
残念ながら、葉焼けしてしまった葉は元には戻りません。
大部分が変色してしまった葉はカットして、元気な葉のみ残しましょう。適宜葉水を行うと、ツヤのある葉を取り戻してくれるでしょう。
剪定&切り戻しで生長を促す
葉焼けしてしまったパキラの生長を促すためには、剪定や切り戻しをしてみるのもおすすめです。パキラの成長のピークは7月頃なので、5〜6月頃に行いましょう。
切り戻しをする際は、必ず切れ味の良い剪定バサミを使います。
まず、全体のシルエットをイメージしてカットする部分を決めましょう。コブのような生長点を目印にしながら新しく新芽を出して欲しい部分の少し上をカットします。
パキラは生命力が強いため、慎重になりすぎずに思い切って剪定してみましょう。
切った枝は挿し木で増やせる
剪定の際切り戻したパキラの枝は、挿し木で増やすことができます。元気な枝があれば挑戦してみましょう。
剪定した枝の切り口を斜めにカットして、葉は2、3枚のみ残して取り除きます。鹿沼土やバーミキュライトに挿し、明るい日陰で管理しましょう。
パキラの葉焼けと他のトラブルの見分け方
パキラの寿命は100年以上ともいわれているので、葉が変色したり枯れてしまったりするのは寿命以外の原因があるはずです。
ここからは、葉焼けに似た他のトラブルを紹介しますので、それぞれの症状と対処法を参考にしてみてください。
水枯れ
水枯れとは、水不足で枯れてしまうことです。水不足になると、パキラの葉の付け根が垂れ下がり、葉の表面がシワシワになります。
徐々に黄色く変色してしまうため、葉が垂れ下がっていて土が乾いていたら、たっぷりと水を与えましょう。
土に水分が含まれている状態であれば水やりではなく葉水を行いましょう。
根腐れ
乾燥した状態が好きなパキラは、水のやりすぎで蒸れてしまい、根腐れを起こすことがあります。
以下のような症状が見られたら、根腐れのサインです。
- 水が土になかなか染み込まない
- 葉が落ちる
- 葉が黄色く色抜けする
- 幹がブヨブヨして柔らかい
鉢受けの水はすべて捨ててしばらく水を与えずに、日当たりと風通しの良い乾燥した場所で様子をみましょう。
根詰まり
鉢植えで1〜2年育てたパキラは、根詰まりに注意しましょう。
- 土が乾きやすい
- 水が染み込みにくい
- 葉に張りがなくなりシワシワになる
このような症状があれば、根詰まりのサインです。鉢の底を確認して、根が出てきている場合は植え替えが必要です。
日照不足
耐陰性のあるパキラですが、日照不足で枯れてしまうこともあります。
間延びしたようにヒョロヒョロとしていたり、葉が落ちたりする場合は、日照不足の可能性があります。
急に日向に出すのではなく、徐々に日の当たる場所に慣れさせながら日光浴をさせましょう。
冬の寒さ
パキラは寒さが苦手な植物です。耐寒温度は5℃ほどなので、冬は暖かい室内で育てましょう。冬の寒さが影響すると、葉が色あせるように色抜けしたり、葉が落ちたりなどの症状が出ます。
室内でも窓際は朝晩に冷えることが多いため、冬場は窓から離れた場所に置きましょう。
病害虫
パキラが生長する春から秋にかけては、病害虫が発生しやすい時期なので注意が必要です。
注意すべき病気は主にすす病で、葉の表面に黒い粉が発生します。害虫の排泄物にカビが生えた状態なので、水で洗いながらティッシュペーパーや歯ブラシで擦り取りましょう。
また注意すべき害虫は、アブラムシやハダニ、カイガラムシなどです。葉に白い斑点ができることもあるので、葉の裏側も定期的にチェックして見つけ次第駆虫しましょう。
日頃から日当たりと風通しの良い場所でパキラを育てて、葉水を定期的に行うことで、病害虫の発生防止となります。
パキラは葉焼けしても慌てずに対処しよう!
パキラは日光が好きな植物ですが、急に直射日光に当てたり温度変化を与えたりすると、葉焼けを起こしてしまいます。
葉の先端から変色し黄色や茶色になり、いずれ枯れてしまいます。日光浴をさせる場合は、徐々に慣れさせていくことが重要です。
パキラは生命力が高いため、葉焼けを起こしても慌てずに対処することで、復活させることが可能です。
葉焼けをしてしまったら急に日陰に移動させるのではなく、日の当たる窓側のカーテン越しなどに置いて様子を見ましょう。
変色してしまった葉は元には戻らないため取り除きます。落ち着いてきたら、生長を促すために切り戻しを行うと良いでしょう。
寿命が長く生長が旺盛なパキラは、トラブルが起こっても回復しやすい植物です。葉焼けをしてしまっても慌てずに適切な対処をして、元気な姿を取り戻しましょう。