室内を安らぎの空間に変えてくれる観葉植物。その観葉植物の多くは熱帯地域原産のもので、冬の寒さには弱いとされています。ただ、管理をしっかりすれば観葉植物の冬越しも可能です。この記事では、観葉植物の冬越しについて対策と方法を紹介します。
観葉植物の冬越しの方法その1:冬の水やり
冬に観葉植物を管理するのに大事なのが水やりです。
暖かい時期と違い、寒い期間の観葉植物は生長速度が緩やかになり、冬越しするためのエネルギーを体内に蓄えています。
このため、春や夏と同じような頻度で水やりをすると植物が水を吸収しきれません。その結果根腐れを起こして観葉植物が枯れてしまいます。
観葉植物の冬の水やりは、土の様子を見ながら行うのがポイントです。
表面が乾いていたらたっぷり水を与えて、次の水やりのタイミングはまた土が乾くのを待ってからにしましょう。
また、観葉植物が冬でも元気なようにと活力剤を与えたいところですが、観葉植物の生育を急激に速めるのもおすすめできません。
冬の間は観葉植物の緩やかな生育に合わせた管理をしましょう。
冬の間、室内はエアコンをつけている場合もあります。エアコンのそばに観葉植物を置くと葉に風が当たって乾燥してしまうことも。
葉には適度な水分が必要なので、土に水を与えるのとは別に、霧吹きで水を吹きかけておきましょう。
観葉植物の冬越しの方法その2:寒さ対策
観葉植物を無事に冬越しさせるには、寒さへの対策も大事です。
置き場所に気をつける
寒さが苦手な種類の観葉植物は、10℃を下回ると元気がなくなります。
もしも観葉植物を出入りが多い玄関に置いていたら冬の間だけは室内に入れるようにしましょう。直射日光を避けた場所に置いておくのがおすすめです。
大きくて重い観葉植物をこまめに移動させるのは大変です。その場合、市販のキャスター付き受け皿を観葉植物の下に置いておくと移動が少し楽になります。
エアコンのついた室内に置く場合は、前述したように葉の乾燥に注意します。
また、夜にエアコンを切ると翌朝には部屋が冷え込むので、寝る前にビニールシートなどをかぶせて保温しましょう。
冬越し対策のグッズを揃えておく
観葉植物の冬越し対策には、家にあるものを使うのがおすすめです。鉢の周りに新聞紙を巻いたり、ダンボールや紙袋をかぶせたりすると植物を保温できます。
壊れやすい荷物を発送する際に使う緩衝材(プチプチ)も観葉植物の保温に役立ちます。鉢植えにかぶせるだけでOKです。
防寒グッズは、寒い時間帯だけ使用します。例えばビニールシートをかぶせっぱなしにしていると、湿気がこもりカビが生える原因にもなります。
日中はかぶせているカバーを外して、観葉植物を適度な日にあてて呼吸させてあげましょう。
観葉植物の冬越しの方法その3:温度は暑すぎず寒すぎず
冬の間の観葉植物は寒暖差に注意しましょう。暑すぎる室温は植物の乾燥につながり、寒すぎると元気をなくします。
気温差が緩やかな場所に置いておくことで、植物を冬の厳しさから守ることができます。
観葉植物の冬に起きてしまう問題
観葉植物が冬の間に起きがちなトラブルを紹介します。
葉が落ち始める
朝晩の温度差が大きい場所に観葉植物を長期間置いておくと、葉が落ち始めることがあります。これは、植物が枯れ始めるサインなので要注意です。
例えば日中は日陰の場所に置きっぱなしにして、夜にエアコンの効いたところに植物を移すと、その急な温度の落差で葉が落ちてしまいます。
枯れてしまう
冬越し対策がうまくいかないと、観葉植物は春を待つ前に枯れてしまうことがあります。
水をやり過ぎたこと、日あたりが不足したこと、気温調節がうまくいかなかったことなどさまざまな原因が考えられます。
観葉植物が枯れてしまったら?
「観葉植物の葉が枯れてしまった…」そんなときは枯れた葉を切ってみましょう。そして、直射日光は避けた場所に置いておくと、根が元気であれば芽が出てきます。
逆に根が腐ってしまっていると、残念ながら既に観葉植物は枯れてしまっており復活は難しいでしょう。
観葉植物が枯れたかも?と思ったら、まずは枯れた葉を切った後少し様子を見てみて下さい。
観葉植物のなかには冬に強いものがある
観葉植物を無事に冬越しさせるために、あえて冬に強い観葉植物を選ぶのもおすすめです。
モンステラ
南国を思わせる大きくて光沢のある葉が特徴のモンステラは、熱帯地方で自生するサトイモ科のつる性植物です。暑い場所で元気に育つ植物なので、冬の間は生育速度が遅くなります。
冬の間、モンステラは直射日光を避けて、適度に日が当たる場所に置きましょう。
窓際でもOKですが、夜の間は急激に気温が下がるので、ビニールなどをかぶせておくのがおすすめです。
オリヅルラン
オリヅルランは常緑性多年草の観葉植物で、年中濃い緑色の葉を茂らせます。日陰でも耐えられる性質で、日当たりが多少悪くても育ちます。
また、葉が硬くしっかりしたタイプのオリヅルランは寒さに強いのも特徴です。屋外でも育ちますが、寒さの厳しい地域で育てる場合は室内で管理しましょう。
鉢植えとして室内に置くのはもちろん、水耕栽培や庭の地植えなど、さまざまな方法で楽しめる観葉植物です。
ストレリチア
「極楽鳥花」という別名を持つ、オレンジ、ブルー、レッドの鮮やかな花を咲かすストレリチア。南アフリカが原産の植物です。
温度を一定に保っておくことで1年中花を咲かせ楽しませてくれます。寒さにも強く、極寒地域以外では外に置いたとしても冬越しが可能です。
大きくきれいな花をつけたいなら、日なたや半日陰など、日が当たるところに置くようにしましょう。
ガジュマル
葉よりも多種多様や幹の形に目を引かれるガジュマルは、大きなものだと20メートルにも成長する植物ですが、観葉植物の場合テーブルサイズのものもあります。
丈夫で生命力の塊のような植物で、枯れる心配もほとんどありません。日の光を好むため、たっぷり日光浴をさせてあげましょう。
乾燥地帯で元気に育つため、冬の間は乾燥気味に育てても問題ありません。
サボテン
高温乾燥地で元気に育つサボテン。ぽってりと厚みのある葉や茎の中には水分をため込んでいます。
サボテンの冬越しは、過度な水やりは避けましょう。
また外に置く場合は雨に当たらないところで管理します。室内に置く場合はエアコンの吹き出し口に置かないようにしましょう。
観葉植物は冬越しできる!管理方法に気をつけよう
適切な管理を怠らなければ観葉植物の冬越しは可能です。
それぞれの観葉植物の特徴やバックグランドを知り、できるだけ生まれ育った環境と同じような管理をするのがポイントです。
冬越しができれば観葉植物たちは春に再び元気に育っていくでしょう。